10.00 GMT
ムバラク大統領の退陣を告げるスレイマン副大統領の30秒足らずのスピーチを聞いてから、まだ1週間もたっていない。この6日間のあいだに中東では、過去に例を見ない、あるいは過去何年分にもあたるような規模の抵抗運動が、毎日あちこちで並行して起きている。
エジプト後、初めての金曜日(ムスリムの祈りの日)がやってきた。どうか大きな衝突や虐殺がないようにと祈る。
*
バーレーン:昨日の未明に殺された人々の葬儀が行われている。プロテスターたちが「バーレーンのタハリール広場」と呼んでキャンプしていた首都マナマのパール広場を、まだ人々が寝静まっていた未明に治安部隊が急襲。催涙弾、ゴム弾(ゴムで覆った金属弾)、バトン、実弾まで使用してプロテスターを排除した。この一方的な攻撃によりプロテスター3名が殺された他、現場で負傷者の救助にあたっていた医師や看護師まで見境なく襲われ、数百名が負傷した。
この国家による暴力をBBCでは「massacre(虐殺、大虐殺)」と呼んでいる。殺された人の数よりもその方法(まったく無抵抗の人間の集団に対する強力な暴力の発動)に対する批判的な視点からの言葉の選択であろう。まったく同感だ。
この視点、この言葉をいま前面に出すことは非常に重要だ。この視点に立ち、平和的かつ無抵抗な市民のデモを権力が暴力で制圧したと、虐殺に抗議するユニバーサルな批判を構築し、この民衆蜂起を一般化しなければならない。なぜなら、バーレーンでの民衆蜂起は宗教対立に根ざしたものであるとの言説が権力側によって作られつつあるからだ。つまり、少数派にして支配層であるスンニー派に対する、貧しい被支配層シーア派による異議申し立てであるとの主張だ。
民衆が求めるものが人権や普通選挙や機会の平等のような、西欧ではそれへの渇望が当然視されるものである場合、この運動は西欧の人々の関心を集め、支持されるが、宗教対立、特にイスラム教内の宗派の対立と定義されると、とたんに人々は関心を失い、虐殺に対する警戒が薄れる。そうなると、内部に不安定要因を抱えてるのでバーレーンの問題はとっとと片付けたい西隣のサウジが、何の遠慮もなく介入してくるだろう。場合によってはアメリカの後ろ盾さえ受けて。
数人の男たちに担がれた遺体の乗る台を取り囲むように群衆が進む。その上をホバリングする軍のヘリコプター。広場の周囲をはじめ、街のあちこちに戦車が配置され、「不測の事態」に備えている。
*
リビア:第二の都市ベンガジで大きなプロテストが起きているらしい。数万人規模だそうだ。BBCに出てくるのは素人のフッテージ(おそらくフェイスブックにポストされたもの)と二次情報(通信社のレポーターの取材?)だけなんですが、そのレポートによると「いままでに見たことがない、信じられない規模」だそうだ。
12.00 GMT
首都トリポリにいるBBCの女性記者のレポート。ベンガジでデモの群衆を目撃した当地の法律家の談話として、生まれて初めてみる規模の大群衆が街に繰り出している、いま現在、警官の姿はない、とのこと。リビアでは無許可のデモは完全に禁じられている。また、今日葬られた遺体は23体であったとのこと。
BBCの記者に知らない女性から電話があり(どうやって自分の電話番号を見つけたかわからないと記者は話していた)、現在、ベンガジはメディア・ブラックアウトの状態にあるとのこと。テレビ、ラジオ、もしかするとインターネットも切られている? トリポリでは夕べ、ガダフィ支持の大規模なデモが実施され、ガダフィ自身もオープンカーで参加した。
*
エジプト:カイロのタハリール広場には勝利を祝う大群衆が集まっている。民主化要求側はこのデモで、「革命はまだ成就されていない、政治犯は解放されておらず、また非常事態法も引き上げられてない」等を訴え、運動の継続を確認するとのこと。
Egypt holds 'victory march' in Cairo
ENGLISH ALJAZEERA 2011年2月18日
