<イギリスでは、労働者階級の人と
中流階級以上の人が付き合う事はまれですか? >
昔ながらの定義であれば、イギリスで中流階級にくくられるのは「高等教育を受けた専門職(医師、高等教育機関の教育者、研究者、建築家、聖職者、法律家、政治家、高級官僚など)」と、大企業や金融機関であれば「意思決定に関わる重役以上のポジションにいる人」になります。こういった職業や地位にいる人びとが同じような教育程度の同じような種類の職業の人たちと交際することが多いのは、なにもイギリスに限ったことではなく、日本でも世界のどこでも同じではないでしょうか。
上記の定義に従うと、大企業や金融機関の重役未満の勤め人は、中間管理職も含めてすべて労働者階級になります。日本では「一億総中流」という言葉が長らく有効であったために(企業のトップと平社員の賃金格差が小さかった)、「ホワイトカラーはすべて中流」といまだに思い込んでいる人が多いですが、実際問題、現在の大企業のトップとその企業に勤めるサラリーマンやOLが同じ階級に属すると言われて納得する人はまれでしょう。労働者階級というと、つい工場労働者や炭坑労働者などいわゆるブルーカラーの職業を思い浮かべるかもしれませんが、社会経済構造の変化とともに青いつなぎが白いシャツに変わっただけで、オフィスワーカーも労働者です。
では、オフィスワーカーと工場労働者や建築現場で働く人が、同じ労働者として「日常的につきあう」かと言えば、学校で子どもが同級生であるとかいったことでもない限り接点がありません。では、職場を同じくする大企業の重役と平社員が同じホワイトカラーとして(日本流に言えば同じ中流として)「仕事以外でつきあう」ことがあるかと言えば、それもほとんどないでしょう。このあたりは日本でも同じはないでしょうか。
つまり、階級をまたいでつきあうがあるかないかというより、同じような職業の同じようなポジションの人同士がつきあうことが多く、そうなると必然的に同じ階級の人どうしになりやすいと言えると思います。そのほうがお互いにリラックスできますし、楽しいですから。仕事以外の面で(たとえば趣味とかスポーツとか)共通点があれば、職業や階級は関係なくつきあいますよ。
イギリスのパブの入り口が中流用と労働者用に分かれているとよく旅行案内などにも書かれていますが、これも上記のように同じような人たちどうしのほうが楽しくお酒を飲めるからという理由による棲み分けであり、別に差別でもなんでもありません。また、いまでは入り口は別でも中は一つになってますし、どちらから入ってもだれにも何も言われません。
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<追記> とは言え、イギリスには階級差が歴然とあり、国が貧乏になるにしたがってその差が歴然としてきているのも事実。ミドルクラス(の上のほう)以上は、たとえ現金収入が減っても生活の質を落とさないだけの有形無形の資産があるのに比べ、ミドルクラスの中間層以下は収入減が直接生活の質の低下に響く。
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