2011年04月15日

<原発ダイアリー>原子力村の懲りない面々

チェチェンニュースの大富さんの「原発ダイアリー」2011年4月15日分ハイライトを転載します。段落等適宜変更しました。
全文はこちら http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20110415


***

2011年4月15日原発ダイアリー

今日のトピックス/この日記の目的/福島第一原子力発電所の状況/使用済燃料プールの冷却/大気を経由した汚染/汚染水・海水を経由した汚染(海洋投棄)/地下水を経由した汚染/モニタリングデータ/計画停電は何のため?/イベント情報/重要情報のブックマーク


今日のトピックス
原子力村の懲りない面々

 おはようございます。

 チェルノブイリ級の事故が首都から200キロほどのところで発生したにもかかわらず、「これからも原子力発電を推進しよう」と考える人がいるのは、ちょっとした驚きです。

 福島事故をめぐる補償額は数兆円に達すると言われますが、それは電気代や税金として、私たちが払うことになります。それもまた、原子力発電のコストです。(原発賠償で電気料金引き上げも http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110404/219294/?ST=money&rt=nocnt )

 さてそんな今、さらに原子力発電を進めようとしている人は誰なのでしょうか? 今日はその一部を紹介してみます。普通なら「ありえないでしょ」と思うようなことが、実は進行中です。油断はできません。


東電社長「柏崎刈羽3号機、年内に…」地元反発 (4月14日 読売)

 東京電力の清水正孝社長は13日の記者会見で、2007年の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市、刈羽村、全7基)で今も停止中の2〜4号機のうち、3号機について、「運転再開に向けてできるだけ早く、年内には手続きに入りたい」と発言した。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110414-OYT1T00952.htm


東芝社長:海外の原発受注遅れも (4/14毎日)

 東芝は15年度までに国内外で39基の原子力発電設備を受注することを目指している。佐々木社長は、東京電力福島第1原発の事故がこうした目標に与える影響について「1兆円達成がいつになるかは今はわからない。39基の受注も遅れると思う」との認識を示した。

 ただし、「原子力が二酸化炭素排出量の削減を解決する有力な選択肢であることは変わりがない」とも強調。東電と協力して進めているトルコや米国などへの原発輸出も「やめるとは言われていないし、東電以外にもパートナーになりたいという電力会社はある」と話し、交渉継続に期待を示した。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110415k0000m020153000c.html


福島第1原発:原子力委員長、推進政策は変えず (毎日、4月12日)

 福島第1原発の事故がレベル7に引き上げられたことについて、原子力政策を推進する内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長は12日の定例会後、記者団に対し「大規模な放射性物質の放出を起こしたことを深刻に受け止めている」と話した。その上で「絶えずリスクを下げる努力をしながら(推進する)政策を進めていく」と述べた。
http://mainichi.jp/select/science/news/20110412k0000e040083000c.html


国民全体の罪だ…石原知事「天罰」発言 (3/26 読売新聞)

 石原知事:「水力、火力では限界もある。原発を欠いては日本経済は成り立たない」と強調し、「依然として原発推進論者だ」と持論を展開した。 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110326-OYT1T00223.htm?from=nwla


 電力会社、電機メーカー、内閣、そして石原氏。私たちをさらに崖っぷちに追い込む人々と言っていいでしょう。ちなみに石原氏は都知事選の公開討論会で上の「依然として…」発言を指摘され、「そんなこと言ってない」と言い返しました。どこまでひどいんだ。

 さて、原発問題が気になる人は、できるだけデモに参加しましょう。各地で行われますが、東京では渋谷だそうです。関西地方も活発です。イベント情報をご覧ください。重複もありますが、こちらのサイトもかなり網羅しています。ロンドンSW19より: (あ、うちだ)
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195072595.html?1302831705

 それではまた明日まで、お元気で。

*リンク切れへの用心のため、紹介されている記事の全文を下に貼付けました。

*****
[紹介記事の全文]

記事情報:
時事真相 原発賠償で電気料金引き上げも
田村 賢司(日経ビジネス編集委員)

2011年4月8日(金)日経ビジネスON LINE
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110404/219294/?ST=money&rt=nocnt

福島第1原子力発電所の事故に伴う巨額の損害賠償をどうするのか。東京電力の負担額や国の支援の有無を巡って、水面下で議論が始まった。場合によっては電気料金値上げや税金投入などで、国民負担が増しかねない。

 飲料水や一部野菜からの放射能検出など、恐れられていた国民生活と経済への影響が次第に出始めてきた東京電力福島第1原子力発電所。放射性物質の大量飛散という最悪の事態回避へなお懸命の努力が続くが、被害拡大とともに与野党の間では問題収拾後の損害賠償が焦点になり始めている。

