2015年05月14日

放射能汚染で国民が不安がるのはなぜでしょう?

[知恵袋]回答 2012/1/7 04:39:29
古い記事ですが新しくアップしたのでしばらくこのあたりに置いておきます。


<放射能汚染で国民が不安がるのはなぜでしょう?
 特に食に関してはそうですよね?>


不安になるのは、やはり放射性物質が目に見えないからじゃないでしょうか。また、特に食に関しての不安が大きいのは、食べたり飲んだりしないと生きていけない、でも食べると病気になるかも、といった究極の選択を迫られているからだと思います。

とは言え、もう東北地方だけじゃなく日本のほとんどの地域が放射能に汚染されちゃってますから、覚悟を決めて賢く食べるしかないですね。バランスよく食べないと、放射能でガンになる前に別の病気になっちゃいますから。

大ざっぱに言って、子どもは大人の5倍、女性は男性の1.5倍、放射性物質に対する感受性が高いですから、みんなで広く薄く放射能の危険を分担するのではなく、日本全体でどのように分担し合うかプランを立てたほうがいいですね。つまり、子どもと、これから子どもを作る年齢の男女にはできるかぎりクリーンなものを食べてもらい、放射能濃度が高そうなものは年配の男性に集中して食べていただくようにするとか。水に長時間さらしたり茹でたりするなど、調理法を工夫すれば汚染作物もかなり安全に食べられますし。

それに、作物を育て続けたほうが畑や田んぼの放射性物質を早くクリーンにすることができますから、よほど放射能濃度が濃い畑地以外は作物を作り続けたほうがいいでしょう。また、食べてくれる人がいれば農業従事者も離農しなくてすみますし、全体として、幸せになれる人の数が増えると思います。

中心になって食べていただきたいのは60代以上の男性です。仮に取り込んだ放射性物質が原因でガンになるとしても、多くの場合、20年以上かかりますし、それでなくても加齢からくる病因を他に持っている場合がほとんどでしょう。それに、政治家や管理職の多くがこの年代にあてはまりますから責任の取り方としてもふさわしいんじゃないでしょうか。女性の場合は腫瘍化しやすい乳がん(10年〜12年)のリスクがあるので70歳以上になります。

といった具合に整理すると、そんなに不安じゃなくなってきませんか?


ラベル:放射能
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2015年02月27日

イギリス人はお国なまりで話しますか?

[知恵袋]回答 2012/1/28 21:53:22
古い回答ですが新しく回収したのでしばらくこのへんに置いておきます。


<イギリス人はアメリカに行ってもイギリスアクセントで話しますか?
 他にはスコットランド人などはどうなのでしょう?>


イギリス在住者です。回答の前に、まず、アクセント(なまり)のイギリスでの取り扱いについて(ちょっと長いです)。

イギリスではアクセント(土地のなまりや階級のアクセントなど)は、人それぞれの人と為りを表す重要な要素と考えられているようです。そのため、なまりがあるのが恥ずかしいといった(日本でよく聞くような)話はほとんど聞きません。有名な歌手でも俳優でも、歌うとき(は当然ですが)や演技するときは必要に応じたアクセントを使いますが、素の自分としてインタビューに答えるときなどは、お国なまりや階級アクセント丸出しの人が多く、それが魅力になってもいます。

そのため、それぞれのバックグランドがはっきりしているのに、その履歴にあわない英語を使っているとかえって好まれない傾向があるようです。たとえば、女優のケイト・ウィンスレットが駆け出しのころ、オーディションで「なぜ中流のアクセントを使うのか」と聞かれたり、なかなか役がもらえなかったとインタビューで答えていました。彼女は俳優一家の出身ですが、両親は俳優では食べられずにいわゆる労働者の仕事で子どもを育てていて、家は貧しく食べるにも困っていたそうです。でも、たぶん家ではアクタースクールで鍛えられた中流の英語を使っていたんでしょうね。

ニューズリーダーなど、職業的に聞きやすい英語を使うことを要求される人たちはいわゆるBBC英語や容認英語を使いますが、そういう人たちも取材で地元に戻るとなまりのある英語を普通に使ってますし、ニュースを読むときからアクセントのある人も最近は増えてきています。

というわけで、イギリス人は一般的にどこに行ってもアクセントを変えない傾向があると思います。

でも、ハリウッド(アメリカ人一般と言ってもいいかも)にとってのイギリス人俳優の価値は中流英語を話すことにあるみたいで、イギリス人俳優が起用される役柄はたいがい地方なまりの少ない中流の人物です。地方なまりや労働者アクセントはあまり受けないようで、例えば、去年、歌手のシェリル・コールがアメリカ版「Xファクター」のシャッジに起用されてイギリス版を辞めてアメリカに渡りましたが、本戦が始まる前のオーディションの段階でジャッジを降りて(あるいは、首になって)戻ってきました。アクセントが強過ぎてアメリカ人には何を言っているのかわからないので、アメリカのオーディション番組のジャッジには向かないという理由だったようです。

彼女は中部イングランドの公営住宅育ちで、アクセントがとても強いです。地方の貧しい崩壊家庭出身であることを彼女のアクセントはよく表していて、イギリスではそれが受けていたのですが、アメリカではそうではなかったということみたいです。だからといって、もし彼女がアクセントを直していたら、アメリカでは受けてもイギリスでの人気は落ちるでしょう。



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2015年02月04日

死刑廃止論者も、身内が殺されれば死刑賛成になりますよね?

