2013年04月18日

サッチャーのfactチェック--金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に

英国在住の坂野さん(TUP同人で物理学者で友人)が、サッチャー元首相死去に際し、日本の友人から英国での反応について問われたことを受けて書いたメールを筆者の許可を得てシェアします。Factsの確認に。

以下行替えを適宜変更し、一部大文字にしたほかは原文ママ。

-------- 8< -------- 8< -------- 8< --------

マーガレット・サッチャー元首相が先日、亡くなりました。日本でもそれなりに大きく報道されたようなので、ご存知かとも思います。

僕のソーシャル・ネットワーク・サービスのウェブページは、人々の皮肉といくつかの喜びの声とで埋まりました……。端的には、哀しみを表明している人が見当たらなかったくらいで。

# もちろん、僕のページは、僕の(人間関係や思想の)嗜好が
# 反映されているので、相当の偏りがありますが。

例を挙げると、

「サッチャーの悪行のまとめのビデオを見つけました。もし気に食わなければ、[私への]友達指定外して、失せてもらって結構!」

「埋葬は大変かもね。荒らされそうで。」→「そうだね、だから入場参観料を取ればいいんでないかい? それで今の経済不況問題は一気に解決して、八方うまく収まるよ!」

「今日は私にとって哀しみの日です。今日から、軽蔑する人がいなくなってしまったではないか!」

「[国葬が決まったことを受けて]サッチャーの葬式は、入札に出して、一番安い値をつけたところにしましょう。それこそ女史が望むことでしょうから。(by Ken Loach)」

日本でも一部、報道されたようですが、スコットランドの都市部の大通りは、一部、お祭り騒ぎで浮かれ騒ぐ人(street party)によって通行閉鎖されたりしました。iTune では、(映画「オズの魔法使い」の)「Ding Dong!The Witch Is Dead [鐘を鳴らせ! 悪い魔女は死んだ]」という曲が英国のチャート一位になりました。

日本的には、悪人でも死ねば同じ、静かにしておく、というのが美徳かと思います。英国でも、基本はそのようです。しかし、ことサッチャーに関しては、それは当てはまらないようでした。とはいえ、中には、たとえばパーティーしている人々に眉を顰めている人も結構いたように感じますし、声を出して批判している人もいました。

僕自身は、基本的には日本的美徳に沿った感覚を持っています。現在進行形の暴君が死んで、明日からの生活の改善が期待できる、というならば、お祝いするのは大いに理解できますが(スターウォーズ第三部の「ジェダイの復讐」のように)、すでに政治の表舞台から去って久しく、老化が極めて進行していた人が死んでお祝い、というのは違和感があります。

一方、逝去に際し、批判を述べるのは、何も間違っていないと考えます。実際、死亡を受けて、女史がいかに素晴らしかったか、という(追悼の)声を各所で見かける現実がある以上、批判があるならば同様になされて然るべきでしょう。サッチャーのような公人に対して、死んだからと言って批判を控えるのはおかしいことかと。それは、歴史認識を歪める態度につながりそうですし。

さて、マーガレット・サッチャーが英国でなぜ不人気、どころか嫌悪されているか?

公平に言えば、ファンもいますけどね。いえ、イギリス人の中でも高く評価している人は(の方が??)多いと思います。ただ、特にスコットランドでは、本当に蛇蝎のように嫌われているようです。実際、サッチャー時代、保守党(Conservative)は、もともと半分以上あった議席のほとんどを失いました。議席を失う、というのは、本物かと。

サッチャーは、保守党の権化のような存在だと思います。そういう意味では、金持ち以外、つまり国のほとんどの人にとっては困った存在だと言う事になりますね。もちろん、それはあくまで原則であり、現実には、保守党は、貧困層からも一定の支持を集めていますが。日本で自民党が一定の支持を集めているのと同様に。ただ、サッチャーの場合は、保守の人々からさえも往々にして嫌われています。

サッチャー以前、英国は半ば社会主義の世界でした。基本的な公共サービス(水道、ガス、電気、電話、鉄道などなど)はすべて国有でした。

サッチャーの「業績」で一番有名なのは、privatisation(私有化)だと認識しています。国有サービスを次から次へと私企業化しました。「小さな政府」のかけ声で。

国家サービスの私有化に伴い、多くの閣僚や議員の懐が潤いました。私有化した企業の幹部や大株主にそういった人々が名を連ねていることが珍しくなく。

これに伴って、当時、強い勢力を誇っていた労働組合への圧力を決定的に強めました。たとえば、それまで許されていた労働闘争手法を違法化したりしました。当時の経済不況と相まって、またストライク続きで社会機能がしばしば半ば麻痺した状況に嫌気がさしていた市民も少なくなかった[*]ことも影響したのでしょう、サッチャー時代、労働組合は力を激減することになりました。中でも有名なのは、1984-85年の鉱夫の労働組合の全国ストライキとの対決で、結果、1年に亘った闘争の末、組合側が完敗した事件でしょうか。
http://en.wikipedia.org/wiki/UK_miners'_strike_(1984–1985)

[*]サッチャー以前の数年間には、ストライキによって、停電やゴミの未回収・未処理が相次ぎました。果ては遺体の(埋葬や火葬をせずに)放置が報道されたこともありました。

その時、公有、または公的補助が入っていた産業、特に鉱山の多くを潰しました。一方、格別な失業対策は行わなかったため、街には失業者が溢れることになりました。

同様に、政府の支出"削減"を断行しました。福祉やNHS (National Health Service = 国民保健サービス; 英国では基本的に医療はすべて国公立で無料; そのシステムの名称)や学校などの教育機関への支出削減が悪名高いところです。要するに、緊縮財政、ということです。しかしながら、以下に述べることとのバランスで、結果的にはトータルで見ると国家支出は削減ではなくむしろ微増になったようです。

# サッチャーの渾名の一つ、"Milk Snatcher"[牛乳泥棒;
# 「サッチャー」と「スナッチャー」とを掛けた洒落]は、学校での
# 無料の牛乳提供を廃止したことに由来します(首相になる前の話)。

一方、ところによっては、支出を大幅増額しました。特に、軍隊、警察、そして地方自治への干渉(たとえば大ロンドン市議会を1986年に文字通り潰しました。つまり英国政府の直接管轄下に置いた)。端的には、警察国家化したわけですね。またそれまで自前で賄っていたものを外注に変えたことで民間への支出が大幅に増えました(当然、内部での支出は減ったでしょうから、支出の純増ではありませんが)。

