◆ 地震と原発事故情報 その220 ◆
5つの情報をお知らせします(11月3日)
◇ 日本の脱原発度は82%(2011年10月現在)。日本の原発・全54基のう
ち、現在44基(82%)が地震故障や定期検査でが停止、稼働しているの
は10基(18%)のみ。
今後、再稼働をみんなの活動で阻止できれば、2012年春頃には全原
発の停止が実現する。原発なくとも電気はだいじょうぶ(天然ガス、火
力、その他)。
今、運転中の10基も早く停めてほしい−地震・余震が心配。
★1.【11/2院内集会】 今すぐ脱原発!〜「運転再開をすべきでない」
にて、九州電力玄海原発4号機の運転再開問題に対して要請書を
枝野経済産業大臣らに提出
★2.11.2九州電力東京支社への抗議行動
九州電力は「保安院が安全だといったから大丈夫」との一点張り
★3.脱原発とうかい塾の活動
●講演会「原発がなくても電力は確保できる」が開かれました
★4.メルマガ読者からの講演・デモの御案内
イ.東電福島原発公害 〜除染キャンペーンと避難移住に対する補償〜
ロ.「原発撤廃・ストップ憲法審査会!
憲法96条改正≠許さない11・25集会」呼びかけ!
★5.【編集部より】「地震と原発事故情報 その220」記事訂正のお知らせ
★1.【11/2院内集会】 今すぐ脱原発!〜「運転再開をすべきでない」
にて、九州電力玄海原発4号機の運転再開問題に対して要請書を
枝野経済産業大臣らに提出
昨日開かれた「今すぐ脱原発!〜『運転再開をすべきでない』」において、
九州電力玄海原発4号機の運転再開問題に対して確認され、枝野経済産業大臣
ら宛に提出された要請書の全文を紹介します。
2011年11月2日
経済産業大臣 枝野幸男様
佐賀県知事 古川康様
玄海町長 岸本英雄様
九州電力社長 眞部利應様
九州電力東京支社長 野口俊郎様
― 要請書 ―
玄海原発4号の運転再開停止を!
地元住民を無視した運転再開の強行は許されない!
九州電力は10月31日、事故で停止中の玄海原発4号の運転再開を表明し
ました。原子力安全・保安院は同日、「九州電力(株)玄海原子力発電所4号
の原子炉自動停止に関する原因と対策に係る報告に対する確認結果について」
を発表し、九州電力の事故推定原因と対策は「概ね妥当」と結論づけました。
さらに、「運転再開は事業者判断」として、運転再開を容認しています。
しかし、福島第一原発事故の深刻な被害がいまだ続き、原子力「安全」行政
も、「安全」管理確保も破綻している状況の中です。トラブルによる停止であ
ったなか、そして、地元住民の意思を全く無視した運転再開は、認められるも
のではありません。
私たちは以下の理由から、玄海4号の運転再開を停止するよう強く要請しま
す。
◆要請理由◆
1.10月4日に起きた玄海原発4号の原子炉自動停止は、単なる「人為ミ
ス」ではなく、経済性を最優先にする九州電力の強行運転の姿勢がもたらし
た事故であり、この点の根本的な反省と対策がなされていない(※)。
2.九州電力は、今回は地元首長の同意さえも必要ないと言っている。また地
元住民の反対の声が多くあげられている中でこの声を無視してはならない。
3.九州電力は、「やらせ問題」において、九州電力の第三者委員会が指摘す
る佐賀県知事の関与を否定した報告書を経産大臣に提出した。これについて
経済産業大臣から求められている報告書の再提出がいまだなされていない。
4.福島第一原子力発電所事故によって、原子力安全指針の破綻、原子力安全
行政の破綻が明らかとなっている。体制の見直しがなされていない中、原子
力安全・保安院が運転再開の許可を与える資格はない。
5.福島第一原子力発電所事故は、原発立地自治体だけでなく、周辺何十キロ
にも深刻な被害をもたらし、日本全体に大きな衝撃を与えている。運転再開
の問題は、佐賀県だけではなく、九州全体、そして日本全体の問題である。
※10月4日に起きた玄海原発4号の原子炉自動停止は、これまで定期検査で
運転停止中に行ってきた検査を運転中に行い、検査の手順を停止中と同じ手順
でやったために、復水器の真空度が異常となりタービンが停止し、原子炉も自
動停止したものだった。より重要な機器で同様のことが起きれば、作業員の被
ばく、大事故につながる。しかし、九州電力の事故報告書(10月21日付)
でも、保安院の「確認結果について」でも、このような経済性を最優先させた
ことに起因したという、本質的な問題にはいっさいふれず、単なる「人為ミ
