2013年01月16日

イギリスの右翼や極右の支持政党はどこですか。

*明日はMEP(欧州議会議員)選(プラス地方議会選)で紳士の極右UKIPの大躍進が予想されている。そんなわけでタイムリーでもあるし、古いエントリ(2013.01.16)ですがしばらくこのあたりに置いておきます。下記記事以降の変化は、UKIPがさらにメジャーになったこととBNPが崩壊寸前なこと、EDLのファウンダーがEDLを見限ったこと。(2014.05.21 nfsw19)

*オリジナルの日付に戻しました。(2014.06.15 nfsw19)



[知恵袋]回答日時:2013/1/16 10:14:28
[情報追加]:2013.05.27

<イギリスで右翼的な考えを持っている人の支持政党はどこですか?
 たまにyoutubeで右翼的な発言をするイギリス人がいます。
 その方たちの支持政党ってどこでしょうか?
 やはり、保守党?
 日本のネトウヨと呼ばれる人は完全に自民党寄りですが、
 イギリスではどうなんでしょうか?>


イギリスの政党について、それぞれの政党が右翼であるか左翼であるかは何をイシューにするかで変わってくるので一概には言えませんが、とりあえずナショナリストかどうかで回答します。

イギリスの場合、ナショナリストか否かはEUおよび移民に対する姿勢で判断するとわかりやすいです。ものすご〜く大ざっぱに言えば「アンチEU」「アンチ移民」がナショナリストで「親EU」および「寛大な移民政策支持派」はそうではありません。これで分けると、保守党はおおむねアンチで、保守党と連立を組む自民党はたいへん熱心な親EU、労働党も親EUです。

タカ派ワナビーのキャメロンは昨年からさかんにEU攻撃をしてますが、保守党の中には親EUの政治家もいますから党として大きな声でEUからの離脱を提唱するわけにもいきませんでした。そのため、アンチEUの有権者にとっては保守党では役不足のようで、EU議会選では保守党は分が悪いです。ちなみに、EU議会への議員を選出するEU議会選は国会議員選とは異なり中選挙区制で争われるので、二大政党以外の小政党が議席を得やすく、シングルイッシューの政党がけっこうな議席を獲得しています。

EU議会選になるとがぜん注目を浴びるのは略称UKIP(ユーキップ)のUK独立党(UK Independent Party)です。UKIPはアンチEUが旗印のほとんどシングルイッシューの政党で、国会に議席はありませんがEU議会には10議席以上持っています。自称右派ですが、実態はアンチEU、アンチ移民の極右で、スーツの似合うなおじさんが揃っているので「紳士のBNP」と呼ばれたりしています。[*1]

BNP(英国国民党 British National Party)は、有色人種移民排斥の極右政治結社NF(国民戦線 National Front)から派生した政党で、その出自の通りやはり極右ですが、この政党もEU議会に議席をもっています(いまはたぶん2議席だと思います)。しかし、最近BNPは旗色が悪く(中央政界に切り込もうとして有色人種の候補を立てたりしているせいかもしれません)、もっとも先鋭的なナショナリストを集めて拡大中の新興極右政治結社の英国防衛同盟( English Defence League)に党員を持って行かれたりしています。[*2]

といったあたりが、イギリスのおもな右翼および極右の政治結社と政党で、これらの団体がいわゆる右翼や極右の受け皿です。

ただし、上記はイングランドにおけるナショナリストの定義で、スコットランドとウェールズにおけるナショナリストは「スコットランドが一番」「ウェールズが一番」の政党なので、党としての姿勢は比較的左寄り(労働党と近い)です。また、特にスコットランドのナショナリストの場合はイギリスからの分離独立を目指しているので親EUです。

* * *

回答には書き忘れたが、北アイルランドのナショナリストは「北アイルランドが一番」であるだけでなく、地続きの「アイルランド共和国」との結びつきを重視する。北アイルランドの極端な一派が「リパブリカン(IRAを含む)」。ただし、トラブルズ(北アイルランド紛争)は政治的に決着済み。

* * *

以下追記:2013.05.27(NFSW19)

[*1] UKIPは2013年5月の統一地方議会選でリブデムを抜いて第三の勢力に躍進(全議席が改選されたわけではないが)。統一下院選の谷間に実施される統一地方選では現政権に対する不満票/抗議票が野党第一党に投じられるのが常なので、今回も連立政権を組む保守党&リブデムの惨敗は開戦前から予測済みだったものの、野党第一党である労働党が思ったほど伸びず、下院選で保守党&リブデムに投じられていた抗議票はもっぱらUKIPにまわった模様。

[*2] EDLについてのわたしの知識は浅かったみたいだ。構成員はフットボール・フーリガンとほぼ変わらず程度の知識はあったが、ほとんど完全に「反イスラム」に的を絞った(ヘイト)集団のようである。そんなわけで構成員はムスリムでなければだれでも良く、人種的には比較的寛容とのこと。つまりBNPが黒人候補を立てたことを理由にFDLに鞍替えした人は、仮にいたとしてもごく少数と思われる。EDLについてはこちらに詳しい(エントリが複数にわたっているので読むなら冒頭から順を追って読むこと)。
http://nofrills.seesaa.net/article/363616621.html



タグ:英国政治
posted by nfsw19 at 10:30| ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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