公営住宅(Council Homes; 低所得層や生活保護を受けている人に国や地方自治体が低家賃または無料で提供する住宅)を現住人に格安で売り渡す政策を推進しました。短期的には、政府の収入が増えることになります。しかし、公営住宅を売ったところで、その需要が減るわけではありません(いや、後述するように失業率の高さ故むしろ増えた?)。一方、この時代、公営住宅を国が新規購入または建築することは多くなかったようです。結局、私企業(不動産屋)から国が家を借り上げてそういった人々に提供する必要が生じ、少し長期的に見ると、国の関連支出は増えることになりました。また、元々低所得の人が家を買い上げても結局ローンが支払えず抵当に入ることが頻繁にあり、銀行や不動産屋は大いに潤いました(間接的に国から安く入手した家を高く売れることになりますから)。

また税制改革を断行しました。間接税を倍増させ(消費税が 8%→17.5%)、一方で特に高所得層の直接税(所得税)を減税しました。住民税(=固定資産税)を廃止して人頭税(poll tax)に置換えました--- 言葉を替えれば、以前は所有資産価値によって大きく変わっていた住民税(+固定資産税)を全員一律にしました。当然、資産を持っていない人には相対的に厳しく、高級住宅に住む人には福音になりました。これらの結果、税制の逆累進制が進められ、貧富の差が大いに拡大しました。

商取引における数々の法的制限を撤廃しました。英国の金融業はこれにより潤い発展しました。一方、二次産業は次から次へと廃業の憂き目を見ました。サッチャー時代の最初の不況では、20% の産業会社が潰れたとか。ロンドンの金融街はよかったかも知れませんが、一次・二次産業に頼るスコットランドでのダメージは計り知れないものがあったようです。失業率は鰻登り、記録更新が続きました。

ちなみに、当時、第一次石油ショックの余韻と第二次石油ショックのあおりで原油価格が高騰して結果的に北海油田からの利益が増えています。国の保護下にあった産業を切り捨てたこと、金融業の発展などにより、失業者は激増したものの、英国の国民総生産の収支は保たれたようです。

犯罪数はサッチャーの時代に倍増しました。警察国家を推進したことを考えれば、皮肉なことです。

これらのため、英国内での南北格差は拡大しました。英国内の南北格差とは、南部(端的にはロンドン)は金持ちで、北部(端的にはスコットランド)は貧しい、という状況です。

# ちなみに、前述の人頭税は、スコットランドではイングランドより
# 1年早く導入されました。

サッチャーがスコットランド人には特に嫌われている理由のひとつでしょうか。本人のキャラクターとして、イングランド人のメンタリティが大きく、スコットランドを軽視する雰囲気があった、とも聞くので、それも大きかったのかも知れません。

# 余談ですが、この人頭税は、今では英国全土で廃止されていて、
# 固定資産税に似た意味を持つ住民税に戻っています。
# 「似た」と言うのは、住民税は、賃貸か所有かに関わらず、
# 住んでいる家の場所と不動産資産価値によって決定、所帯単位で
# 課税されるからです。

付け加えて、"Care in the Community"政策を断行しました。これは、それまで病院で入院治療されていた精神病患者を地域に返し、各家庭で面倒を見るようにした政策です。治療効果という意味でそれ自体は必ずしも悪いこととは限りませんが、当然、医師や看護士の各家庭への充実した出張ケアが前提になりましょう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Care_in_the_Community
現実には、この政策の主眼はコスト削減にあったようで、サッチャー政権で批判が高い政策の一つのようです。

以上が、内政の話です。

外交という意味では、フォークランド紛争で最も過激な方策を取った事(両軍に死者累累……。ただし、同戦争のおかげで、歴史的低迷をしていた内閣支持率は急回復し、後の国政選挙で圧勝、サッチャー時代を不動のものにしました)、ピノチェトやスハルトとの蜜月を公言、ネルソン・マンデラをテロリストとして指弾、イラン・イラク戦争中のうすら暗い取引や政策などなど、問題は数知れずありますね。ただ、一般論として、外交は、本人の国内の人気にはあまり影響しないものでしょうね。華々しい戦争を除いて。

色々聞いて回った僕の印象としては、サッチャーの政策には確かに、インパクトがあるものが多かったでしょうね。鉱山潰し、労働組合潰しがその最たるもので。「鉄の女」の渾名に表されるように、強面の印象があるのも事実でしょう。上述したように、政策そのものの問題は枚挙に暇がないにせよ、そういう感情レベルでの反感は、当時大きかったかも知れません。

# 最も有名なのは、1980年10月10日の保守党総会にての演説でしょう。
# それ自体が、Wikipediaに載っているくらい。
# http://en.wikipedia.org/wiki/The_lady's_not_for_turning
# 核心部を邦訳すると、
# 「マスコミが好むであろう[政策の]『取りやめ』宣言を息を潜めて
# 期待している面々に申し上げよう。私の答はただ一言だけ、
# 『やめたいものはそうすればよい。わらわはやめぬ。』」
#
# [邦訳が強烈に困難な原文です……。言葉を二重の意味に使っていて、
# おまけに言葉遊びとしての洒落も効いていてさらにインパクトを
# 増しているもので……。最後の文章は、「(政策を)とりやめる」に
# 「離党する」の意味を掛けています(かつ、駄洒落にもしている)。
# そして、最後の文の主語を通常の "I" ではなく、"The lady"
# としているのも強烈です。「鉄の女 (the Iron Lady)」の
# 渾名は当時すでに定着していたことが背景にあることと想像できます。]

それと相まって、英国で歴史上初めての女性首相というのもインパクトがあります。実際、「女だてらに」という男性からの感情的反感、および同性の女性からの「あんなの女じゃない」という軽蔑的反感との両方を感じることがあります(僕の個人的印象に過ぎませんが)。男尊女卑的な保守層からの反感の理由の一端は、多少はそこにあるかも知れません。スコットランドは、そういう意味ではイングランド以上に保守的な面がある(あった)ので、イングランド人女性首相というのは、反感を買う材料を増やした側面はありそうです。

サッチャー時代、一般にサッチャー政権(Thatcher Government)と呼ばれることが多かったようです。最近は、保守党政権(Conservative/Tory Government)、労働党政権(Labour Government)と呼ばれるのが普通であることを考えれば、当時のサッチャーの存在感の大きさが窺われます。よくも悪くも、マーガレット・サッチャーは、英国近代政治史に大きな足跡を残した人であることには、異論がないところでしょう。