ス」として軽く扱っている。また、最も肝心な「組織的な要因を含めた根本的
な原因分析を行い、必要な対策を取る」ことは、今後の課題としてしまってい
る。
◆連絡先
玄海原発プルサーマル裁判の会
tel:0952-37-9212 saga.100nennokai@po3.bunbun.ne.jp
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
tel:03-6907-7217 info@e-shift.org
連名団体名は割愛いたします。。
★2.11.2九州電力東京支社への抗議行動
九州電力は「保安院が安全だといったから大丈夫」との一点張り
東電前アクション・かえる先生
○原子力安全・保安院は、10月31日、玄海原発4号炉の再稼働を認め、そ
れを受けて九州電力は10月4日に自動停止した同炉を「 概ね妥当 」とし
て、地元住民・周辺自治体・周辺住民の意向を聞かずに、翌1日23時に再稼
働を始めてしまった。
翌2日の午前9時、福岡に避難している私の友人のTwitter の呟きで、九電
本社での抗議行動の報を知った 。
福島第1原発の再臨界・核分裂という大変なニュースが流れてくる中、14
時過ぎには、九電本社に80名の抗議者が要請文(※1)を次々に読み上げる
という報が流れて来る。
これに連動する東京での闘いが有楽町駅前、有楽町電気ビル・九州電力東京
支社にて行われた。17時にはもうすでに100名の抗議者が集まっていた。
17時過ぎ、九州電力東京支社へ向けた要請書(※2)が読み上げられる。
○代表3名のみが同ビル7階にある、九州電力東京支社に直接要請書を提出し
に行く。丸の内署がそれ以上入れさせない。原発いらない全国の女たちは「あ
なたがたも私たち同様被曝しているはずなのに、なぜ厳しい警備をするのでし
ょうか?本当に取り締まるべきは九州電力のはずではないのでしょうか?」と
怒りのスピーチを行う。
やがて、3名の代表が戻ってきて要請の結果が報告された。そこでは、九州
電力が、最悪のブラック企業である現実が明らかとなった。
私たちの懸念に対し、九電側は明確な返答を避けるか、あるいは保安院が安
全だといったから大丈夫との一点張りだった。住民の要望という点に関して
は、50万kw以上多の大口の顧客じゃないから問題にならない、というとい
うふざけた内容だった。企業の社会的責任からしてもおかしな内容という批判
で発言のまとめとした。この後も遅くまで抗議は続けられた。
(※1)
経産大臣 枝野幸男さま
2011年11月2日0時 福岡市 怒髪天を衝く会 田中靖枝
〜〜緊急要請〜〜
玄海4号機再稼働をとめて下さい!
原発大災害が西日本で起ったら日本は滅びます。
命をかけて、福岡市民は佐賀市民と共に苦闘しています。
原発を運転するなら100%の安全を求めます。
10月4日人為ミスで自動停止した玄海4号機は九電の利益優先体質を如実に
現しています。
「人為ミス」で止まったと新聞報道されました。私達にも九電はそう説明しま
したが、本当は人為ミスとは言えません。
これまで定検中、つまり運転停止している状態で実施していた作業を、今回初
めて運転中にするように切り替えたためです。運転停止中の作業手順をそのま
ま運転中の作業に適用したために起こった事故です。
作業手順のミスというより、それ以前の、運転を停止せずに作業をさせた事が
原因です。
美浜3号でも運転中に作業員を働かせたために多数の死者が出たことがあった
と聞いています。九電はこれを教訓にしないばかりか経営改善の為に積極的に
この危険な手法を取り入れたのです。
保安院は九電が「今後、組織的な要因を含めた根本的な原因分析を行い、必要
な対策をとることとしている」から「おおむね良好」と評価しました。
「組織的な根本原因」というなら、まず、やらせメール問題があります。
まだ何も進んでいません。だからこそ苦肉の策で(推進院)保安院は ”おお
むね”と甘い評価を下したのでしょう。
50キロPPZの住民から見ると怒髪天を衝くとんでもない評価です。
「組織的な根本原因」を取り除く計画が実施されるまで、経産大臣として運転
停止を命じて下さい。保安院に「対策をたてる」というだけで通過できる甘い
検問制度をやめるように、指導して下さい。
こんな切実な願いを踏みにじって九電は1日深夜11時に4号機を再稼働させ
ました。
使用済み核燃料を再び生産し始めたのです。六ヶ所村の置き場はもはや満杯。
そして再処理は絶望的なのにも関わらず!