上記アルジャジーラのレポートによると、3名の元閣僚が不正により逮捕されたとのことだが、これは抵抗運動の初期に突然発生したムバラク支持派についての捜査を進める流れのなかでの逮捕とのこと。この3名がお手盛りデモを首謀したかどうかについては言及なし。
*
ハーレーン:政府支持デモに参加した女性が電話インタビューに答える。反政府側は少しもピースフルではない。かれらは暴力的なことを「計画している」などなどものすごく雄弁なんですけど、食器洗っている間に忘れっちまうぐらい情報に具体性がなかった。デモ隊に治安部隊がふるった暴力についてはどう思いますかとの質問に対しては、治安部隊は警告を発したのに聞かなかったのだから……。
*
12.30 GMT
リビア:BBCの記者が息を切らしながらトリポリの様子をレポートする。デモに参加することはできない。街の通りをマーチする人々を両側の家々の窓から射撃手が狙っている。射撃手は子どもでも見境なく銃撃する。リビアは石油もでるし、たいへん豊かな国なのに、お金は国民に行き渡らず、どこかに消えてしまう。ガダフィとその一族がすべての富を独占している。教育も何もかもまったく立ち後れている。UNも入国を許されていないので調査する者もなく、捨て置かれている。興奮してしゃべっている。
*
イエメン:デモ隊に対して警官から発砲があり、銃撃で1名死亡。
13.10 GMT
リビア:BBCの続報。ベンガジでは昨日からデモ隊と治安部隊のあいだで銃撃があり(デモ隊も発砲したのかどうかは不明)、朝4時頃まで続いていた。医師によると、銃撃による死亡者は24名、負傷者は50名以上。
*
バーレーン:マナマでは政府支持のデモ、家族連れも見える。現在、バーレーンでは軍によってすべてのデモが禁じられているので、このデモは軍の禁止に刃向かっていることになりますとアルジャジーラの記者(安全上の理由により名前は出さず)。
*
リビア:昨日のデモ隊に対し、何か酸性のガスがまかれ、相当数が病院に運び込まれたとのこと。
Libya's deadly 'day of rage'
ENGLISH ALJAZEERA 動画は2011年2月17日(THU)
[LIBYA] Libyan Protests (February 17 2011)
動画の最後のほうに出てくるガダフィの息子たちについてはこちらをご覧下さい。
*
15.30 GMT BBC
バーレイン:目撃者がマナマから電話でレポートしている。昨日死亡したプロテスターの葬儀の列がマーチに変わり、人々がピースフルに行進していたところ、軍が予告なく実弾で射撃。数十人が負傷、外国人のジャーナリストもひとり負傷した。死亡した人がいたかどうかは不明。
リビア:トリポリからラナ・ジャワドのレポート(レポーターの名前をやっと確認。女性)。ベンガジ以外にも3つの街でプロテストが報告されていて、ベンガジからほど近いある町ではプロテスターがガバメントのビルディングを完全に制圧した。
バーレイン:反対勢力のリーダーの話。デモは数千人規模であった。墓地に向かうところ、ランドアバウトに差し掛かったあたりで軍が襲いかかってきた。襲ってきたのは制服を着た軍人たちで、実弾を使った。「皇太子はついさきほど、いまの事態が沈静化したら反対勢力との対話を約束すると発表したが」との問いに、まず、この事態を先にやめること、治安部隊、軍をプロテスターに差し向けるのを直ちにやめることが先だ。デモ隊は非暴力を強く決意しているし、要求が聞き入れられるまでこの抵抗をやめるつもりはない。
16.15 GMT
バーレイン:BBC、首都マナマから。政府支持のデモは裕福な地域で行われたもので、家族連れの多いお祭りのような雰囲気であった。キングの写真を掲げている者も多かった。皇太子による対話の呼びかけは、反対勢力にはまともに受け取られていないだろう。反対勢力の聖職者は、昨日多重殺人を行い、今日また無差別殺人を行い、その一方で対話なぞ茶番だと考えている。病院の話では昨日の攻撃のあと、60名以上が行方不明になっており、たいへん心配されている。
2011年02月18日
2011年02月11日
革命なう@エジプト 革命来た!