以上、事実関係自体はそれなりにはちゃんと調べたつもりです。一方、述べる各項目の選択がどれほどバランスが取れたものかは、自信がありません。重要な項目で触れていないものもあれば、相対的にはそれほど重要でないのに採上げたものもあるかも知れません。加えて、僕は、英国で同時代を体験したわけではありませんから、原因などについては、僕の現在の(偏っているおそれもある)観察に基づくところも多々あって、多くの推測が混じります。全体としてそれほど大きくは外してなければいいと思うんですが。

2013-04-18
坂野正明

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2012年11月16日

「ただちに行動を」ガザ集団虐殺についてのプレスリリース

ガザからの呼びかけに答え、できることから。スターバックス、マクドナルド、ネスレなど、イスラエル支援企業のボイコットなら今日から始められます。
http://palestine-heiwa.org/choice/list.html

<京都の岡さんからのメールを貼付けます。>

みなさま、

京都の岡真理です。
すでに報道されているように、ガザに対しイスラエルによる新たな軍事作戦が進行中で
す。
以下、ガザのアブデルワーヘド教授がフェイスブックに投稿された、ガザの大学教員連
盟その他団体が14日に発表したプレスリリースをご紹介します。(日本語訳の次に英
語原文があります)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[拡散希望]

ただちに行動せよ!

プレスリリース:ガザ 新たな集団虐殺
2012/11/14

占領下パレスチナ、封鎖されたガザ発――イスラエルに対するアカデミック・ボイコッ
トのためのパレスチナ人学生キャンペーン、大学教員連盟、および民主的一国家グルー
プは、可能な限りもっとも激烈な言葉で、ガザ地区の無辜のパレスチナ人に対するイス
ラエルの犯罪的攻撃を弾劾する。

過去6時間のあいだに、7歳のラナ・アラファトを含む7名以上が殺された。ひどい火傷
をからだに負った子どもたちがシファー病院やガザ地区各地の設備も乏しい病院に続々
と担ぎ込まれている。この極悪非道の犯罪は、バラク・オバマが大統領二期目に当選し
たその翌週から始まった。ガザのパレスチナ人を可能な限り多数、死滅させることに対
してゴーサインが出たとテルアビブ[イスラエル政府]は主張する。

ガザは2006年以来、イスラエルによる絶滅政策と破壊行為を耐え忍んできた。われ
われはあらためて非難する、これら継続するイスラエルの犯罪を前に、国際社会が共謀
して沈黙を守っていること、そしてアラブ諸国の無能さを。われわれは指摘しておく、
いかなるアラブの国によっても、イスラエルに対して、何らの行動もこれまでとられた
ことはなかったことを。われわれが殺戮されているのを、アラブの春は傍観しているつ
もりなのか? 空疎な修辞はもう結構だ。非難の言葉はアクションへと翻訳されなけれ
ばならない!

われわれはまた、全市民社会の組織、政党に対し、イスラエル大使館をボイコットし、
自らの政府にアパルトヘイト国家イスラエルとの外交関係を断絶させるよう、繰り返し
要請する。今回、アパルトヘイト国家イスラエルが、ガザの無辜の市民に対するその犯
罪から逃げおおせるなどということがあってはならない。学生、学者はすべて、パレス
チナ人の学生や学生と連帯しなければならない。われわれは問う、国際社会が行動の必
要性を得心するには、ガザの子どもたちの何十という遺体を前にしてもなお十分でない
というのか?ガザで現在進行中の集団殺戮をやめさせることは、ひとえに市民社会と良
心ある者たちの手に委ねられている。

国際社会の無為無策がわれわれにこの事態を招いたのだ。
ただちに、行動せよ、手遅れになる前に。

民主的一国家グループ
スラエルに対するアカデミック・ボイコットのためのパレスチナ人学生キャンペーン
大学教員連盟
ーーーーーーーーーー
Press Release: A new Gaza Massacre!
14.November.2012

Besieged Gaza, Occupied Palestine--The Palestinian Students’ Campaign for the
Academic Boycott of Israel, University Teachers’ Association and The One Dem
ocratic State Group condemn in the strongest possible terms the criminal Israe
li attack against innocent Palestinians in the Gaza Strip.

More than 7 people have been killed within the last 6 h
ours, including 7-year-old child Ranan Arafat. Charred bodies of injured child
ren are pouring in to Al Shifa hospital and the other depleted hospitals aroun
d the Gaza Strip. This heinous crime also comes one week after the re-election
of Barak Obama for a second term. Tel Aviv claims to have been given the gree
n light to annihilate as many Palestinians in Gaza as possible.

Gaza has been enduring Israeli policies of extermination and vandalism since 2
006. We reiterate our condemnation of the international conspiracy of silence
and Arab impotence in the face of these continuous Israeli crimes. We note tha
t not a single action against Israel has been taken by any Arab country. Will
the Arab Spring stand aside and watch while we are being butchered? Empty rhet
oric will no longer be accepted. Words of condemnation have to be translated i
nto action!


We also reiterate our call on all civil society organizations and political pa
rties to boycott Israeli embassies and compel their governments to sever their
diplomatic ties with Apartheid Israel. This time, Apartheid Israel must not g
et away with its crimes against the innocent civilians of Gaza. All students a
nd academics should stand in solidarity with their Palestinian colleagues and
peers. We ask, what more does the international community need to see to be co
nvinced to act than the dozens of dead corpses of children in Gaza? It is left
to civil society and people of conscience to stop the ongoing massacre in Gaz
a.

Inaction has led us to this point.
ACT NOW BEFORE IT IS TOO LATE!

One Democratic State Group
Palestinian Students’ Campaign for the Academic Boycott of Israel
University Teachers’ Association
ーーーーーーーーーーー
以上
posted by nfsw19 at 09:00| ロンドン 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | メール引用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月21日

「How are you?」も「what time is it?」も普通に使うけど、それが何か?

