「ヘンリー英王子誘拐」ドラマに待った=軍首脳がテレビ局に放映中止を要請
>ヘンリー王子がアフガンで反政府勢力に誘拐されるという筋立てで、顔に銃を突き付けられたり、タリバンやアルカイダからプロパガンダを行うよう強制される場面もあるという。放映の中止を軍首脳がテレビ局に求めている。
さっきもチャンネル4でこのドラマの宣伝をしてましたよ。ハリー(ヘンリーの愛称)が誘拐される筋書きといっても、別にかれの不名誉になるわけではないでしょうし、よほどのことがないかぎり、予定通り放送されるんじゃないでしょうか。
中止になどしたら王室あるいは軍部のメディアへの介入ですから、それこそ大問題になりそうな気がしますが。
2010-10-22に追記します。
ついさっき放送が終わりました。ドラマというより半分インタビューとフッテージのドキュドラマで、プリンス・ハリーがアフガニスタンで人質になったらイギリス政府はどうするかという設定で4人の専門家に取材した内容をドラマ仕立てにしたものでした。
また、実際にアフガニスタンで人質になって解放されたジャーナリストなどにも取材し、人質となっていたときにどのように扱われていたかといった話をもとに人質になっているハリーの様子などのドラマ部分は描かれていました。
イギリス政府は人質の解放に対しては身代金は払わないという基本方針で、ハリーの誘拐についてもその原則を守る展開だったのでどうやって結末をつけるかに興味をもって観てました。
冒頭、ハリーの乗り組んだヘリコプターがヘルマンド地方のどこかで墜落して、生き残ったハリーは身代金目当ての武装勢力に連れ去られます。連れ去った武装勢力はタリバンではなくまったくの素人で、領事館に対して身代金を要求しますがお金が手に入らないのでしびれをきらしていたところ、タリバンとの間で人質買い取りの話がまとまり、ハリーを売り渡します。
タリバンはハリーを連れて山越えし、パキスタン内の軍事キャンプに連れ去ります。パキスタン内はNATOの守備範囲ではないのでタリバンにとっては安全です。タリバンは軍資金は潤沢なので人質を使って身代金を要求することはまれで、通常は人質にした西欧人の兵士をプロパガンダに利用し、インターネットを使って宣伝するそうです。
パキスタン内のタリバンの基地に連れて行かれたハリーは、その基地で訓練を受けていたイギリス人ムスリムによって身元を特定され、NATO軍の撤退を呼びかけるプロパガンダに使われます。
イギリス政府はパキスタン情報部とCIAに秘密裏に協力を求め、ハリーの兵士として鍛えられた本能に期待してその基地にドローンを使って攻撃を仕掛け、ハリーは期待通り混乱に乗じて逃げ出し、待ち構えていたパキスタンの情報部によって保護されるという展開でした。
チャンネル4の「The Taking of Prince Harry」のページ
http://www.channel4.com/programmes/the-taking-of-prince-harry
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