16.05 GMT
ムバラク辞任。スレイマンのスピーチ。
アルジャジーラ見て見て。
http://english.aljazeera.net/watch_now/
ムバラクは家族とともにカイロを出て別荘に。その後、亡命が予想されます。
ムバラク辞任。スレイマンのスピーチ。
アルジャジーラ見て見て。
http://english.aljazeera.net/watch_now/
ムバラクは家族とともにカイロを出て別荘に。その後、亡命が予想されます。
ラベル:エジプト
2011年02月10日
革命なう@エジプト 第17日 革命が来た!不発
民衆蜂起 第17日(2月10日)
第14日目の月曜日は、BBCのレポーターが「ニュー・ノーマル」と名付けた、すぐそこにプロテストのあるエジプトの新しい日常について、第15日目火曜日は、エジプト全土で300万人が路上に出たとも言われるいままで一番大きなデモと、スエズの労働者の無期限スト突入について、第16日目水曜日は、エジプト各地に広がった労働者のストライキについて順を追って書いていたのだけれど……ああ、もうそんなことより、いまじゃん。
18.10 GMT
夕方4時過ぎごろからたたみ掛けるように情勢が変わった。まず、ムバラク大統領が今夜、国営放送でスピーチするとの報道があり、どうやらそれは辞任のスピーチではないかとのレポートにBBC24のニューススタジオは色めき立つ。その根拠として、軍の高官が解放広場を訪れ、プロテスターに向かって「今夜、すべての要求が達成されるだろう」と言ったとABCテレビが報じたというのだ。
そのころ、軍は意志決定のための最高会議を開いており、会議開始に先立って居並ぶ軍高官の面々が国営放送の画面に映し出された。これはいまだかつてないことだそうだ。本来ならそこにいるはずの最高司令官(大統領)の姿がない。ムバラクが辞任したあとの権力の移行期間に軍部のクーデターがあるかもしれないとの見方が広がる。
それからまもなく、またたく間に世界を駆け回ったムバラク今夜辞任のニュースに対し、内閣のなんとか大臣が噂にすぎないと否定したとロイターが報じた。なんだよ〜と思いつつ、気を取り直し、では、明日は予定通り、いままでにない規模の街頭行動を実施するまでだ(と、自分は行けもしないのにすっかりその気になっている)。明日はアルジェリアでも巨大なデモが予定されている。
ところが、たいして間を置かず、やはり辞めるらしいとの報道。STEP DOWN ではなく、STEP ASIDE という表現が使われる。STEP ASIDE(委譲)だって実質中身はいっしょじゃんと思うが、なにかこだわりがあるらしい。
再びツイスト。与党NDPの議長にBBCのキャスターがインタビュー中に、明日の朝までムバラク大統領が同じ地位にいることはないとの発言が出る。また、BBCアラビア語放送を聞いていた友人からの情報によれば、ムバラクはすでに国をあとにしたとの報道があったとのこと。同じ情報を受けてか、BBCのキャスターが議長に「まことにつまらない質問なんですが、大統領はいまどこに?」と質問したところ、「知らない」との回答。
*
17.30 GMT
アルジャジーラの画面が、エジプトの国営放送でいま放送されている画面に切り替わった。切り替わったと言っても、アルジャジーラと同様に解放広場の人混みを俯瞰しているだけだ。2時間ほど前から国営放送でこれを放送するようになったとアルジャジーラのキャスターは言う。
この17日間の民衆蜂起の期間を通じて、国営放送が初めて蜂起の実体を国民に向けて放送している。マイクを向けられると、広場で騒いでいるのはほんの一握りにすぎない、かれらは国を代表していない、と言っていたデモ不支持派の人々は、この光景を見てどんなにか驚いているだろう。まだ路上に出ていないエジプト国民の脳みそに、いま初めて消毒されていない革命の熱が注入されている。
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第14日目の月曜日は、BBCのレポーターが「ニュー・ノーマル」と名付けた、すぐそこにプロテストのあるエジプトの新しい日常について、第15日目火曜日は、エジプト全土で300万人が路上に出たとも言われるいままで一番大きなデモと、スエズの労働者の無期限スト突入について、第16日目水曜日は、エジプト各地に広がった労働者のストライキについて順を追って書いていたのだけれど……ああ、もうそんなことより、いまじゃん。
18.10 GMT
夕方4時過ぎごろからたたみ掛けるように情勢が変わった。まず、ムバラク大統領が今夜、国営放送でスピーチするとの報道があり、どうやらそれは辞任のスピーチではないかとのレポートにBBC24のニューススタジオは色めき立つ。その根拠として、軍の高官が解放広場を訪れ、プロテスターに向かって「今夜、すべての要求が達成されるだろう」と言ったとABCテレビが報じたというのだ。