「How are you?」は死語だとかいう英語学習に関する妙な「言説」が出回っている。で、代わりに「What's up?」を使えと勧められるらしい。先生とか上司に「what's up?」なんて言ったら「おまえ、なにもの?」な顔をされるだろうし、以降あなたの扱いが変わるかもしれない(礼儀を知らないヤツの範疇に入れられて)。第一に「what's up?」は米語だから、ヨーロッパだったら「アメリカかぶれ」とラベリングされ(て、ひそかに笑われ)るかもしれない(米語としてもくだけた表現だし)。

「how are you?」はどこでもだれにでも使えて便利だ。昨日も息子の学校で、久しぶりに会ったおかあさんたち(日本人じゃないです、念のため)はみなそれぞれ「how are you?」で挨拶を始めていた。道で隣人に会っても使うし、わたしが毎日新聞を買いにいくニュースエージェントのおにいちゃんは毎日「how are you?」と聞く。わたしはたいがい「I'm well and you?」と答えるけど、そういうときイギリス人は「I'm fine」とか「I'm well」とかより「not too bad」と返事することが多い気がする。これに対する答えは「good!」とか「great!」とかになる。これを道ですれ違いざまに一通りやらないとなので必然的に早口になる。

閑話休題。

「how are you?」は使う場面によって「おかげん、いかがですか」とも「元気?」とも「最近どうよ?」とも「儲かってまっか?」とも和訳できるわけで、それを自動的に「お元気ですか」と訳して「丁寧すぎる」とかなんとか言うのは翻訳能力が低過ぎ、日本語のボキャブラリーに問題がある。

‥‥てなことを思いつつ、ブログ書く時間がないから忘れつつあったら友人からメール(返信メールの転送)が来た。というわけで、レスター在住の坂野さん(宇宙物理学者)が「how are you?はあまり使わないの?」と質問されての返信を本人の許可を得て貼付けます。

〜以下コピペ(行替えを変えました)〜


「How are you?って、実際はあまり使われないのか」という疑問を受け取りました。以下のサイトを根拠にした話。
http://ure.pia.co.jp/articles/-/9246

そこで以下の返事を先方に書き送りました。茶飲み話までに転送します。個人的なメイルながら、ほとんどは英語表現に関する一般的な蘊蓄なので。興味がありましたらお暇な時にでもどうぞ。

----------- 8< ----------- 8< ----------- 8< -----------

このウェブサイト、他でも聞きました。ネット上で流行っている? そして、批判もいくつか見かけました。さもありなん、偏った見方が随所にある、と思います。米国人の変な"英語"に惑わされないように、というところですね。彼らが喋っているのは、英語に似た米語という別の言語ですから(と英国人ならば口を揃えて言います)。# Website下部のコメント欄でも批判の嵐である通り。

# ちなみに主役のデイビット・セイン氏は『日本人のちょっとヘンな英語』とか、 『やり直し教養講座 英文法、ネイティブが教えるとこうなります』とか数冊の本を出版しているようですね。ヘンな英語を日本で拡げるのに一役買っているということ?

[...]

チェックしてみましょうか。
# なお、僕の英語知識は主に Midland (中部イングランド)での用法を基準にしています。とはいえ、イングランドであればそれでおおよそ遠からずだという感覚を持っています。

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ラベル:英国生活 英語
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2011年09月30日

須賀川から/疲弊と帰郷/矢ケ崎氏の健康被害分析/避難先

早尾貴紀さんのBCCメール「原発震災関連」を貼り付けます。スクロールダウンすると、10月1日の江東区での講演のお知らせがあります。日付スタンプはFri, Sep 30, 2011 at 3:28 PM(日本時間)

***

原発震災でご心配くださっているみなさま

 いろいろ個人メールをくださった方、ありがとうございます。
 しばらくぶりの福島・須賀川より早尾です。


 3.11以降初めて、実家の母親に顔を見せに来ています。孫はまだ
一度も連れてきていませんけれども。
(矢ケ崎氏講演とか避難支援活動で郡山と須賀川には来ていたので
すが、実家をスルーしてました。ごめん。)

 すると、偶然のことですが、法事で福島市渡利にいるおじ・おば
が須賀川に来ていました。子どものいないこの夫婦に小さい頃僕は
本当によくかわいがってもらっていて、毎年夏休みは一週間ぐらい
渡利に泊まりに行っていました。
 そんな子どもだった僕も子どもの親となり、このおじ・おばから
「来年はお前の子どもを連れてこい。近くに小鳥の森っていう場所
があって、毎日虫捕りとかで遊ばせてやるから、一週間ぐらい預か
ってやる」。そう言われたのは去年のこと。今年の夏を楽しみにし
ていたのですが、もちろんその話はもうかなわないものとなりまし
た。今日会ったおじ・おばは、まったく逆に、「子どもは連れてく
るなよ。ぜったい連れてくるなよ」。
 僕は、「分かってる。頼まれたって連れていかないから大丈夫」。
ホント悲しい現実です。そして、そんな場所に、いまもなおたくさ
んの子どもたちが残っているということが、直視し難い過酷さです。

 須賀川では、明日の午前、子どものみの疎開も視野に入れている
母子家庭から避難相談を受けることになっています。子どもの不安
を考えると、また離れている親の側のツラさもかなりあるので、そ
ういうマイナス面も含めて経験を伝えつつ、やむをえない選択肢と
して実際に子どものみでの疎開も可能だということを話してこよう
と思います。


 このかんしばらく、札幌から神戸までのあいだで、いろいろ講演
をしたり、避難相談を受けたり、避難者どうしの集まりをもってき
ました。
 3.11から半年が過ぎ、早い段階で避難してこられた方々は、避難
生活が数ヶ月から半年になるわけでして、経済的に限界が来たり、
先行きの見えなさに疲弊したり、放射能被曝への感覚を摩滅させた
りして、もとの場所に戻ったという人が増え、戻りたいという声が
聞こえてきます。北海道の寒さや関西の暑さも影響していますし、
政府や自治体が帰郷を推奨する宣伝をしていることも圧力になって
いるでしょう。
 また、健康被害が出るのが晩発的である、つまり数年先にならな
いと明確に被害が見えてこないことも、危機感を維持することを難
しくしていると思います。


 しかし、あちこちから届く情報や分析をよく読むと、まだまだ余
談を許さない状況だと思います。
 なかでも注目すべきは、9月28日付けの琉球新報に掲載された
矢ヶ崎克馬氏の分析です。

「福島・郡山市土壌汚染濃度 チェルノブイリ被害地匹敵」
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-182154-storytopic-1.html
[*文末に貼付けました。(nfsw19)]