原子力政策は現在見直しに入っています。その結論は原子力からの撤退以外に
あり得ません。
枝野大臣の英断を求めます。
(※2)★1.で報告した「要請文」です。
★3.脱原発とうかい塾の活動
●講演会「原発がなくても電力は確保できる」が開かれました
さる7月31日、市民エネルギー研究所代表・安藤多恵子さんによる表記の
講演会が舟石川コミセンを会場に開かれました。参加者は50名余で、活発な
質疑も交わされました。安藤さんは、「夏場の最大電力はピークカット対策
で」十分対応できる、「問題は原発中心のムダな電力需要を拡大してきたツ
ケ」なのだとした上で、詳細なデータをもとに原発がなくても大丈夫と主張し
ました。以下、東京電力を主としてとりあげ、論点を箇条書きにします。
1.2008年度末の東電の発電設備は7,676万kw、原発を除くと
5,857万kw、この年の夏場ピーク需要は5,891万kw。不足34万
kwだが、実は企業の自家発電からも購入している。いわゆる埋蔵電力だが、
(1)その自家発電量は223億kwh、全電源設備の3分の1は関東にあるの
で東電が購入できる電力は60億kwh台にのぼる。その外に(2)電力自由化
によって特定規模電気事業者からも購入できる。
2.2011年東電の原発は1731万kw、現在停止中の原発1240万
kw、稼働中491万kw。88万kw購入している東海第2原発も停止。東
電の全発電設備量は6266万kwで、稼働中の柏崎刈羽原発を除くと577
5万kw。今夏の東電の発電設備量は約5500〜5700万kw、全原発を
停止しても間に合う。
3.東電需要5500万kwを超える夏場の最大電力は数日・数時間、この
対応に原発は必要ない。ピークカット対策で間に合う。夏のピークを押し上げ
ているのは家庭の甲子園野球観戦のエアコン使用のためではなく「業務用」。
ピークカットは「業務用」の問題。
4.ゴールデンウィークの電力使用量は激減、いかに電力を使ってもらうか
は電力会社にとって大きな課題、これは原発を電源の中心に使う限り起こる問
題。原発は簡単に止められないからだ。火力・水力は需要に応じて容易に調整
できる。
5.ドイツは州ごとに夏休みが異なる。学校、会社全部一緒。混み合うこと
がないから快適な休みだという。日本では議論はあったが実現してない。
6.日本は電気に頼りすぎ、この10年間家庭用電力需要が著しく上昇、I
Hやオール電化でいまや電力使用の半分が家庭用になっている。電気をメイン
にしない生活を無理なく作ることを考えよう。
7.原発は直ぐ止めて欲しい。いきなり全部廃炉は無理。計画廃炉により失
業対策にもなる。「後始末産業」の位置づけ必要。
8.電力の地域独占体制の廃止、発電送配電の分離、そして分散型電源とス
マートグリッドの整備、電力の自由化の徹底、が課題。電力需要が6000万
kwを超えるという時代は過ぎ去った。
(出典 相沢一正ニュース 2011年21号より)
※【編集部より】
来る11月8日、市民エネルギー研究所代表・安藤多恵子さんによる講演会
「原発なくても電気は確保できる」がスペースたんぽぽにて開催されます。
日時:11月8日 (火), 開場17:30 講演18:00〜 21:30
場所:スペースたんぽぽ
会費:1000円
説明:今夏、東電データ等を分析しての結論は原発不要!