そのころ、軍は意志決定のための最高会議を開いており、会議開始に先立って居並ぶ軍高官の面々が国営放送の画面に映し出された。これはいまだかつてないことだそうだ。本来ならそこにいるはずの最高司令官(大統領)の姿がない。ムバラクが辞任したあとの権力の移行期間に軍部のクーデターがあるかもしれないとの見方が広がる。
それからまもなく、またたく間に世界を駆け回ったムバラク今夜辞任のニュースに対し、内閣のなんとか大臣が噂にすぎないと否定したとロイターが報じた。なんだよ〜と思いつつ、気を取り直し、では、明日は予定通り、いままでにない規模の街頭行動を実施するまでだ(と、自分は行けもしないのにすっかりその気になっている)。明日はアルジェリアでも巨大なデモが予定されている。
ところが、たいして間を置かず、やはり辞めるらしいとの報道。STEP DOWN ではなく、STEP ASIDE という表現が使われる。STEP ASIDE(委譲)だって実質中身はいっしょじゃんと思うが、なにかこだわりがあるらしい。
再びツイスト。与党NDPの議長にBBCのキャスターがインタビュー中に、明日の朝までムバラク大統領が同じ地位にいることはないとの発言が出る。また、BBCアラビア語放送を聞いていた友人からの情報によれば、ムバラクはすでに国をあとにしたとの報道があったとのこと。同じ情報を受けてか、BBCのキャスターが議長に「まことにつまらない質問なんですが、大統領はいまどこに?」と質問したところ、「知らない」との回答。
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17.30 GMT
アルジャジーラの画面が、エジプトの国営放送でいま放送されている画面に切り替わった。切り替わったと言っても、アルジャジーラと同様に解放広場の人混みを俯瞰しているだけだ。2時間ほど前から国営放送でこれを放送するようになったとアルジャジーラのキャスターは言う。
この17日間の民衆蜂起の期間を通じて、国営放送が初めて蜂起の実体を国民に向けて放送している。マイクを向けられると、広場で騒いでいるのはほんの一握りにすぎない、かれらは国を代表していない、と言っていたデモ不支持派の人々は、この光景を見てどんなにか驚いているだろう。まだ路上に出ていないエジプト国民の脳みそに、いま初めて消毒されていない革命の熱が注入されている。
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ラベル:エジプト
革命なう@エジプト <今夜、すべての要求が達成される>
アルジャジーラ・イングリッシュ ライヴ放送
http://english.aljazeera.net/watch_now/
15.30 GMT
BBC24が今現在報じているところによると、ムバラク大統領は今夜辞任の可能性が高い。軍部の高官が広場を訪れ、「今夜、あなたがたの要求はすべて達成される」とプロテスターに伝えたとのこと。
軍部はいま最高会議を開いている最中であり、まもなく決定が発表になる。クーデターの可能性もゼロではないが、ありそうにないように思える。プロテスターの正統性はゆるぎない。
広場は驚喜で揺れている。
*
16.08 GMT
ロイター発の報道として、エジプト政府の報道官(?)が、いままたたく間に世界中をかけめぐった「ムバラク今夜辞任」の報道は噂にすぎないと否定したとのこと。
なんだよ〜。しかし、了解。粛々と翻訳作業に戻る。
明日もエジプトではマスプロテストが予定されている。アルジェリアでも巨大なデモが予定されているとのことと。
*
Step down ではなく、step aside とのこと。実質的に同じではないかと思うが、こだわりがあるようだ。
*
16.30 GMT
再びツイスト。与党NDPの議長にBBCのキャスターがインタビュー中。明日の朝までムバラク大統領が同じ地位にいることはありそうにないとのこと。また、BBCアラビア語放送を聞いていた友人からの情報によれば、ムバラクはすでに国をあとにしたとの報道があったとのこと。それを受けてか、BBCのキャスターが議長に「まことにつまらない質問なんですが、大統領はいまどこに?」と質問したところ、「知らない」との回答。
ひねりすぎ。
*
権力の委譲はもはや既成事実になりつつあるようだ。いま、報道の関心は軍がどう動くかに移っている。何か起きるとすれば、明日予定されている巨大デモ(どのぐらいの人が街頭に出てくるか見当もつかない)。
レポーターの後ろに移った解放広場から歓声や拍手やチャントが蜂のうなりのようにひっきりなしに響いている。
*
17.20 GMT
今夜22時(GMT20時)にテレビで発表があるとのこと。その後の軍部の動きが要になる。権力の委譲の形しだいでは軍部を越える権力がなくなる可能性がある。フェイスブックでは、今夜軍部がマーシャルローを発動させ、広場に進入してくるかもしれないとの見方もあるとのこと。
*
21.05 GMT ムバラクのスピーチを聞いた。
Hugely disappointed!!!!!!!!!!!