 いや、実は矢ケ崎氏からは9月半ばに、宅ファイル便で分析論考
をいただいていたのでした。郡山と仙台で講演をしていただいた縁
もあって、送っていただいたのですが、その恐ろしい内容を要約し
て広めなければならないと思っているうちに日にちが過ぎてしまい
ました。ちょうど紹介記事が出ましたので、手抜きで便乗させても
らいます。ぜひ上記記事をお読みください。
 福島県の中通りの福島市・郡山市などでは、甲状腺癌のみならず、
免疫低下による健康被害はもう確実に避けえない、チェルノブイリ
と比較したデータからそう予測せざるをえない、だから当該地域か
らは遠方に避難しなければならない、そういう分析です。


 しかし、どこに逃げればいいのか。
 札幌から神戸まで動き回っていて感じたのは、「絶対的な安全圏」
などもはやないということ。チェルノブイリの経験から分かること
は、放射性物質は放出されれば地球上をグルグル回るほどに拡散す
るということ。矢ケ崎氏も、「風速4m/秒ぐらいの風で1500km
は飛びます」と言っていました。微量の放射性物質は、北海道から
沖縄まで日本列島のみならず、海外にだって当然届いています。ま
ったく汚染されていない場所、完全に安全な場所など存在しない。
 ですから、あとはそれぞれの与えられた条件で、どこかで線引き
をして居を定めつつ、食べ物に気をつけ、内部被曝を避けるという
こと。これは、どこに住んでいても油断はできないことだと思いま
す。
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2011年09月23日

緊急!! 48時間署名 - アパルトヘイトへの投資に「NO」の声を!

以下、行替えを少し変更しました。本文内容に変更はありません。(nfsw19)

-------- Original Message --------
Subject: [CML 012102] 緊急!! 48時間署名 - アパルトヘイトへの投資に「NO」の声を!
Date: Sat, 24 Sep 2011 01:09:07 +0900

皆様

入植地ビジネスの象徴だったアグレスコ社は、世界中のボイコット運動のターゲットとなった結果、先月、経営破たんしました。しかし、このアパルトヘイト企業の再建に向け、なんと、日本の企業がイスラエル企業とともに、同社を買収する計画が持ち上がっています。

とりあえずの緊急行動として、48時間署名キャンペーンを行います。
ご協力のほど、よろしくお願いします!

【転送・転載大歓迎!】

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 ★☆ 緊急!! 48時間署名 ☆★

 パレスチナ人の自決権を破壊する占領企業への投資に「NO」の声を!
 http://palestine-forum.org/doc/2011/0924.html

┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗┗

イスラエル経済紙「グローブズ」の報道によると、株式会社クラシックという切花輸入会社が、違法入植地ビジネスに手を染めてきたアグレスコ社を他のイスラエル企業と共同で買収しようとしています。
http://www.globes.co.il/serveen/globes/docview.asp?did=1000684914

パレスチナ人の自決権は、アメリカによってあらためて拒否されようとしていますが、その可能性を具体的に破壊し続けているのが、イスラエルの入植地です。

以下の要請文に賛同される方は、
palestine.forum[at]gmail.com (パレスチナの平和を考える会)まで、
(1)名前
(2)所属・肩書(○○市在住、などでも構いません)
(3)ウェブ等での公開(可・不可)
をお伝えください。団体としての署名も歓迎です。

契約が間近に迫っているということなので、9月25日(日)24:00には、署名受付を締め切り、会社宛にメールで送ります。

また、余裕のある方は、ぜひ直接抗議の声を届けてください:

■抗議先:株式会社クラシック(社長:西尾義彦)
 Email: import@classicjapan.co.jp
 Tel: 03-3264-5558
 Fax: 03-3264-5246

■英語版署名サイトもあります!(海外に広めて下さい)
Don't buy Agrexco Petition
http://www.petitiononline.com/agrexco/petition.html

■参考:アグレスコのイギリス支社前での抗議行動
http://www.youtube.com/watch?v=mTDMg0nvAF0&feature=related

--------------------------------------------------------------
≪要請文≫

株式会社クラシック社長 西尾義彦 様


パレスチナ占領に加担するアグレスコ社の買収を中止して下さい!


私たちは、貴社が、最近倒産したイスラエルの輸出企業アグレスコ社
の再建に際し、他のイスラエル企業と共に、その買収(8億円以上)
を計画されているとのニュースを聞き、衝撃を受けています。

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2011年08月28日

『核・ヒバク・人間』非戦を選ぶ演劇人の会のピースリーディング

<2011-08-20 11.00 にエントリした義母へのメールのコピー。本日最終日のため、告知としてトップに出し、明日になったらオリジナルの位置に戻します)



20 August 2011 10:13
おかあさん、

今月27日と28日に「非戦を選ぶ演劇人の会」のリーディングがあります。昨年12月にアップリンクで開催した『冬の兵士』のときにも出演してくださったみなさんのうち、何人かのかたが出演されます。

今年は今回の原発事故を取り上げた内容のようです。東京にいれば絶対に聞きにいくのにと残念です。もし、お時間があれば行ってみてください。きっと心に残るものになると思います。

毎年とても混みますが、今年は有名な役者さんが多数出演されるのでいっそうの混雑が予想されます。だいぶ早めに行かれるか、前売り券を買われたほうがいいでしょう。

「赤旗」に掲載されたリーディングの紹介記事
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-17/2011081714_01_1.html
この記事のなかに出てくる篠原さんというかたが、『冬の兵士』のときに演出をやってくださいました。

非戦を選ぶ演劇人の会のホームページ
http://hisen-engeki.com/
『核・ヒバク・人間』

ラベル:
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2011年07月20日

原発震災情報2011年7月20日 講義終了/地下大学アーカイヴ/名古屋大学講演案内

夕べ、チャンネル4のデジタルチャンネル「more 4」でセミパラチンスクについてのドキュメンタリーを見た。セミパラチンスク一帯はソ連時代に456回の核実験が行われた土地で、いまはカザフスタンの一部になっている。

地元では核実験の開始から現在まで、量においても内容においても凄まじいとしか言いようのない放射線被害が続いている。セミパラチンスクの産科病院に保存されたホルマリン漬けの奇形児のなかに、まるで地獄絵から抜け出してきたようなひとつめの赤ん坊がいた。顔の真ん中に大きな目がたったひとつだけある。

最近になって奇形の内容が変わってきたと看護婦は証言する。前には見たことのなかった両腕のない赤ん坊などが生まれるようになった、と。世代をまたいだ遺伝によって、より深刻な奇形が増えているのかもしれない。ベビーベッドの中に横たわる赤ん坊はかわいい顔をしていて、両肩がら先がすっぽりないことを除けば健康そうに見える。