 「兆円単位の損害賠償が想定される」(自民党のある有力議員)

 「損害賠償額が1兆円を超える可能性は否定できない」(民主党の財政関連議員)

 3月末、最終的な損害額の推計にはまだ時間がかかるとしながら、民主、自民両党はそれぞれに福島第1原発被災による損害賠償の議論に取りかかった。焦点になったのは、損害賠償の対象や方法とともに、巨額の資金を誰が負担するかだ。突き詰めて言えば、東電にどこまで負担させるかである。

「東電の免責はあり得ない」

 原子力損害賠償法などの規定では、原発の事故・被災による被害については、原子力事業者(電力会社)が無限責任を負うのが原則(下の図参照)。ただし、「異常に巨大な天災・地変」や革命など「社会的動乱」の場合は、電力会社は免責となり、国が補償することになっている。

 今回も当初、「異常に巨大な天災に当たるのでは」との意見が経済産業省などから出て、東電が免責になる可能性も指摘された。しかし、3月25日、枝野幸男・官房長官は個人的見解としながら「安易に免責などの措置が取られることは経緯と社会状況からあり得ない」と述べた。

(図)巨額の賠償を誰が行うのか
   福島第一原子力発電所の被災による損害賠償のスキーム図
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110404/219294/?ST=money&rt=nocnt

 となれば、東電がどこまで自前で損害賠償を担うのかが関心の的となる。原賠法では地震や津波、噴火などの自然災害による被害の場合、電力会社と国が政府補償契約を結び、電力会社がいったん賠償をした後、1事業所当たり1200億円まで国が電力会社に補償を行うことになっている。

 だが、今回はこれを超える可能性が十分にある。そこで浮かび上がるのが「東電にどう負担させるか」(前出の財政関連議員)と、「国が一部でも“補償”を行う場合、財源をどうするか」(民主党政策調査会長補佐の玉木雄一郎・衆院議員)という2つの問題だ。10兆円を超え、最終的には20兆円に達する可能性も指摘される震災の復興財源とは別に必要となる巨額の賠償費用だけに、政権側の発言も慎重になる。

 東電は2011年第3四半期末(2010年12月末)で約2兆9821億円の純資産を保有しているが、ここにきて三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行など主要銀行に約2兆円の新規借り入れを申し入れているもよう。

 だが、仮に借り入れが実現したとしても、福島第1原発の事故対策や同第2原発の補修費用、そして2011年度に償還・返済期限を迎える社債・借入金(約7600億円)の借り換え用の資金が大半を占めるというのが、大方の関係者の見方だ。

 ただ、ここで借り換え用の資金を調達できるとなれば、通常、短期の返済原資に回すために保有する現・預金など手元資金(2010年12月末で約7300億円)が使えることになる。

負担可能額は約1兆2000億円?

 また、これ以外に、現在の資産で使えそうなのは、持ち合い株と関連会社株を中心とした長期投資の約4850億円だろう。合計すると、当面、東電が賠償に使えそうなのは1兆2150億円ということになる。

 ただし、仮にこの程度の額が使えるとしても、本当に全額を賠償に回せるかどうかは疑問だ。例えば、福島第1、第2原発の停止に伴って火力発電を増強することによる燃油費の高騰分が年間5000億〜1兆円に上ると見られる。1年目は今回の借り入れで賄えても、2年目からは自前で賄わなければならなくなる。

 加えて、現在3500万キロワットの電力供給量を火力発電の増強で4200万キロワットに増やしても、震災前の約8割。売上高減少の可能性は十分にある。さらに2012年度以降も2014年度まで毎期7000億円から9700億円の社債・借り入れの返済が必要になる。

 「国民感情を考えれば東電の負担を増やすべきだろうが、あまりに重荷を負わせると、東電の経営への打撃が大きくなる」(自民党の西村康稔・衆院議員)。仮に経営が揺らぐような事態になれば、「電力の安定供給や今後の原子力発電などエネルギー政策にも影響を及ぼしかねない」(民主党の玉木・衆院議員)。結果として、東電の負担額を抑えざるを得なくなる可能性は十分にある。

 となると、国の負担は相当の巨額になる。東電の財源が約1兆2000億円あったとしても、その一部しか使えなければ、国の負担は数千億円になりかねない。賠償額次第では1兆円を超える事態も想定できる。

まずは電促税の増税から

 この財源をどう調達するか。民主党や自民党の一部でささやかれるのが、原発の立地市町村の対策などに使う電源開発促進税の増税。2010年度予算で約3300億円の税収見込みの電促税は、電力会社が負担し、最終的に電力料金に転嫁している。