http://english.aljazeera.net/watch_now/
15.30 GMT
BBC24が今現在報じているところによると、ムバラク大統領は今夜辞任の可能性が高い。軍部の高官が広場を訪れ、「今夜、あなたがたの要求はすべて達成される」とプロテスターに伝えたとのこと。
軍部はいま最高会議を開いている最中であり、まもなく決定が発表になる。クーデターの可能性もゼロではないが、ありそうにないように思える。プロテスターの正統性はゆるぎない。
広場は驚喜で揺れている。
*
16.08 GMT
ロイター発の報道として、エジプト政府の報道官(?)が、いままたたく間に世界中をかけめぐった「ムバラク今夜辞任」の報道は噂にすぎないと否定したとのこと。
なんだよ〜。しかし、了解。粛々と翻訳作業に戻る。
明日もエジプトではマスプロテストが予定されている。アルジェリアでも巨大なデモが予定されているとのことと。
*
Step down ではなく、step aside とのこと。実質的に同じではないかと思うが、こだわりがあるようだ。
*
16.30 GMT
再びツイスト。与党NDPの議長にBBCのキャスターがインタビュー中。明日の朝までムバラク大統領が同じ地位にいることはありそうにないとのこと。また、BBCアラビア語放送を聞いていた友人からの情報によれば、ムバラクはすでに国をあとにしたとの報道があったとのこと。それを受けてか、BBCのキャスターが議長に「まことにつまらない質問なんですが、大統領はいまどこに?」と質問したところ、「知らない」との回答。
ひねりすぎ。
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権力の委譲はもはや既成事実になりつつあるようだ。いま、報道の関心は軍がどう動くかに移っている。何か起きるとすれば、明日予定されている巨大デモ(どのぐらいの人が街頭に出てくるか見当もつかない)。
レポーターの後ろに移った解放広場から歓声や拍手やチャントが蜂のうなりのようにひっきりなしに響いている。
*
17.20 GMT
今夜22時(GMT20時)にテレビで発表があるとのこと。その後の軍部の動きが要になる。権力の委譲の形しだいでは軍部を越える権力がなくなる可能性がある。フェイスブックでは、今夜軍部がマーシャルローを発動させ、広場に進入してくるかもしれないとの見方もあるとのこと。
*
21.05 GMT ムバラクのスピーチを聞いた。
Hugely disappointed!!!!!!!!!!!