[知恵袋]回答 2010/10/318:38:18
古い記事ですが、新しくアップするのでしばらくこのあたりに置いておきます。

<死刑廃止論者は、身内が殺人事件の被害者になると
 いとも簡単に死刑賛成論者に変身するのですか?>


いままで死刑に反対していた人が、身内に殺人の被害者が出てから死刑存置擁護に意見を変えたということですよね? それは当然/自然の感情として理解できます。むしろ多くの人がそうなると思いますよ。

なかには薬殺だの銃殺だの絞首刑だのでは足りない、もっと残酷な刑罰をと望む人も出てくると思いますよ。家族への情愛の深さの裏返しで出てくる復讐感情ですから理解できます。

しかし、それと刑罰は別です。

刑罰は、社会のルールに反することを行った人にその行動の非道性/不法性を認めさせ(同時に行動の自由を拘束することで懲罰を与え)、二度とルールに反することは行わないように再教育し、更正が修了した段階で社会に戻すことを第一義としています。刑罰はこの原則から外れることなく決定され、執行されなければいけません(ですから、わたしは死刑には反対です)。

原則は(刑罰に限らずなんでもですが)そのときそのときの感情に動かされて変えてはいけません。

5年前にロンドンで公共交通機関で連続自爆があり、50余名のかたがなくなりました。亡くなったかたのなかに聖職者のお嬢さんがいました。その牧師さん(女性です)は自分の娘がそのような経緯で殺されることになるまでは、ほかのすべての牧師さんと同様に、罪を犯した者は許されなければならない、復讐してはならないと愛の原則を信徒に述べてきましたし、自分の娘もそのように育てました。

しかし、娘が殺されてからは復讐の気持ちを押さえることができず、信徒に向かって「罪を犯した者を許しなさい」と言えなくなってしまいました。非常に苦しんだ末、彼女は牧師の職を去りました。自分の個人的な苦しみによって原則を曲げて人々に伝えるようになってしまわないうちに、まずその職を降りるべきだと判断したようです。

原則は常に守られなければいけません。そうしないと、権力者がルールを恣意的に解釈し、好きなように運用することを許す社会になってしまいますから。

しかし、個人の感情はそれに縛られるものではありません。家族が殺人の被害に遭ったのであれば犯人を殺せと言ってかまいません。それも言論の自由という民主社会の原則です。

でも、その言葉に同調することがあたかも最重要なことで、冷静に考えることを促す人を血も涙もないといった言い方で貶めるような人ばかりの社会になれば、社会の原則はその時々の世間の感情で揺れ動くようになり、やがて法治国家の土台そのものが崩壊します。
ラベル:死刑
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2015年01月18日

日本は小さな島国か?

[知恵袋]回答 2012/2/603:41:43
新しく投稿するので旧記事ですがしばらくここに置いておきます。

<広いアジア地域の中にポツンと置かれた日本と言う国。
他国に比べて圧倒的に狭い国土の中であって、
他国には無い最先端の技術と古えの伝統を大切に守り続けてきた日本。
そんなアジアの一国、日本について、
欧州や北米南米、アフリカの人達は
どんなイメージを持っているのでしょうか? >


日本が「他国」にどう思われているかを考える前に、まず事実を知ることが必要ではないかと思います。

他国というのがどこの国かにもよりますが、日本は領土的に小さくも狭くもないですよ。世界地図の描き方で北緯の浅い日本は相対的に小さく見えますが、世界的に見れば大きい方から数えて30%ぐらいの位置につけてます。立派なもんです。

アジアで言えばヴェトナム、マレーシア、フィリピンより大きいし、朝鮮半島の二国の領土の合計よりもずっと大きいです。ヨーロッパには日本より国土の狭い国は山ほどあり、イタリアもポルトガルもポーランドも、ドイツでさえ日本より小さい。日本と同じように大陸の端っこにある島国イギリスと比べると日本の領土は1.5倍です。

それに国防予算だって世界の第7位とか第8位とかで、軍事大国にも引けは取りません。軍事費の場合、人口比だともっと順位は落ちますが、それでも中立国のスイスやアイルランドより高いパーセンテージです。

