2012年10月18日

パレスチナ問題へのアメリカの介入について

[知恵袋]回答 2012/10/18 03:04:45

<イギリスと「パレスチナ問題」についての質問です。世界史でユダヤのことをまとめで勉強したのですが、第一次世界大戦の時にユダヤ人はイギリスと「バルフォア宣言」の事項を結びましたが、イギリスの二枚舌、三枚舌外交で矛盾が生じ、現在の「パレスチナ問題」に発展してしまいました。
ここで疑問なのですが、一次、二次、冷戦の戦後処理として、現在はアメリカが主に「パレスチナ問題」の収拾に介入しているのはニュースなどでよく目にします。しかし、当事者であるイギリスはこの問題にあまり介入していないようにみうけられます。なぜでしょうか?
しっかり学習してから質問しろと思われるかもしれませんが回答おねがいします>


予想されているとおり、「しっかり学習してから質問」を、と言わざるをえません。「現在はアメリカが主に「パレスチナ問題」の収拾に介入しているのはニュースなどでよく目にします」という前程が大間違いで、アメリカの「介入」は「事態の収拾」のためではありません。むしろ、アメリカの「介入」がなければパレスチナ問題はとっくに解決していたでしょう。

アメリカのパレスチナ問題への「介入」は3つの分野を中心に行われています。

一つは軍事面。イスラエルの軍事予算の半分はアメリカからの軍事援助です アメリカは毎年イスラエルに、イスラエルの軍事予算の約50%にあたる軍事援助(武器供与を含む)を与えています[*]。つまり、アメリカの援助がなければイスラエルは現在の防衛力を維持できません。イスラエルが、周囲の国のほとんどすべてを敵に回しても中東での孤立を保っていられるのは、周囲のどの国よりも進んだ軍事力と公然の秘密である核兵器のおかげで、軍事予算が半減すれば軍事的孤立は保てなくなり、周囲の国とのつきあいは軍事から外交に切り替えざるを得なくなるでしょう。

二つめは国連安保理での拒否権の行使。パレスチナに対するイスラエルの暴力については、たびたび対イスラエル非難決議が安保理に提出されていますが、アメリカが拒否権を使うので決議は成立しません。アメリカはこれまでに対イスラエル非難決議を約40回拒否権で握りつぶしており、最近では、2011年に提出されたイスラエルの違法入植に対する非難決議を、非常任理事国を含む14カ国が賛成したにもかかわらず、拒否権発動でつぶしました。ちなみに、イギリスは、冷戦崩壊後は対イスラエル非難決議に拒否権は使っていません(何回かは棄権していますが)。

三つめは民間の経済的な援助。マクドナルドやマイクロソフト、スターバックスからディニーまで、アメリカの名だたる多国籍企業がイスラエルに出店することで雇用と経済効果を産み出し、イスラエル経済を支えています。



「現在はアメリカが主に「パレスチナ問題」の収拾に介入しているのはニュースなどでよく目にします」についてですが、そう思われるのは、日本語の情報しか見ておられないからではないでしょうか。日本のメディアで外国のニュースが報じられるときは、おおむね、日本が関係しているかアメリカが関係しているときに限られますから。ヨーロッパにはユダヤ人も大勢いますがパレスチナ難民もどっさり住んでおり、パレスチナ問題には、イギリスを含むヨーロッパ諸国が中東諸国に次いで積極的です。

イギリスがパレスチナ問題に対して微妙な対応をしているのは、イギリスがパレスチナの委任統治を放棄したきっかけが、ユダヤ人テロリストによる英国兵襲撃だったからというのも一役買っているかもしれません。

[*] ペンタゴンの外国軍事費融資(供与)と武器供与の合計額がイスラエルの軍事予算の50%弱にあたる。イスラエルの軍事予算は国家予算の約3割。
posted by nfsw19 at 04:00| ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。