特に教育にフォーカスして回答してください。
子どもが小さいうちは親の精神状態が子どもの成長に大いに影響しますから、親が安定して子育てできる環境がいいと思います。日本のほうが安心できていいと思えば日本がいいでしょうし、イギリスのほうが違う環境で楽しいと思えば子どももそのように成長するでしょう。イギリスは学校の送迎を保護者がしなければならないので時間のやりくりは日本よりたいへんです。
大学以上の高等教育は、教育内容のレベルから言ってイギリスのほうが良いと思います(もちろん大学によりますが、おおむね)。経済的にも、もうじき授業料が高くなりますがそれでも日本の私立大学以下あるいは同程度ですし、アメリカの大学(アイビーリーグ)よりはまだずいぶん安いです。
ではそのあいだの中等教育はどうでしょうか。
中等教育は、私立に通わせる経済的余裕があるか(最低でも年間1万ポンド程度)、子どものアカデミックな能力が公立の選抜校(グラマースクール)に入れるぐらい高ければイギリスのほうがいいです。グラマースクールでない行き当たりばったりの公立校(コンプリヘンシブスクール)に子どもを通わせて上手に子育てするのは、現地の事情に疎い外国人にはむずかしそうな気がします。もちろんよいコンプリヘンシブもありますが、外国人がそれをいち早く見つけて、必要なときまでにその近所に引っ越しているのはむずかしいです[*}。
[*} 自分の経験を言えば、そういった情報に詳しくなるにはやはり経験が必要で、子どもが一人っ子の場合、我が家がそうですが、せっかく詳しくなってもその情報はもう役に断ちません。下がいれば知識や情報はいかせるのにと残念です。
中等学校がなぜ大切かと言うと、子どもが将来イギリスで生きて行く際に役立つコンタクトやコネクションは、たいがい中等学校(11歳〜17歳)時代の5年間に培われるからです。もちろん大学以降もクラスメイトなどと様々な関係を築きますし、それが将来につながることもあるでしょうが、その子どもが特に何かに秀でていたり人間関係の作り方が上手だったりしない限りは、たいがい同じようなバックグラウンド(中等学校)出身で集まりやすいので、やはり中等学校に左右される部分が多いようです。
以上は、子どもが将来、社会的にそれなりの敬意を払われる、また経済的にもまずまずの収入が得られる職業に就く事を前提に考えています(言ってみれば、そんなに面白い人生ではありません)。そうでない場合は上記のかぎりではありません。
最後に、日本とイギリスは新学期のタイミング(4月と9月)が違うだけでなく、フォーマルな学校教育が始まる年齢そのものが1年ずれているので、途中で切り替えるつもりであれなスイッチするタイミングには注意が必要です。
【関連する記事】
- 放射能汚染で国民が不安がるのはなぜでしょう?
- イギリス人はお国なまりで話しますか?
- 死刑廃止論者も、身内が殺されれば死刑賛成になりますよね?
- 日本は小さな島国か?
- イギリスにこんな物を送っても大丈夫ですか?
- ガザ地区に関する2年前の記事
- ロンドンでゴーストツアーに参加したいのですが
- サッチャリズムが生んだイングランド暴動
- サッチャーがフェミニストだって!?
- イギリスはEUを脱退しますか。
- 国旗掲揚をめぐってアイルランドで騒動があるようですが...
- イギリスの右翼や極右の支持政党はどこですか。
- 似てる?似てない?英国労働党のミリバンド兄弟と日本の鳩山兄弟
- ガザ地区はなぜイスラエルに攻撃されているのですか
- エジプトはイスラエルとの和平条約を破棄するでしょうか
- パレスチナ問題へのアメリカの介入について
- 尖閣問題、イギリスではどう報じられてますか
- ケイトのトップレス写真についてイギリスはどうですか?
- ロンドン・オリンピックの開会式、すばらし過ぎ。泣いた。
- イギリス人のかれの階級観に困惑しています