産科病院では妊婦の健康管理をするとともに、危険限度である22週までに堕胎させる胎児を見つけ出すのも大事な仕事になっている。深刻な奇形や障害がある胎児と、その可能性のある危険因子をもった女性の妊娠を見つけ出し、堕胎を勧め、手術を実施する。毎月数十人がその対象になる。

番組中どこに行ってもガイガーカウンターがジジジー、ジジジーっと警告音を発していた。




早尾貴紀さんのメールを転載します(nfsw19)。



date Wed, Jul 20, 2011 at 11:45 AM
subject 講義終了/地下大学アーカイヴ/名古屋大学講演案内

原発震災でご心配くださっているみなさま

 BCCで早尾です。


 大学の講義がだいたい終わりつつあり、もうすぐ夏休みになります。

 一ヶ月遅れで5月に始まった前期の大学の講義。シラバスに書いたことは
すっ飛ばして、原発震災にどのように向き合うのか、ひたすらにそればかり
を話し続けました。最初は、何回かと思っていたのですが、結局前期の終わ
りまで、さまざまな角度から、避難の決断、避難生活、内部被曝、原爆症、
核の「平和」利用、日本の原発導入、六ヶ所村再処理工場、東北地方の位置、
差別の構造、世界の原発事情、東南アジアや中東への原子炉輸出競争、最終
処分地問題、、、話すべきことはいくらでもありました。

 そして最後の日。学生らへーー

 ドキュメンタリー「永遠のチェルノブイリ」の一部。25年経っても何も問
題が解決していない現状、石棺作業に終わりはなく、核燃料の状態を確認す
ることもできず、健康被害も続出、、、

 福島の25年後がそこに映し出されている。もっとひどいことになるかもし
れない。福島の収束には半世紀はかかる。だから、私が生きているあいだは
もちろん、20歳のあなたたちが生きているあいだに「解決」を見ることは難
しい。あなたたちはポスト〈3.11〉世代ということになる。〈3.11〉で世界
はどう変わったのか。

 スベトラーナ・アレクシエービッチさんという人の『チェルノブイリの祈
りーー未来の物語』(岩波現代文庫に入ったばかり)という本がある。いわ
ゆるチェルノブイリ本のなかでいちばん私の好きな本。彼女は、戦争で傷つ
き絶望した小さな人間の声を拾い続けてきたルポルタージュ作家だ。彼女は
こういうことを書いている。

「チェルノブイリ後、私たちが住んでいるのは、前の世界とは別の世界です。
何かを理解するためには、人は自分自身の枠から出なくてはなりません。苦
悩の歴史、人間の命の意味、私たちが地上に存在することの意味について、
人々を訪れては語り合い、記録しました。そして何度もこんな気がしました。
私は未来のことを書き記している、、、」と。

 私たちはこの「チェルノブイリ」を「福島」に置き換えてみなくてはなら
ない。フクシマ後、世界は別物に変わってしまった、と。

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2011年07月16日

アメリカのメディケア。ないより「まし」だが、あっても役立たず。

ニューヨーク在住のKさんがアメリカのメディアケアについて怒っている。

Kさんの住まいの近所にひとり暮らししていた89歳の義理のおかあさん(ハズバンドの母上)が昨年、ストロークで倒れた。その後、24時間看護をつけての自宅療養が始まり、そういう生活が落ち着いて来た先月、2度目のストロークに襲われた。一時は今度こそもうダメかも思われていたんだけれど、驚異的な回復力で持ち直し、いまは集中治療室で治療を受けている、というところまでが先週のストーリーだった。

Kさんのメールを本人の許可を得て貼り付けます。しかし、驚くべきはアメリカのメディケア。官僚的というかなんと言うか、「できるだけ役に立たないように」がモットーかと思う。こんなもんでも「ないよりまし」なのではあろう。オバマがこれをみんなに、と言って大抵抗にあったわけだし。

キャメロン保守党政権の「支出改革」でイギリスのNHS(国民健康サービス)もずたずたにされつつあるけど、それでもまだ「だれにでも、無料で、医療を受ける機会がある」という建前は外されていないのが救い。



<Kさんのメール、行替えいじりました>

(前略)

この間、義母の容態も一進一退を繰り返し、ずっとこん睡状態だったのに、ある日しっかりと目覚め、病院にいっていたみんなを驚かせたとおもうと、翌日に3度目の脳梗塞を起こしました。

それからずっと瞳にも力がなく混濁している状態でしたけど、どうやら容態が安定してきたようなので、今日からリハブの施設に移ることになりました。

脳梗塞を起こした人専用のリハブなんですけど、胃にはチューブで栄養物をいれたまま、一日の大半は目覚めていることのできない患者なのですが、それでも「医療」としての処置は済んだので、リハブに移しますということなので驚きました。日本の病院とはほんとに違うところがいっぱいでびっくりしてます。

もう一つびっくりしてるのは、メディケアのひどさです。

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ラベル:アメリカ
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2011年05月04日

<原発ダイアリー> 空前の人出!「終焉に向かう原子力」

[2011年5月5日追記] <この講演をマスメディアはどう報じたか>と<この講演会の告知>、<会場に入りきれなかった人々への小出先生のご挨拶動画>を<続きを読む>のあとに収録しました。



チェチェンニュースの大富さんの「原発ダイアリー」2011年5月4日分ハイライトを転載します。段落等適宜変更しました。
全文はこちら。http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20110504

***

2011年5月4日原発ダイアリー

今日のトピックス/イベント情報/この日記の目的/福島第一原子力発電所の状況/使用済燃料プールの冷却/大気を経由した汚染/汚染水・海水を経由した汚染(海洋投棄)/地下水を経由した汚染/モニタリングデータ/計画停電は何のため?/重要情報のブックマーク

今日のトピックス
空前の人出! 明治大学での講演会「終焉に向かう原子力」

 おはようございます。

 4月29日に御茶ノ水の明治大学で開かれた、「終焉に向かう原子力」講演会には、会場1200人、入りきらなかった人2000人以上という、空前の数の参加があったそうです。首都圏では原発と放射能に、多くの人が危機感を持ち始めています。あまり報道されていませんが。

 さて、ゴールデンウィークでお休みの方も多いかと思います。当日の講演の映像が、クリアな動画でアップされました。テレビでは得られない貴重な情報がてんこ盛りですので、ぜひご覧下さい。また、お知り合いに広めてください。


主な発言:浜岡原発現地報告:

伊藤実氏(浜岡原発を考える会・代表)

原発はワイロと麻薬を運んでくる。反対派として地方議員になっても、金の力で寝返らされるのを、何度も見てきた。今、中電が浜岡3号機の運転再開をアナウンスしているが、これは世論の反応を見ている。東京の世論を「浜岡止めろ」に変えてほしい。

生方卓氏 (明治大学教員)

浜岡原発の下にある岩盤を自分で見てきた。このように、すぐ割れる泥岩です。

内藤新吾氏 (日本福音ルーテル掛川・菊川教会牧師)

原発の近くに住む人ほど、自由にものが言えない。仕事をしていると、取引に圧力がかかったりする。原発の近くでは、地域振興資金という、何に使ってもいい金が、町内会にも配られて、みんなたかり体質になっていく。原発がそういう嘘の上に成り立っていることを、知ってほしい。

<動画>
原発震災2011.4.29 終焉に向かう原子力 浜岡現地報告 from kayo sawaguchi on Vimeo.
http://vimeo.com/23128295


小出裕章氏 (京都大学原子炉実験所)
悲惨を極める原子力発電所事故

若いころから運動を続けてきたが、福島の事故が防げなかったのが、本当に申し訳ない。お詫びします。

一つの発電所を1年間動かすために、1tのウランを燃やす。広島型原発では、わずか800グラムだった。全国の54基の原発で、一年に広島型原爆の5万発分の死の灰を作っている計算になる。

飯館村は原発から30キロ以上あるが、チェルノブイリだったら強制避難地域に指定されている。私としては避難してほしいけれども、避難することは土地を奪われることで、避難しないことは被曝に苦しむことだ。これ以上、こんな選択をさせないためにも、原発はなくさなければならない。

強調したいことがある。自分自身や、罪のない人々にいわれのない危害を加えることを見過ごすかどうかは、誰かに決めてもらうことではなく、一人一人が決めていくことです。

<動画>
2011.4.29 終焉に向かう原子力 小出裕章氏講演 from kayo sawaguchi on
Vimeo. http://vimeo.com/23141252


広瀬隆氏 (作家、ジャーナリスト)
原子炉時限爆弾
――年々迫る東海大地震と、浜岡原発の危機


今回の震災では、マグニチュードの値が8.4→8.8→9.0と修正されてきた。最初は気象庁マグニチュードという単位で8.4とされていたのが、後になってモーメントマグニチュードという単位に置き換えられて、9.0と発表されている。その数値自体は妥当だが、なぜ今まで使われていた気象庁マグニチュードを捨てたのか。これには電力会社を免責しようとする企てを感じる。

2008年には日本でも3800ガルの地震があり、福島第一発電所は2933ガルであんな事故になった。想定外などではない。そして浜岡原発の耐震強度は1000ガルあると中電が言っている。もう全然ダメだ。原子力に「対策」なんてありえない。

<動画>
2011.4.29 終焉に向かう原子力 広瀬隆氏講演 from kayo sawaguchi on Vimeo.
http://vimeo.com/23136531


 ということでした。とても密度の高い講演会で、上に記したのはごく一部の発言です。ぜひ動画を見てください。

 私が印象的だったのは「自分自身や、罪のない人々にいわれのない危害を加えることを見過ごすかどうかは、誰かに決めてもらうことではなく、一人一人が決めていくことです」という小出さんの言葉です。

 そうです。むずかしいことですが、自分の頭で、事故を、放射能を、電気を使う生活の意味を理解し、道を決めていかなければなりません。

 それではまた明日まで、お元気で。



<原発ダイアリー>はここまで。

この講演をマスメディアはどう報じたかとこの講演会の告知、会場に入りきれなかった人々への小出先生のご挨拶動画を<続きを読む>のあとに収録しました。

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2011年04月13日

地震大国日本で原発はムリーー4.10反原発高円寺デモ

2011年4月10日日曜日に高円寺で行われた脱原発デモに行ってきたと、東京に単身赴任中のつれあいからメールが来た。1万5000人集まったと話にも聞き、映像も見たが、日本のテレビは取り上げなかったみたいだなあ。その日のうちにあがった(英国時間)ビデオが良かったんだけど探しても見つからないのでとりあえずAFPの短い動画。

高円寺で反原発デモ AFPBB NEWS
http://www.youtube.com/watch?v=JUsdCLRSSjM


写真を見るなら『TIME OUT TOKYO』の「反原発ロッフェスデモ in 高円寺」がとてもいい。40枚ある。

集まった人が持ち寄ったバナーの写真で、それそれ工夫があって楽しい。「to the world form Japan, Sorry」というのが良かった。黒地にでっかく白抜きで「霊魂」と書いたのが迫力。「地震大国日本で原発はムリ」というものけっこう好き。「健康第一」というのも説得力ある。



Wed, 13 Apr 2011 07:58:26 +0900
Fwd: 高円寺4/10demonstration

高円寺のデモに柳島さんと水口君と一緒に行ってきました。
水口君のお父さんは海洋学者で、放射能汚染を調べている人なのだそうです。

*****
Begin forwarded message:
日時: 2011年4月12日 22:51:21JST
件名: 高円寺4/10demonstration

私は家族と高円寺のデモに出かけました。その様子は大量のYouTube映像で伝えられ、繰り返す必要はないでしょう。これが、BREAK THROUGHの始まりであることは間違いありません。あの3年前の反G8行動では到達できなかった瞬間が、高円寺駅前に遂に出現した。福島はじめ膨大な死者たち、国内難民、まだ見えない被爆者たちの魂と共に、と言うべきでしょう。

とはいえ、5時間立ちっ放し歩き続けた私自身も「参加者1万5000人」というのは、「飲んだビールが5万本!」的な「素人の乱」一流の冗談だろうと思っていました。ところがそうではない。友人から届いたメールを転送します。

取り急ぎ、現場からの証言を伝えます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さぶろうです。報告が遅くなりました、すいません。当日はデモ民衆側警備スタッフの一人として臨みました。

イラク反戦運動が失速した原因に「排除の思想」と「警備公安警察との密接的な協力への嫌悪感」が挙げられるかと思います。イラク反戦運動時に主催者から排除される側にいた者の一人として、「『排除の思想』の排除」「統制欲望の廃棄」「私物化の排除」「オートノミーの復権」を当日の警備方針としました。