ラベル:エジプト
2011年02月09日
革命なう@エジプト 第13日(2月6日SUN)
2011年02月06日 革命なう@エジプト 第13日(2月6日SUN)を公開しました。
ちょっとスクロールするとあります。 nfsw19
ちょっとスクロールするとあります。 nfsw19
2011年02月08日
革命なう@エジプト 御用新聞が「革命の高潔さを歓迎」
いくら秘密電信だからと言って、誰でも知ってる政府の腐敗や首長の陰口なんて、ほとんど大勢に影響ないじゃん、とあっちこっちで過小評価されてきたウィキリークスの大使館公電暴露だけど、そうか、こういう使い方もあったのねと膝をうつような今日の暴露。
ムバラクの後継として恭しく指名され、先週末になってやっとアメリカの承認を取り付けたかのようなスレイマン(副)大統領ですが、この蜂起が起きようが起きまいが、そうなることはすでに決まっていたとカイロ大使館およびテルアビブ大使館公電は語る。
おまけに、イスラエルとのあいだには直通のホットラインまで開いていて毎日のようにおしゃべりしてるんですって。しかも、ハマスがガザとの国境にトンネル掘って武器を密輸してるのをなんとかせいとイスラエルに迫られ、じゃあ、いっそのこと自分で軍隊連れてきて探せばって言ったんですって。ヤーね。
エジプトの人はたとえムバラク支持でもイスラエルは嫌いって人が多いから、知られたら困るわね。
*
以下、テレグラフ紙より。
昨日、<エジプトで2番目に長い歴史を持ち、中東で最も名の通った新聞のひとつでもある御用新聞『アル=アフラム』が、体制に対する長年の隷属的な支持を投げ捨てた。『アル=アフラム』は1面社説で「革命」の「高潔さ」を歓迎し、政府に対して憲法と法律の不可逆的な変更を要求した。>
あの子たち、勝ちつつあるよ。(泣く)
*
WikiLeaks: Israel's secret hotline to the man tipped to replace Mubarak
The new vice-president of Egypt, Omar Suleiman, is a long-standing favourite of Israel's who spoke daily to the Tel Aviv government via a secret "hotline" to Cairo, leaked documents disclose.
By Tim Ross, Christopher Hope, Steven Swinford and Adrian Blomfield
9:25PM GMT 07 Feb 2011 Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/wikileaks/8309792/WikiLeaks-Israels-secret-hotline-to-the-man-tipped-to-replace-Mubarak.html
Mr Suleiman, who is widely tipped to take over from Hosni Mubarak as president, was named as Israel's preferred candidate for the job after discussions with American officials in 2008.
As a key figure working for Middle East peace, he once suggested that Israeli troops would be "welcome" to invade Egypt to stop weapons being smuggled to Hamas terrorists in neighbouring Gaza.
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ムバラクの後継として恭しく指名され、先週末になってやっとアメリカの承認を取り付けたかのようなスレイマン(副)大統領ですが、この蜂起が起きようが起きまいが、そうなることはすでに決まっていたとカイロ大使館およびテルアビブ大使館公電は語る。
おまけに、イスラエルとのあいだには直通のホットラインまで開いていて毎日のようにおしゃべりしてるんですって。しかも、ハマスがガザとの国境にトンネル掘って武器を密輸してるのをなんとかせいとイスラエルに迫られ、じゃあ、いっそのこと自分で軍隊連れてきて探せばって言ったんですって。ヤーね。
エジプトの人はたとえムバラク支持でもイスラエルは嫌いって人が多いから、知られたら困るわね。
*
以下、テレグラフ紙より。
昨日、<エジプトで2番目に長い歴史を持ち、中東で最も名の通った新聞のひとつでもある御用新聞『アル=アフラム』が、体制に対する長年の隷属的な支持を投げ捨てた。『アル=アフラム』は1面社説で「革命」の「高潔さ」を歓迎し、政府に対して憲法と法律の不可逆的な変更を要求した。>
あの子たち、勝ちつつあるよ。(泣く)
*
WikiLeaks: Israel's secret hotline to the man tipped to replace Mubarak
The new vice-president of Egypt, Omar Suleiman, is a long-standing favourite of Israel's who spoke daily to the Tel Aviv government via a secret "hotline" to Cairo, leaked documents disclose.
By Tim Ross, Christopher Hope, Steven Swinford and Adrian Blomfield
9:25PM GMT 07 Feb 2011 Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/wikileaks/8309792/WikiLeaks-Israels-secret-hotline-to-the-man-tipped-to-replace-Mubarak.html
Mr Suleiman, who is widely tipped to take over from Hosni Mubarak as president, was named as Israel's preferred candidate for the job after discussions with American officials in 2008.
As a key figure working for Middle East peace, he once suggested that Israeli troops would be "welcome" to invade Egypt to stop weapons being smuggled to Hamas terrorists in neighbouring Gaza.