人口だって世界第10位、フランスよりもドイツよりもイギリスよりも多いです。言語人口でも日本語は世界第9位、一国だけで使用されている言語としてはダントツの使用人口です。

以上のように、日本は経済力が世界のトップクラスにあるだけでなく、その他の属性も立派なもの。「がんばってる小さな国」との言説は日本でだけ通用する幻想にすぎません。世界のどこの国の人も、日本がそのような「弱者」であるとは考えておらず、日本にその大きな国力にふさわしい役割を期待しています。

結論を言えば、日本は、残念ながら、世界から期待されているような役割を(国連の供託金の支払い額以外には)はたしていません。古くは車で、いまはゲームやアニメで名をなしているのは事実ですが、そうした経済面、文化面での成功の一方で、福島第一原発の爆発をめぐる東電や政府の隠蔽体質や、オリンパスの旧態依然とした身内びいきの会社経営など、とても先進国とは思えない醜聞が日本国内よりも大きく報道されています。

期待されているような答えではないと思いますが事実です。イギリス在住者でした。
ラベル:日本
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イギリスにこんな物を送っても大丈夫ですか?

[知恵袋]回答 2012/10/16 16:09:52
新しく投稿するので旧記事ですがしばらくここに置いておきます。

<弟がイギリスに留学しています。
いろいろと不便もあると思い、
両親が荷物を送りたいとのことでした。
調べてみるといろんな規制があるみたいです。
両親が準備したリストの中でダメなものがあれば教えてください。>


イギリス在住です。帰国のたびに日本から荷物送ってますが(親も送ってくれますけど)、食品のまじった荷物を送るときはSALを利用します。船便より高いですが、どんなに遅くても1ヵ月はかかりませんから食品の場合は安心です。こういうご相談があるとイギリスのパーセルフォースは信用できないと回答される方が必ずいますが、幸運なことに、わたしは過去18年間に一度も荷物が届かなかったことはありません。

国際便で送れない食品は原則的に動物性のものです。でもそうなると、カツオだしのインスタントみそ汁もカレールーもふりかけもだめってことになっちゃいますが、実際にはそんなことはないので心配されませんように。生ものは言うまでもなく半生のもの(かつおぶし含む)も避けた方がいいです(かつおぶしは輸入禁止ですが、すでに削ってあるものは大丈夫です)。市販薬は書き出さなければ問題ないと思いますが、書き出すと開けられるかもしれません。

以下箇条書きに沿って。

・腹巻
・ヒートテックインナー
・便座シート

イギリスの住宅の多くはセントラルヒーティングです。ですから、ラジエータがちゃんと動いていれば冬でも寒くありません。腹巻きを就寝時とか室内で使うことを前程にしているのであれば、必要かどうか本人に聞いたほうがいいかもしれません。便座シートは、トイレを使うのが本人だけであることを確認してからのほうがいいでしょう。ハウスシェアや寮、ベッドシットの場合はトイレやお風呂は共有ですから、便座シートは使えないと思います。ヒートテックは外出時に重宝ですがユニクロはけっこうあちこちにありますし、ヒートテックも日本と変わらない値段で売ってます。でももらえばうれしいような気はします。

・マスク
・風邪薬(パブロン)
・イソジン

マスクは比較的手に入れにくいものの一つですが、使っている人がいないので町中で使うのは勇気がいると思います。でも家の中では重宝します(セントラルヒーティングだと乾燥するので)。風邪薬やうがい薬は簡単に手に入りますから、わざわざ送らなくてもいいような気がします。

・ふりかけ(小袋タイプ)

炊飯器を持っているかお鍋でごはんを炊いていない限り、ふりかけは無用の長物になる可能性があります。スパゲティソースのほうがいいかも。

・のど飴
・菓子(リッツ・ガルボ)

のど飴は似たようなものがないのでうれしいと思います。わたしも帰国のたびに大量に買って送ってます。リッツ・ガルボというのがどういうお菓子かわからないのですが、リッツ(クラッカー)ならスーパーで買えます。

・カップ麺(小さなタイプ)

小さくても大きくてもカップ麺はうれしいような気がします。イギリスのカップ麺は超まずいので。袋入りのラーメンもいいと思いますし、粉末スープ付きのそばやうどんもいいかも。

・インスタント(春雨スープ、味噌汁)
・ごはん(サトウ)

インスタントみそ汁はスーパーで売ってますが比較的高いです。なまミソタイプでないほうがいいと思います。ごはんもうれしいと思いますが、切り餅もいいと思います。重いですけど。切り餅を送るときは焼き海苔もお忘れなく。