 ただ、これを増税すれば東電以外のほかの電力会社から不満が出る可能性もある。増税額が大きければ電力料金の値上げ幅も拡大し、国民感情の悪化は避けられそうにない。

 あるシンクタンクの試算によると、仮に東電1社が損害賠償で2兆円を負担し、5年かけて電気料金に転嫁する場合、東電管内の個人1世帯当たりの負担は 2011年度で年間9694円増、2012年度には同3419円増になるという。電促税の増税を電力会社9社(原発のない沖縄電力は除く)で負担するとすれば、これとは異なる計算になるが、家計への影響は小さくない。

 しかし、景気の先行きも懸念される中で東北地方も含めた個人への負担増はかなり難しいのが現実。となると、「結局、国費の投入になる可能性がある」(ある財務官僚)。

 東電にどこまで負担させるか。場合によっては同社を国の管理下に置くことも視野に入れて東電の負担額を大きくし、当面の国民負担を抑えるといった議論も永田町では出始めている。東電の先行きは不透明さを増すばかりだ。

日経ビジネス 2011年4月4日号22ページより



記事情報:
東芝社長:海外の原発受注遅れも

毎日新聞 2011年4月14日 21時13分(最終更新 4月14日 22時20分)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110415k0000m020153000c.html

 東芝の佐々木則夫社長は14日、毎日新聞などのインタビューに応じた。成長の柱と位置づける原子力事業については「各国で安全規制が見直されつつあり、着工が遅れる可能性がある」と述べ、15年度までに関連事業の売上高を1兆円とする目標達成が困難との見通しを示した。ただ、11年度の業績への影響については「上期は落ち込むかもしれないが、下期で取り戻せると見ている」と話し、新興国での事業拡大などに意欲を示した。

 東芝は15年度までに国内外で39基の原子力発電設備を受注することを目指している。佐々木社長は、東京電力福島第1原発の事故がこうした目標に与える影響について「1兆円達成がいつになるかは今はわからない。39基の受注も遅れると思う」との認識を示した。

 ただし、「原子力が二酸化炭素排出量の削減を解決する有力な選択肢であることは変わりがない」とも強調。東電と協力して進めているトルコや米国などへの原発輸出も「やめるとは言われていないし、東電以外にもパートナーになりたいという電力会社はある」と話し、交渉継続に期待を示した。

 12年度に売上高8兆円を掲げる中期経営計画については「原子力事業の割合は全体の1割弱で、それほど影響はない。震災の復興需要もあり、全体では成長できると思う」と話した。

 一方、東芝が2、3号機の建設を担当した福島第1原発の処理については「収束に最大限の努力をしたい」と述べた。高濃度の放射性物質を含む汚染水を除去するため、フランス原子力大手、アレバなどから入手した除染装置の提供などを検討していることを明らかにした。

 部品メーカーの被災や電力不足の影響で、部品・材料調達への懸念が強まっていることについては「交渉を進め、かなりの範囲でめどがついた」と述べた。最終利益予想を1000億円などとしている10年度の業績については、「最終利益は予想より上ぶれている。震災の影響は大きくない」と強調した。

 夏場に見込まれる電力不足への対策については、関東地方の工場や事業所を3グループに分け、順番に長期休暇を取ることで消費電力を抑える案を検討していると表明。

 また被災地支援として、被害の大きかった岩手、宮城、福島各県の系列の電器店21店舗を支援するため、車や営業場所を提供したり、東北地方で約100人を優先的に雇用することなどを検討していると明らかにした。【弘田恭子】



記事情報:
国民全体の罪だ…石原知事「天罰」発言

(2011年3月26日09時44分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110326-OYT1T00223.htm?from=nwla

 東京都の石原慎太郎知事は25日、福島市の福島県自治会館に佐藤雄平知事を訪ね、「東京はできるだけのことをやるから、おっしゃってください」と最大限の支援を約束した。

 会談後、石原知事は「東京で使う電力はほとんど福島からもらっていた。東京の生活は福島のおかげだ」と福島県に敬意を表した。その上で、「水力、火力では限界もある。原発を欠いては日本経済は成り立たない」と強調し、「依然として原発推進論者だ」と持論を展開した。

 一方、農作物の風評被害については、「もうちょっと落ち着くべきだ。放射能の被害のない農産物(に関する情報)を政府は伝えろと要請するつもりだ」と述べ、パニックを避ける努力をすべきだとの認識を示した。

 また、東日本巨大地震に関連し、「天罰」と発言したことについては、「片言隻句をとらえて批判するのは報道として卑劣だ」としながらも、「福島県民に罪はない。国民全体の罪だ」と釈明した。
【関連する記事】
posted by nfsw19 at 12:00| ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | メルマガ引用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。