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ジュリアン・アサンジの審問実況 2日目
実況
BBC アナ・アダムス ツイッター
http://twitter.com/annaadamsbbc
ガーディアン サイモン・ジェフリー ブログ
1日目(終了) http://www.guardian.co.uk/media/blog/2011/feb/07/assange-extradition-hearing
1日目(進行) http://www.guardian.co.uk/media/blog/2011/feb/08/julian-assange-extradition-hearing-live?intcmp=239
BBC アナ・アダムス ツイッター
http://twitter.com/annaadamsbbc
ガーディアン サイモン・ジェフリー ブログ
1日目(終了) http://www.guardian.co.uk/media/blog/2011/feb/07/assange-extradition-hearing
1日目(進行) http://www.guardian.co.uk/media/blog/2011/feb/08/julian-assange-extradition-hearing-live?intcmp=239
ラベル:ウィキリークス
2011年02月07日
息子の誕生日なので......
息子の誕生日なのに(まだ)何もしてやってないので、かれのアニメをあげときます。
見てやってください(英語・一部英語字幕あり)。
カウンターの数字があがるときっと喜びますので。
Here's One I Made Earlier
つれあい(息子の父親でもありますが)が東京に単身赴任中で、電子メールで誕生日カードを送ってきた。いわく、「お誕生日おめでとう。プレゼントは正月に買ってあげたからいいね。じゃまた」。
じゃまた。
見てやってください(英語・一部英語字幕あり)。
カウンターの数字があがるときっと喜びますので。
Here's One I Made Earlier
つれあい(息子の父親でもありますが)が東京に単身赴任中で、電子メールで誕生日カードを送ってきた。いわく、「お誕生日おめでとう。プレゼントは正月に買ってあげたからいいね。じゃまた」。
じゃまた。
ジュリアン・アサンジの審問実況 1日目
実況
BBC アナ・アダムス ツイッター
http://twitter.com/annaadamsbbc
ガーディアン サイモン・ジェフリー ブログ
http://www.guardian.co.uk/media/blog/2011/feb/07/assange-extradition-hearing
BBC アナ・アダムス ツイッター
http://twitter.com/annaadamsbbc
ガーディアン サイモン・ジェフリー ブログ
http://www.guardian.co.uk/media/blog/2011/feb/07/assange-extradition-hearing
ラベル:ウィキリークス
2011年02月06日
革命なう@エジプト 第13日(2月6日SUN)
雨も降ってるし、なんだかお祭りのあとみたいな土曜深夜のタハリール広場 [註1] で(実際にはまだ数千人が寝泊まりしてるんだけど)、BBCのレポーターが若者に聞いた。「タハリール広場ではどんなことをしているんですか」。
「なんでも」と若者は答えた。「音楽やポエトリー・リーディングや意見の発表や、礼拝や食事や結婚式もあった」
ムスリム同胞団や他の反政府勢力がスレイマン副大統領とのネゴシエーションのテーブルに場を移し、広場は子どもと若者と大人たちからなる普通の人たちの場に戻った。4月6日ユース・ムーブメントなど若者中心のグループは、あくまでもムバラク大統領の退任を求めて話し合いには加わっていない。
[註1] 英語圏でTahrirと文字化されている広場名のカタカナ化にあたって、わたしは英語のニュースで聞こえるままに「タフリール」(タにアクセント)を選択していた。しかし、日本語圏の文字情報では「タハリール」と表記されているものが圧倒的に多い。アルファベットの「h」に書き下されるアラビア語の文字の発音は無声咽頭摩擦音とのことで、英語にも日本語にもない。日本語の「ハ」の発音とは違うけれど、「フ」だと子音まで変わるのでもっと遠い。というわけで、いままで採用してきた「タフリール」に代えて、これ以降「タハリール」を使用します。
*
昨日は雨の準備ができていなかったけど今日は違う。追加のテントやビニールの屋根が広場のあちこちにできたので、外を歩いている人は少なくなったけど屋根の下はきっと快適だろう。
さて、蜂起第13日めの日曜の朝。
人々は仕事に戻った。銀行も開いた。渋滞もいつも通り。いつもと違うのは、観光客がいないことと、タハリール広場にプロテスターがいること。