・ココア(粉末)
・お茶の葉(粉末)
・ごま塩

ココアは日本のものよりおいしいものがたくさん出回ってます。日本茶は粉末よりテーバッグのほうがいいと思います(売ってますけど)。ごま塩はご飯を炊かない場合はあまり必要でないかもしれません。もし自炊しているならカレールーやシチューの素が喜ばれると思います。

・本2冊
・単語帳

単語帳は無印良品で売ってますが高いです。英語の勉強するなら重宝するかも。

*補足に

わたしが日本から送る荷物の大半はおせんべいです。甘いの、辛いの、のり巻き、あられの詰め合わせ、柿の種、かわらせんべい、その他諸々どっさり送ります。自分で食べるのはもちろんですが、人にあげても喜ばれるので重宝。割れやすいので比較的丈夫な箱を使い、隙間がないように詰めた方がいいですが、もし隙間ができたらタオルやポケットティッシュで埋めます。

風邪の予防には、外から帰ったら必ず手を洗ってうがいをすること(手にも菌がついていることがあります)、セントラルヒーティングを使用していているときは洗濯物を室内に干すこと(一石二鳥)、就寝中は暖房を消すこと(マスクをして喉の乾燥を防ぐとなお効果的)、暖房を消すと寒過ぎる場合は湯たんぽを使うといいですよ。また、蜂蜜をお湯に溶かして飲むのもいいです。蜂蜜はスーパーに行くとすごくたくさん種類があり、花や産地によって味が違ので楽しいです。
ラベル:英国生活
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2014年07月10日

ガザ地区に関する2年前の記事

ここ数日、以下の2記事がよく読まれています。

ガザ地区はなぜイスラエルに攻撃されているんですか?
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/302713466.html

どうしたらパレスチナ問題は解決できるでしょうか?
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/302519909.html

2012年のガザ攻撃の際のものですが、唯一の希望だったエジプトの革命が潰えた今、ガザを取り巻く状況にほとんど変化がないのが絶望感を深くさせます。地上侵攻が始まらないことを祈ります。

ガザに関する最新情報もツィートしています(それだけではないですが)。
https://twitter.com/
ラベル:パレスチナ
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2014年03月06日

ロンドンでゴーストツアーに参加したいのですが

[知恵袋]回答 2014/3/6 11:08:15
古い記事ですが新しくアップしたのでしばらくこのあたりに置いておきます。
オリジナルの日付に移動しました。



ロンドンでゴーストツアーに参加したいんですが、
 おすすめのツアーサイトをご存じでしたら教えてください。
 火〜土曜催行のナイトツアーで、できれば日本語のサイトがいいのですが>


ロンドン在住です。ゴーストツアーにも切り裂きジャックツアーにも行ったことありますが、スポットを尋ね歩くだけじゃなくて解説が多いですよ。行く先々でガイドがいろいろな話を面白く聞かせてくれるので英語がわからないとあまり楽しめないかも。

その窓に幽霊が、と言われても指差す先は普通のヴィクトリアンハウスの窓があるだけなので、いつごろどんな幽霊が出てどうしたこうしたといった話がなければただ建物の前に立っているだけです。

日本語のガイド付きウォーキングツアーがありましたが、残念ながらゴーストツアーはないみたいです。
http://www.veltra.com/jp/europe/uk/london/ctg/6076:6076/

日本人のガイドさんを雇って見たいところを案内してもらうことは可能だと思いますが1人だと高くつきます(多数なら割り勘にできるので安上がりですが)。



ラベル:英国旅行
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2013年04月14日

サッチャリズムが生んだイングランド暴動

[知恵袋回答] 2013/4/14 00:07:58

サッチャー元首相が亡くなって
 祝福している人たちがいるけど
 サッチャー政権時代はそんなにひどかったんですか
?>


サッチャーについて中間の意見を持つ人に会ったことがありません。好きか嫌いかどちらかです。そのように生前から評価が極端に分かれる政治家だったので、その死に際して好悪の表現がより極端に噴出しているようです。

簡単に言えば、サッチャーは人の生活の全場面に競争原理を持ち込みました。したがって競争に勝った人はその機会を与えたサッチャーをほめちぎり、勝てなかった人は嫌うという構図になっています [*1]。サッチャー自身は八百屋の娘[*2]から一国の首相にまで上り詰めた人で、いわば人生の勝者です。そして、自分にできたことをすべての人に求めました。「やればできる。できないのは努力が足りないからだ」ってことです。でも、ちょっと考えればわかりますが、どんなにがんばっても全員が勝者になれるわけではなく、一部に大勝ちする者がいればその影で多数の敗者が生まれることになります。

[*1]うんと単純化すればです。自分自身は「敗者」とは言えなくても、そのような、すべてが競争で決されるような社会に反対する人々もサッチャーを評価しない。

[*2]正確には「食品兼雑貨屋」で個人経営のコンビニのような商店。「グローサリー」には八百屋の意味もあり、野菜は必ず売っている。同じような品揃えでも、新聞も販売している場合は「ニューズエイジェント」とカテゴライズされる場合もある。