出発会場の高円寺中央公園で4000人まで計測していたのですが、かなり早い段階で計測をあきらめ、会場整理に専念しないとデモ出発ができないまでに続々と詰めかけてくるという事態に対処するため会場付近の誘導に専念せざるを得ませんでした。会場に入りきらないため、警察の警備と協議して会場を取り巻く道路方向へ誘導。デモ出発時は高円寺駅から会場に参加しようとする人々が続々と続いているため、デモ後続に流れるように迂回誘導。出発時点で7000人を超えていました。高円寺駅や沿道からも途中参加者が合流してきました。五日市街道入り口では沿道参加者、新高円寺駅からの合流が相次ぎ、計測者は10000人まで数えてそれ以上のカウントを断念し、交差点の警備にあたりました。高南通り五日市街道入り口交差点では歩道からの参加者が続出しており、この時点で13000人を超えていた模様です。東高円寺駅からデモに参加する人々がたくさんいる、との報せも入ってきました。デモ先頭が環七大久保通り交差点とゴールに近付いている段階で、最終出発梯団がやっと出発という報告を受け、改めてこの場所での参加者定点計測者に参加人数の計測をお願いしました。

高円寺地域は高円寺阿波踊りという夏イベントがある土地柄なので沿道から途中参加するという文化が健全にあるということと、原水禁運動発祥の地であるという歴史的経緯もある土地柄です。これらの要因については後付けの理由ではあるにせよ考慮してもいいのではないかと。

印象的な出来事として、排外主義を煽るネット右翼連中数人がデモ参加者への罵倒宣伝を始めようとしたら、初参加の人々や真性の新右翼参加者の抗議に遭い、公安警察に庇護されながらつまみ出されるという光景に出くわしました。この期に乗じて排外主義を煽るクズどもの惨めさたるや。

デモの参加者は圧倒的に若年層と子連れの世代でした。また、ほとんどの参加者がデモ初体験の人々でした。いかなる政治的な枠組みや組織動員がない中でこれだけの人々が参加したのはとても画期的な出来事だったのではないか、と考察するものです。人々の政府や東電への鬱積した不満や、日常生活がもはや非日常生活の毎日であるという抑圧感が、なんとか表現したい、声を出さないといけない、として街頭表現行動を促すきっかけとなったと思います。それにしても当日の参加者数の目算は見事裏切られました。500人からせいぜい多くても1000人くらいかな、と予想していたので、解散地点での参加者流れ解散誘導はそれこそてんてこ舞いでした。なにしろ計測者からの参加者が15000人を超えているとの連絡を受けて、解散点パニック回避しか頭にはなかったからです。

民衆による異議申し立てが始まりました、屋内蟄居を強制されている都市住民がたくさん住んでいる地域である、という条件があるにせよ、このクニのエネルギー政策を転換させようとする民衆の意思が表示されました。また、このような条件を前提にするならば、都心部であろうと郊外であろうと異議申し立ての街頭表現行為が可能であるということです。みなさんがお住まいの地域でも街頭示威行為が同時多発的にあってもいいのではないかと思います。

関東大震災時に排外主義を推進した天皇制ファシズム政権中枢部のA級戦犯とされながらもGHQの意向で無罪となり、以降の原子力推進という国家政策を支えた読売新聞の正力松太郎。この正力松太郎が警察官僚として関東大震災時「朝鮮人が井戸に毒を投入している」とする流言飛語を意図的・計画的に発信したことと、戦後、アメリカ合州国のスパイとなることと引き換えに無罪放免となり、読売新聞が原子力推進キャンペーンを、アメリカ合州国による庇護のもとに展開したことはとても示唆に富んでいます。

民衆による異議申し立てがマスコミによって報じられない理由はみなさんご存知の通りです。東京電力による広告収入が巨額であるため、東京電力を根底的に批判する論調を書くことができないのが読売新聞を筆頭とするマスコミです。ジャーナリズムの基本に立ち返り、視点が民衆の側から発信するのか、為政者の側から発信するのか、という問いかけに答えるべき時期にあるのではないか、と思われます。というか政府の広報機関としてしか機能していない大手マスコミの報道なんぞ民衆は誰も信じられなくなっているので、反原発の巨大デモが報道されない事態に「どうせマスコミなんてそんなもんだろ」との確信をいよいよ深める結果ともなっています。マスコミに頼ることなく、民衆自身の自立した情報発信の重要性を確認していきましょう。

みなさんとは近いうち、またどこかで出会えるかと思います。4.10は「民衆の意思表示の始まりの始まり」です。これからはもっと大勢の民衆が意思表示としての街頭行動に合流してくるでしょう。為政者にモノ言わぬ住民、との恥ずべき称号を払拭する、その「始まり」です。その渦の中でみなさんと再会したいと思います。その時はよろしく、です。



2011.4.10 高円寺 原発やめろデモ!!!@新高円寺
http://www.youtube.com/watch?v=xoeX0GOb3Ig


とある交差点をやや俯瞰で撮った映像5分50秒。カメラは動かないけど画面の中の3つの動きが雄弁で楽しい。画面を横切る(後に手前にも流れる)デモの参加者の動き、デモを仕切ろうとピーピー笛を吹く警官隊の動き、交差点を長々停められた車の動き。

***

当ブログにはデモの記述が比較的多いんですが(デモ好きなので)、このあたりをご覧になると最近のイギリスのデモの様子がおわかりいただけると思います。

2010年11月12日
[知恵袋] 学生5万人がロンドン中心部でデモ行進ってどう思います?
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/171414027.html
動画 2010年11月10日NUS(学生ユニオン)主催大学授業料値上げ反対デモ

2010年11月14日[知恵袋] イギリスの学生デモを見ました。いつもあんなに激しいんですか?
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/171363996.html
動画 1990年3月31日の人頭税反対暴動
動画 2003年2月15日の世界同時行動イラク攻撃反対デモ
動画 60年安保闘争(日本)普天間基地問題と60年安保闘争

2010年12月08日 子どもだちは怒っている‥‥あれやこれやの学費値上げ抗議行動
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/172736767.html
テレビの画面キャプチャ 大学生、中高生による各地の抗議行動

***

コメント欄にやまきたさんからタレコミのあった教えてもらった動画をアップします。いい感じです。

高円寺 4.10反原発デモ
http://www.youtube.com/watch?v=MAU1kos_n9g&feature


バナーの代わりに赤ん坊を振り上げてるおとうさん、こら!


ラベル:原発震災 デモ
posted by nfsw19 at 23:30| ロンドン | Comment(2) | TrackBack(0) | メール引用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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