2012年4月、全原発の停止。廃炉へ
講師:安藤多恵子氏(市民エネルギー研究所)
★4.メルマガ読者からの講演・デモの御案内
イ.東電福島原発公害 〜除染キャンペーンと避難移住に対する補償〜
∞――――――――――――――――――――――∞
東電福島原発公害
〜除染キャンペーンと避難移住に対する補償〜
∞――――――――――――――――――――――∞
いま放射能汚染地域対策として「除染」による一大キャンペーンを張られて
います。市街地も農地も山も森も、除染をすれば元にもどるといわんばかり
に。
除染後、元通りの地で本当に安心して生活できるのか。さらなる被ばくを強
いることにならないか。避難や移住に対する補償をうやむやにしたままおこな
われているこの除染キャンペーンは、帰りたいという住民の願いを逆手にとっ
た卑劣なやり方に思えてなりません。
また、原発事故によって失業した人たちを除染作業に駆り出すことにより日
雇い仕事を与えようという意図があるとすれば、政府の除染対策はあまりにも
被災地住民の人権を無視するもの。
國學院大學経済学部教授の菅井益郎さんを講師にお招きし、「七位一体の原
発推進構造」や損害賠償のあり方にもふれながら、放射能公害の様相を呈して
きた福島原発事故対策の問題点について考えます。
日 時: 11月9日(水)18:45〜21:00(開場18:15)
会 場: 大竹財団会議室
(東京都中央区京橋1-1-5セントラルビル11階)
講 師: 菅井益郎さん(國學院大學教授、市民エネ研)
参加費: 一般=500円、大竹財団会員・学生=無料
主 催: 財団法人大竹財団 Tel 03-3272-3900
<お問い合わせ>
財団法人大竹財団 Tel 03-3272-3900
http://ohdake-foundation.org
ロ.「原発撤廃・ストップ憲法審査会!
憲法96条改正≠許さない11・25集会」呼びかけ!
<緊急呼びかけ>
客観的事実を直視しよう! 憲法審査会始動に断固抗議します。
私たちは、国民投票法に反対・撤廃させる壊憲・改憲阻止の闘いを七年間、
八次にわたる集会を軸に街頭宣伝等に取り組んでいます。ぜひ多くの方の参加
を呼びかけます。
原発撤廃・ストップ憲法審査会!
憲法96条改正≠許さない11・25(金)集会
資料代:500円
時 間:18時 開場 18時30分 開会
場 所:文京区民センター3A
最寄り駅 都営三田・大江戸線春日駅A2出口2分
<プログラム>
○映像で見る大震災・福島第一原発
解説と話 田中三彦さん (福島第1原発4号機設計関与)
○福島・南相馬からの訴え
国分富夫さん(現在南会津町で避難者の会を結成して活動中)
○呼びかけ人3氏から
内田雅敏=原発・震災と日本国憲法
山口正紀=緊迫する憲法情勢
二瓶久勝=原発と労働組合
○平和のうた 11・25うたチーム
○集会に賛同していただける方は1口1000円、
団体の場合3口以上の賛同金にご協力を。
○呼びかけ人内田雅敏/二瓶久勝/山口正紀
主催 「国民投票法の撤廃を求める実行委員会」第8次集会
事務局 新田進
〒113−0033
東京都文京区本郷3−29−10 飯島ビル2F
03−5802−3809 FAX03−5802−3806
E−mail: kaiken_no@yahoo.co.jp
★5.【編集部より】「地震と原発事故情報 その220」記事訂正のお知らせ
昨日発行の「地震と原発事故情報 その220」掲載の記事「★1.福島第一
2号機で再臨界の可能性−緊急時避難準備区域も含めて、安全のために退避す
べき事態」において記者名「山崎隆久」の記載が抜け落ちていました。
ここの謹んでお詫びと記事の追加・修正の報告をさせていただきます。
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[編集部より]
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字
以内で、またその他投稿に関しては400〜800文字以内でタイトル及び内容
をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
尚、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の都合上
全てを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
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