サッチャー以前のイギリスは「ゆりかごから墓場まで」と言い表される高福祉が社会全体に行き渡っていました。これは、第二次大戦後、荒廃した社会の立て直しのためにアトリー労働党政権が導入した社会主義政策の一環で、基幹産業の国有化と社会福祉(無料の医療と教育、安価な公営住宅など)を支柱としていました。戦後しばらくはこの政策転換が奏功し、健康の向上や女性の社会進出、教育機会の平等などが進みました。しかし、サッチャーが政権に就いたころには高福祉の弊害も出てきており、また労組が極端に力を持ったことを一因として世界経済から立ち後れる事態となっていました。これが有名な「英国病」です[*3]

[*3]たとえば独占企業の東電が腐ったように、競争のない独占国営企業はえてして腐りがち。

サッチャーは政権に就くと国の足かせになっていた福祉予算を切り詰め、公営事業(鉄道、水道、郵便など)を私企業に売り払います。また、採算のとれなくなった(と言われていた[*4])公営炭坑事業などを廃止し、同時に組合をつぶしました。このときに、たとえば親子代々炭坑一筋で働いていた一家の大黒柱が何千人も一度に首を切られましたが、職を失うのはその人たちだけではなく、それらの労働者家庭によって支えられていた地域の全産業が同じ道をたどりました。これにより国の負担は軽減された一方、職を奪われた人々から働く喜びとプライドをはぎ取りました。そのようにして、町ごと荒廃したまま(住人の精神生活も荒廃したまま)、その後の好景気からも取り残された町がイギリスにはあちこちにあります(これから良くなる見込みもありません)。

[*4]実際に採算の取れなくなっていた炭坑をつぶすと同時に、「改革」の足かせになる(組合の強い)利益の上がっていた鉱山(たとえばイングランド北部のダラムの鉄鋼鉱山)もつぶしたらしい。

「ヴィクトリア時代への回帰(質素倹約、自助努力、自己責任)」がサッチャーの政治哲学ですが、実際のところ、彼女の人生も運に負うところが少なくない。辞退者があったために繰り上がり奨学生としてオックスフォード大学へ進学できたこと[*5]や、卒業後に法廷弁護士の資格を取れた[*6]のは結婚相手のサッチャー氏(裕福な実業家)の援助によることなど、ラッキーな人生だったと言っていいと思います。戦後のイギリスに社会福祉を導入したアトリーが裕福な弁護士の息子で、オックスフォード大卒業後にスラムで働いているときに貧困層への福祉の必要性に目覚めたのとは対照的に、サッチャーは一貫して個人主義だった(個人の利益追求を奨励した)と言えるかもしれません。

[*5]当時、大学教育はすべて無料だったので(1997年まで無料だった)この奨学金は書籍代や住宅費その他の費用に充てたと推測。当時の大学進学率は18歳人口の5%程度とのことで(改めて調べてませんけど)、大学に行くこと自体がそもそもエリートの証。

[*6]大学卒業時の学位は「化学」で、結婚後再び勉強し直して法廷弁護士の学位と資格を得た。



サッチャーがいなければ
 イギリスはよりよい国になっていましたか
?>


わたし自身はサッチャー嫌いですが、それでもイギリス経済を建て直したサッチャーの業績はしぶしぶ認めざるを得ないと思っていました。しかし、一昨日テレビで聞いたところでは、当時の欧州はどの国もイギリスと同様の経済低迷状態にあったにもかかわらず、フランスもドイツも社会民主主義政権のもと、サッチャーが導入したような労働者から希望を奪う政策なしで立ち直ったと聞き(ソースを確認していませんが)、そういう道もあったのだなあと知ったのでした。



<難しいですね…
 極端な社会主義も逆に極端な資本主義、競争社会も
 それらの欠点が大きくでてしまう
 だれもが幸福になるような政策なんてなかなかないものです
 炭鉱労働者達を既得権益者と言ってしまえばそれまでだが
 彼らも国民ですしね
 ただ切り捨てるわけにも行かない>


ブレアが労働党にあって労働党らしくない政治家だったように、サッチャーは保守党にあっても全く保守的でない政治家で、非常にラディカルな政策を繰り出しました(ちなみにブレアの政策は労働党風味のサッチャリズム)。たとえば、公営住宅を住んでいた人に安価で払い下げたり、国営企業の私営化にあたって株を広く一般に持たせたりなど(組合員がこぞって買ったそうです)。この機会に大儲けとまではいかないまでも小金儲けぐらいはできた人が多く、それが長く人気を保てた理由のようです。そんなわけで(確かに人頭税は不人気でしたが)サッチャーは選挙に負けていません。任期半ばでの辞任は党内守旧派との権力争いに負けたからで、国民には一度も否定されてないんです。