BBCスのタジオのキャスターが現場のレポーターに質問する。「カイロは平常を取り戻しつつあるようですが、街の中心にある広場にプロテスターがいることについて人々はどう言ってますか」
レポーターが答える。「街の中心といってもハイドパークなんかとは比べものならないくらい小さい広場ですから、人々は気にしませんよ」
「周りでは日常生活が始まりましたが、プロテスターはまだ家には帰らないんですか」
「プロテスターの士気は高いです。そして、すごくいい雰囲気で考えられないぐらいピースフルにやってます。なんというか、エジプシャン・グラストンベリーってとこですね。まだまだ終わりません」
笑ってしまった。じゃまものになっていると指摘されれば、いや、そんなことはない、ささやかな抵抗ですからと弁護し、取るに足らない存在だと言われれば、その素晴らしさを語りたくなる。プロテスターを小さく見せたいのか、大きく見せたいのか。レポーターも揺れている。
*
過去2週間の取材中、ジャーナリストたちはムバラク支持派に狩り出されて傷めつけられ、約300人が秘密警察に拘束されたという(後に釈放)。負傷者多数、銃撃による死者も1名。そうした経緯からジャーナリストがプロテスター側に同情的になるのは想像に難くない。
エジプト当局は海外のメディア(とりわけアルジャジーラ)がこの抵抗運動を煽っていると非難して、ムバラク支持派によるジャーナリスト襲撃まで仕立てたのに、そのせいでますますメディアを抵抗側に押しやってしまった。
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「なんでも」と若者は答えた。「音楽やポエトリー・リーディングや意見の発表や、礼拝や食事や結婚式もあった」
ムスリム同胞団や他の反政府勢力がスレイマン副大統領とのネゴシエーションのテーブルに場を移し、広場は子どもと若者と大人たちからなる普通の人たちの場に戻った。4月6日ユース・ムーブメントなど若者中心のグループは、あくまでもムバラク大統領の退任を求めて話し合いには加わっていない。
[註1] 英語圏でTahrirと文字化されている広場名のカタカナ化にあたって、わたしは英語のニュースで聞こえるままに「タフリール」(タにアクセント)を選択していた。しかし、日本語圏の文字情報では「タハリール」と表記されているものが圧倒的に多い。アルファベットの「h」に書き下されるアラビア語の文字の発音は無声咽頭摩擦音とのことで、英語にも日本語にもない。日本語の「ハ」の発音とは違うけれど、「フ」だと子音まで変わるのでもっと遠い。というわけで、いままで採用してきた「タフリール」に代えて、これ以降「タハリール」を使用します。
*
昨日は雨の準備ができていなかったけど今日は違う。追加のテントやビニールの屋根が広場のあちこちにできたので、外を歩いている人は少なくなったけど屋根の下はきっと快適だろう。
さて、蜂起第13日めの日曜の朝。
人々は仕事に戻った。銀行も開いた。渋滞もいつも通り。いつもと違うのは、観光客がいないことと、タハリール広場にプロテスターがいること。
BBCスのタジオのキャスターが現場のレポーターに質問する。「カイロは平常を取り戻しつつあるようですが、街の中心にある広場にプロテスターがいることについて人々はどう言ってますか」
レポーターが答える。「街の中心といってもハイドパークなんかとは比べものならないくらい小さい広場ですから、人々は気にしませんよ」
「周りでは日常生活が始まりましたが、プロテスターはまだ家には帰らないんですか」
「プロテスターの士気は高いです。そして、すごくいい雰囲気で考えられないぐらいピースフルにやってます。なんというか、エジプシャン・グラストンベリーってとこですね。まだまだ終わりません」
笑ってしまった。じゃまものになっていると指摘されれば、いや、そんなことはない、ささやかな抵抗ですからと弁護し、取るに足らない存在だと言われれば、その素晴らしさを語りたくなる。プロテスターを小さく見せたいのか、大きく見せたいのか。レポーターも揺れている。
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過去2週間の取材中、ジャーナリストたちはムバラク支持派に狩り出されて傷めつけられ、約300人が秘密警察に拘束されたという(後に釈放)。負傷者多数、銃撃による死者も1名。そうした経緯からジャーナリストがプロテスター側に同情的になるのは想像に難くない。
エジプト当局は海外のメディア(とりわけアルジャジーラ)がこの抵抗運動を煽っていると非難して、ムバラク支持派によるジャーナリスト襲撃まで仕立てたのに、そのせいでますますメディアを抵抗側に押しやってしまった。
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ラベル:エジプト

