2012年06月28日

イギリス人のかれの階級観に困惑しています

[知恵袋]回答 2012/6/28 18:24:21

<イギリス人の彼がイギリスの階級制度について
語る時の態度に困惑してしまいます>


階級はイギリスの社会と文化を形成する代表的要素の一つですから、ニュースでもコメディでも階級が話題になることは多いですが、質問者さんのボーイフレンドのように自分の友人等についてこうまであからさまな階級批評をするのはファーストハンドでは聞いたことがありません。

<彼が自分のイギリスのお友達や共通の知り合いのことを私に話す時に「あいつは家はミドルだけど、勉強して出世してアッパーになった」や「両親が貴族階級だけど息子は今はセールスマンになって階級が落ちた」だとか、とある結婚するカップルについて「彼女はアッパーで給料がとてもいい世界的企業に勤めているけど、旦那になる友人は労働者階級で…」などと私に悪びれも無く説明してきます。>

わたしの知る限りでは、貴族を含むアッパークラス(上流階級)は全国民のほんの一握りの人びとを指し、他の階級との入れ替わりはほとんどないはずです。貴族のおうちの場合、称号と家屋敷は通常は長男が相続しますから、次男以下の男子が職業を持って家を出るときに、いわゆるミドルクラスの仕事(医師とか学者とか法律家とか)に就いたり企業に就職することもあると思いますが、それでもその人がアッパークラス出身であることは変わりません(ミドルクラスになったとは言いません)。その状態(ミドルクラスの仕事と生活)がその人の子や孫に受け継がれるころになって、やっと自他ともにミドルクラスと言われるようになるかどうかです。

ですから、ミドルクラス(アッパーミドル)の家の子どもが勉強して出世してもそれだけでアッパークラスにはなりませんし、貴族階級の家の子がセールスマンになっても「セールスマンになって労働者のような生活をする貴族の息子(アッパークラス)」であって、ミドルクラスになるわけでも労働者階級になるわけでもないです。

イギリスの階級間の違いはお金のあるなしよりも文化の違いが大きいと思います。上流には上流の、中流には中流の、労働者には労働者の生活と文化があり、それは一代で大きく変わるものではありません。質問者さんのボーイフレンドの階級に対する考え方はほぼ経済中心のようで、読んでいて、アメリカ人の階級分類みたいだと思いました。

<ちなみに彼いわく、自分は上流階級の下の方に位置している、とのこと。大抵の友人もその辺りの階級の人が多いと言っています。>

このあたりでジェーン・オースティンの小説を思い出しました。オースティンの小説はリージェンシー時代の上流階級の話で、当時はまだミドルクラスがなかったので、「上流の下の方に位置している」娘たちが自分の生まれた家よりも上の家の息子と結婚しようと必死になったり、あるいは、上流じゃないけど裕福だしと妥協して事務弁護士や外科医と結婚する道を選んだりする様子が描かれています(事務弁護士より法廷弁護士のほうが地位が高く、外科医より内科医のほうが地位が上だった)。

階級や人種に対する強い偏見を持っていたり、またそれらの差別をあからさまに口にする人はミドルクラスには比較的少なく、労働者階級と上流階級の一部に見受けられる特徴です。

三つの階級で言うとミドルクラスの家庭がもっとも教育熱心であり(高い教育によって就ける職業に親が就いており、子どもにもそれを継承しようとするので)、きちんとした教育を受けた者は階級や人種に対する偏見を持たないか、仮に持っていても口にしませんから。上流階級の場合、ごく小さいころから寄宿学校にやられることが多いために純粋培養的にそこでのものの考え方に染まる傾向があるでしょうし、また家に財産があると高等教育の必要な職業に就く必要がないため、あまり勉強熱心でない子どもが育つ場合があります。そんなわけで、いい意味で天真爛漫、びっくりするほど粗野な(ソフィスティケートされていない)発言をする人が上流階級には時々います。

たとえば、うちの息子の学校では対抗試合の相手としてイートンの評判がもっとも悪く、理由は、生徒たちが(試合に出る方も応援する方も)たいへん傲慢で口が悪いから。上流やアッパーミドルの家庭の坊ちゃんばかりですけど、自分たち以外はすべて「配管工の息子(実際にそのようにはやし立てる)」扱いだそうですよ。
posted by nfsw19 at 10:00| ロンドン ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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