では何が問題か。サッチャーの言う「がんばればだれでも目標を達成できる」の「目標」がイコール金儲けになってしまったからではないでしょうか。これによって、サッチャー以前のイギリス人の美徳の一つと言われていた質素倹約や弱者への思いやりといったモラルが薄れ、享楽主義や自分さえ良ければいいといった風潮が蔓延しました。このようにして壊れた社会は一朝一夕には元には戻らず、崩壊は進んでいます[*7]

[*7]この拝金主義の極端な表出が、一方ではシティの株トレーダーたちの金満生活であり、もう一方が一昨年夏にイングランド各地で巻き起こった暴動だった。イギリスでは、政治的背景を持つ暴動は時々発生するので暴動そのものは珍しくないが、一昨年の暴動でもっともショッキングだったのは(人種差別への抗議から始まったにもかかわらず)ほとんどの暴動「参加者」の行動の動機が物欲と金銭欲のみだったこと。

とは言え、いま現在のサッチャーへの風当たりの強さは、現キャメロン政権がサッチャーの仮面をかぶって繰り出している弱者いじめとも言える政策にも原因があるかもしれません。現政権はサッチャーでさえ手をつけなかった国民健保の私営化にも着手し始めており、それをやっているのが八百屋の娘ではなく上流出身のぼんぼん集団なので非常に不人気です[*8}

[*8}キャメロンは、どちらかと言えばサッチャーそのものよりも、サッチャーの優秀な子であるブレアの手法に習うことが多く、今回のサッチャー葬儀もブレアがやったダイアナ葬儀に学んだのではないかと思う。国葬でもないのに女王参列を促したところなどに特に影響を感じる。ブレアはダイアナ葬儀を開催することを通じてダイアナの神通力まで自分のものにした部分がある。

サッチャーは保守党を変えたとよく言われるが、保守党が変わったのはサッチャーが政権にいたときだけで、保守党そのものはサッチャー前後でさほど変わっていないようだ。深刻な変わり方をしたのは労働党のほうで、結局サッチャリズムを正しく踏襲するニューレイバーを引っさげてブレアが登場するまで政権を取ることができなかった。




イギリスが英国病から立ち直れたのって
 北海油田のおかげでもありそうですね


オイルショックによる原油の値上がりを背景とした北海油田の好景気も、勢いで「勝った」フォークランド紛争も、サッチャーのラッキー人生の一環と言えるかもしれません。

* * *

ところでわたしは、「サッチャーが死んだ〜!」とお祭り騒ぎするのも大人げないので、家で夜中にサッチャー死亡記念連続映画鑑賞をしている。

第1夜は『ハンガー』を見た。
HUNGER - OFFICIAL TRAILER


第2夜は『だれかの息子 ある息子 (Some Mother's Son) 』を見た。[*]
Some Mothers Son (フルムービー)

映画冒頭にサッチャーの首相官邸前での有名なインタビューのニュースリール。ヘレン・ミレンが主演(ハンガーストライキ参加者の母親)とアソシエイト・プロデューサーを務めた。

[*]『パブリシティ』の竹山さんがマールマガジンで当ブログのサッチャー死亡関連記事を連続紹介してくださっている。なので久々に当記事を読み返してみたところsome mother's sonが意訳し過ぎかも思ったのでよりストレートな訳に修正しました。もっとストレートに訳すなら「ある男」かもなあ。あらゆる男には(女にもだけど)母親が居る(いちおう父親も要るけどね)というバックグラウンドを出したいので「息子」にしときます。(ここだけ14.01.10)

北アイルランド(IRAのハンガーストライキもの)が続いたので、次はスコットランドとか北イングランドとかにしようかと思っている。いずれもサッチャー政策によってひどく傷つけられ、捨て置かれた地域。

『ビリー・エリオット(邦題:リトルダンサー)』
炭坑ストライキを背景に、ストライキを続ける炭坑仲間と長男を裏切り、次男の夢を叶えるためにスト破りする父親。撮影地はダラム。スティーブン・ダルドリー監督。

http://www.youtube.com/watch?v=WfXnlATYccY

『トレイン・スポッティング』
失業者のあふれる80年代後半のエディンバラ。仲間を出し抜いてドツボから抜け出す若者(サッチャーが奨励した winner take all = 勝者総取りの見本といっていいかも。イギリスの小選挙区制もこれ)を演じるユアン・マクレガーの出世作。ダニー・ボイル監督。

http://www.youtube.com/watch?v=gnxUQMirFMo

ヨークシャーの炭坑閉鎖を背景にした『Brassed Off(邦題:ブラス!)』とか、シェフィールドの鉄鋼失業者たちが男性ストリッパーになるまでを描くコメディ『フル・モンティ』とか、サッチャー時代の苦境を背景にした映画には名作が多いし、こうした映画をデビュー作とする名監督や名優も多い。これもサッチャーの遺産と言っていいのかも。

ところで、『トレイン・スポッティング』のダニー・ボイルはよく知られるようにロンドン・オリンピックの開会式総監督であり、『ビリー・エリオット』のスティーブン・ダルドリーはロンドン・パラリンピックのセレモニー総監督だった。当然のことながら、両スポーツイベントのセレモニーはトーリーの重鎮が頭から湯気を出すほど「左寄り」になった(笑)。
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2013年04月09日

サッチャーがフェミニストだって!?

[知恵袋回答] 2013/4/9 11:38:13

<亡くなられたサッチャー元首相についてどう思いますか?
 ウーマンリブ志向で憧れの存在だっただけにショックです>


質問者さまをはじめ、好意的な意見が多いのでとても驚いています。日本ではサッチャーの位置づけはやっぱりそんなもんなんですかねえ。

イギリスでは、サッチャーについてはもともと賛否両論(というか、中間の意見などというものは存在しない)なので、亡くなった日のその晩の放送だというのに、お悔やみもそこそこ、生放送のニュース解説番組もあらかじめこの日に備えて作ってあった証言番組も、いやまあこれほどとたまげるほど否定的な意見が矢のように飛び交ってました。もちろん保守党支持者はこれ以上ないほど褒めちぎってますけど。

ネットでも、昼のニュースでサッチャー死亡が伝えられて以降、フェイスブックやツィッターでは「オズの魔法使い」がぐるぐるまわり、ほとんどお祭り状態。たとえばこれ。

悪い魔女が死んだ〜、悪い魔女が死んだ〜、というお祝いの歌です。


サッチャーがおもに経済と福祉の分野を通じてイギリスに持ち込んだ哲学(というか「生き方」と言ってもいいかも)は「自助努力」と「自己責任」です。サッチャー自身が、八百屋の娘→公立進学中等学校→オックスフォード大学→国会議員→野党党首→首相、という絵に描いたような立身出世街道を歩んだ人物であり、自分がしたこと(自分にできたこと)を国民全員に求めたと言っていいでしょう。努力さえすればだれでも理想のコースを歩むことができ、そうならないのは努力が足りないからだというのが彼女の言い分で、「運や才能」あるいは「社会システム」の寄与についてはなかったことにしたんですね。

その結果、第二次大戦後のイギリス政治最大の成果であった(それが一方で経済低迷の原因にもなったのではありますが)「だれも不幸にならない社会」の仕組みが取っ払われ、労働者から誇りが奪われただけでなく、わがままが美徳として奨励されるような現在のイギリス社会になったと言われています。



「サッチャーは女性の味方」とか「サッチャーはフェミニズムの推進者」と唱える人の多くは、その理由として「サッチャーの性別は女」以外の根拠を持たないだろうと推測する。

確かに(たぶん?)サッチャーは女性あり、双子(ろくでもないマーク・サッチャーと「密林の女王」キャロル・サッチャー)の母であり、首相になってからは服装に気を使い、毎朝30分美容師に髪を整えてもらっていたそうだが、それ以外の面でサッチャーの「女性」性が発揮された場面をあいにく見つけられない。

サッチャーはメリトクラシー推進者であり、エリート主義者であり、比較的恵まれないバックグラウンド(たとえば「女性である」とか「労働者階級出身である」など)から成り上がった人間を強く支持したが、女性の地位向上のために目立った功績があったわけではない。11年間もの長期政権を維持しながら一人の女性閣僚も起用しなかった点に、その哲学の一端が読み取れるだろう。

もしサッチャーが女性の地位向上のために何か役立ったとすれば、「わたしのようになりなさい」がすべてと言ってよく、それに励まされた人がいたかもしれないだけだ。



サッチャー以前にも「鉄の女」と呼ばれた女性政治家がイギリスにはいて、労働党の閣僚経験者バーバラ・カッスル(またはキャッスル)は本物のフェミニストと言えるだろう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Barbara_Castle,_Baroness_Castle_of_Blackburn

彼女は、雇用大臣だった1968年、フォードのダゲナム工場で実施された女性労働者の賃上げ要求ストライキを支持して女性労働者の地位向上に貢献し、1970年には賃金の性差別を撤廃する同一賃金法を成立させた。

このストライキと同一賃金獲得(男性の給与の97%)までの女性たちの行動を描いたのが2010年の英国映画『メイド・イン・ダゲナム』で、3年前に帰国便の機内で何気なく見始めたらあまりにも面白くてたまげた。あちこち史実とは違うようだが、ともかく脚本がよく、役者の演技はうまく、涙あり笑いありで無類に面白いし励まされる。60年代の庶民のファッションやインテリアや音楽に興味があれば、なお楽しめる(バーバラ・カッスルは実名で出て来ます。もちろん役者です。もう死にましたから)。

Made In Dagenham - Official Trailer [HD]




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2013年01月18日

イギリスはEUを脱退しますか。

[知恵袋]回答日時:2013/1/18 01:23:22

イギリスはEUを脱退しますか
 EU参加継続か脱退かでイギリス国内は2分しています。
 EU未参加で永世中立国のスイスですら加入している
 域内自由移動を可能とするシェンゲン協定にすら完全参加していません
 ユーロにも参加していないのに負担だけ押し付けられてもイヤだと
 英国民が考えるのは当然だと思います>


イギリス在住です。タカ派ワナビーのキャメロンは昨年来EUに対してかなり高圧的ですが、ほんとうに近々国民投票をしようと考えているかどうかはわかりません。保守党内にも反対意見がありますし(もちろん、キャメロンよりもっと強力なアンチEU議員もいますが)、第一にいま連立与党を組んでいる自民党が、イギリスのメジャーな政党のなかではもっとも強く親EUを打ち出している党なので、この線をあまり強く押すと連立解消になりかねません。年頭の記者会見ではあいかわらず仲良さそうにしてましたけど、自民党党首のニック・クレッグはEU議会で働いていたりEU議会議員だったりした経歴があり、いまやずたずたになった他の公約とは異なり、おそらくこの線は譲れないでしょう。

キャメロンがEUに対してホーキッシュに出ているのは、多分に国内向けのポーズのように見えます。と言うのも、キャメロン内閣のスタートと同時に始まった予算引き締めの(直接的間接的な)影響で大学進学をあきらめる子どもや若年失業者が増加し、年金支給年齢が上がるやら金額は減るやら公務員はばざばさ首を切られるやらで現政権に対する不満が渦巻いています。

その不満のはけ口の一つとして東ヨーロッパからの移民がやり玉にあがっており、安い給料で働く東ヨーロッパからの移民のせいで仕事がないとかNHS(国民健康保険制度)が圧迫されているとかいった右派のプロパガンダを信じている人は多いです。実際のところ、東ヨーロッパからの移民は概して教育が高く(教育のないような人は国を出られませんから)、比較的高給であったり自分で事業を興す人も多く、社会保障の世話になるような人はごくわずかのようですが、被害者意識に染まった一般大衆を説得するには至っていません。

そのため、EUからの離脱と移民制限を旗印とした右派(というより極右)政党が勢力を伸ばしており、昨年の補選や地方議会選の多くに労働党が勝利しているばかりでなく、次点を極右に取られて保守党が3位以下などというケースも少なくありません。キャメロンのEUに対するタカ派的言動は、こういった極右鞍替え組み向けのポーズではないかと思います。とは言え、わたしは親EUですから、希望的にそう見えるのかもしれませんが。

仮に国民投票が近々実施されれば、これまでに述べたような国内事情を背景に、EU脱退に向かうんじゃないでしょうか。

ところで、イギリスは(アイルランドとともに)シェンゲン協定に完全参加はしていませんが、実質的に国境はすべてのEU諸国に開放されており、人、モノ、金の行き来に制限はありません(相互に)。また、「ユーロにも参加していないのに負担だけ押し付けられてもイヤだと英国民が考えるのは当然だ」についても、そういうプロパガンダはありますが、実際にイギリスの全輸出高の半分は(モノの行き来の自由さに頼る)対EUですから、EUから脱退したら製造業を中心にたいへんな損失が発生するでしょう。いまのイギリスは(世界のほとんどの国と同様)、そのようなリスクを負えるような状態にないことは言うまでもありません。

* * *

...で、次の選挙で政権を取ったら国民投票を実施するとのことである。つまり、過半数取れればいいが、仮に勝っても過半数に届かなかった場合、リブデムとの連立はありえないので、もしかしてUKIPと連立するってことかい?(UKIPがそれなりの議席を取れた場合だけど)

ちなみに、UKIPは「紳士のBNP(極右政党)」とも言われるスーツの似合う極右政党で、コモンに議席はないものの欧州議会には10議席以上を持ち、地方議会にもけっこうな議席を持っている。去年の補選で保守党を抑えて次点にもなっており、これが今回の「次の選挙に勝ったら国民投票実施」のきっかけになっている。

つまり、この「騒動(としか言いようがない)は「政策」でもなんでもなく「政局」がイッシューという、どっかで聞いたような話である。(2013.1.22 追加)

ラベル:英国政治 EU
posted by nfsw19 at 01:30| ロンドン ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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