2010年09月07日

偽「タリバン」に拘束されていた常岡氏が犯人像を語る

偽「タリバン」に拘束されていた常岡氏が犯人像を語る

一昨日の夜、作業をやめて床に入る前にyahooニュースを開けてみたところ、今年3月末にアフガニスタンで取材中に「タリバン」に拘束されて、以来ずっと捕捉されていたジャーナリストの常岡さんが解放され、帰国の途上にあるとの記事がポストされていた。常岡さんのウェブ日記を読むと以下のように記されていた。

2010/09/06 (月) 07:08:54 ありがとうございました
4月1日から157日間にわたって、クンドゥズ州などを支配している
軍閥ラティブのグループに拘束されていましたが、4日に無事解放されました。
(中略)
現在、ドゥバイの空港で関空行きのエミレーツ航空を待っています。
関空で乗り継いで、今夜羽田へ帰る予定です。
(以下略)

常岡さんには数年前に東京でお会いしていて、チェチェン支援の集会の打ち上げで少し話したことがある。かれはムスリムなのでお酒は飲まないが、みんなが飲んでいる席に長時間いて違和感がないほどリラックスした人柄だった。チェチェンを取材するジャーナリストは世間の関心も低い中で選んでそうしているせいもあって、単なるジャーナリストというより自然に活動家的な色を帯びてくる。しかし、常岡さんはそういう固い部分が非常に少なく(ほとんどまったくなく)、いい意味で軟派であり(つまり、けっこうおおちゃらけでラブリーで)、かえって信用できるように思った。

かれは以前にも取材中にあっちこっちで武装集団に拘束されていて拘束者と行動を共にしていたことがあったので、今度もきっと生きてかえってくるに違いないと信じてはいた。しかし、拘束が長期化し、つい最近もイギリス人の若い女医を含むクリスチャン支援団体の医療チームが「タリバン」を名乗る武装集団に処刑された事件があったりしたので、かれを拘束しているのが誰かによってはそう安心してもいられないのかもしれないと考えたりしていた。ラマダンが始まってから一度か二度、かれの日記を訪問して何も更新されていないのを確認した。

ところが、9月になって突然、かれも所属する(一見軟派な、実際にも軟派な?)ジャーナリスト集団「東長崎機関」のウェブサイトに「獄中からのTwitter」が掲載された。Twitterの画面がキャプチャされていて、「刑務所収監されていながらも、ツィッターで自分の生存を世界発信した常岡浩介。2010年9月3日夜に話題沸騰となってる、獄中ツィッター。」のキャプション付き。Twitter2通は英文タイプで「クンドゥズのラティブ司令官に拘束されている」件と「捕まってるけどまだ生きてます」の2件。


***

そんなわけで、無事解放されたかれだが、まだ帰国する前からtwitterを使い、さっそく日本政府に都合の悪いことを発言し始めているようだ。日本政府ばかりか、カルザイのアフガン政府の後ろ盾となっているすべての支援者にとって不都合な事実だ。日本のメディアがどこまでこの情報を伝えるかわからないが、インターネットがある限り、(モバイル環境に強い)話したい人を黙らせておくのは非常にむずかしい。

わたしはまだtwitterを導入していないので(登録してもフォローし切れそうもないし、同じ理由でfacebookにすら登録していない。化石と呼んでください)直接つぶやきを読むことはできませんが、つぶやきおまとめサイトtogtterにまとめられている「つぶやきs/2010-09-06 10:05:52までのポスト」を以下に貼付けておきます。


以下、shamilshは常岡さんのつぶやき名(ムスリム名がshamil)、2010-09-06 10:05:52のスタンプのあるポストの投稿者YASUDAjumpeiはイラクのファルージャで武装組織に拘束されたジャーナリストの安田純平氏。拘束アイドルズ(笑)。かれらはともにフリーランスのジャーナリスト組織「東長崎機関」に所属しています。

togetter 解放された常岡さんが犯人像を語る

ただいま、ドゥバイ空港に到着いたしました。明日の夜、関空経由羽田に帰国する予定です。ご心配くださった皆さま、本当にありがとうございました。
shamilsh
2010-09-06 03:09:02

いくつかのメディアで、「タリバンが誘拐」と、出ているのをみました。犯人はタリバンではありません。クンドゥズのラティブ司令官とタハールのワリーという、現地の腐敗した軍閥集団です。彼らはタリバンになりすまして日本政府をゆすっていました。
shamilsh
2010-09-06 03:15:34

「アフガン当局がタリバンと断定」してるので、日本メディアもそのまま書いてるケースが多いみたいです。軍閥ラティブはカルザイの顧問サバアウン大臣の、ヒズビ・イスラミ内の部下に当たり、カブールに事務所も持って、政府の人間として堂々と暮らしている人物なので、アフガン当局は事実を発表するは
shamilsh
2010-09-06 05:16:38



切れた。発表するはずはないと思います。政府中枢の人間が日本人を拉致して日本政府をゆすったのですから。
shamilsh
2010-09-06 05:20:45

拘束中はずっと、いずれ犯人グループの日本政府への脅迫が終われば処刑されると覚悟していました。彼らは自分たちの正体を隠そうといていましたが、ぼくはなにもかもみて知っているからです。口封じをされると予想していました。
shamilsh
2010-09-06 06:37:10

上級司令官たちは腐敗しきっていましたが、末端の兵士や支配地域の一般の人たちはまともな人たちでした。処刑されなかったのは、上級司令官が処刑の理由をつくれなかったことと、部下たちからの批判が強まったからだと思います。
shamilsh
2010-09-06 07:02:47

ぼくを拘束していた部隊は、4月中はタハール州とクンドゥズ州でタリバンと交戦を繰り返していました。オマル師の命令系統に入っていない「ローカルタリバン」は存在しますが、タリバンを敵視して殺し合うタリバンはいません。彼らはタリバンではない。
shamilsh
2010-09-06 07:15:01

4月上旬にカルザイがクンドゥズを訪れ、地元住民にタリバンを攻撃する米軍との合同作戦の説明を行ったときは、部隊は私の見張りを残して全員、この集会に出かけていました。そして、米軍との合同作戦に参加して、タリバンを攻撃したのです。このとき彼らは政府軍の一部として作戦行動をしていました。
shamilsh
2010-09-06 07:18:45

機材全部没収されて大好きな携帯を失った常岡さんと相変わらずの携帯話をした。取材の機材がなくなったのは金額的に痛いが、気持ちではそっちのほうが悔しいと。何を買おうかなあとか言って、声は聞いていないがいつもどおりの常岡さんだった。
YASUDAjumpei
2010-09-06 10:05:52

***

上記を書いていたら、東長崎機関のウェブに新しいポストがあった。帰国後の記者会見の写真と解放前の9月3日のTwitterがどのようにして発信されたかについて。

モバイル専門家、虜囚の身からの極秘通信術(一部抜粋)

 監視についてた兵士の中の1人が、どこからかノキアの携帯電話を手に入れてきた
のだという。そこで、携帯電話専門家のツネちゃんは、インターネットを活用するこ
とが今の時代を勝ち抜くにはいかに大切かを教え、インターネットを観れるようにし
てあげることにした。彼の電話で、モバイル会社に何度も電話してなんとかして契約
してあげ、インターネットを見れるようにしてあげた。そして、「これからの時代
は、ツイッターを使いこなせる者が凄いヤツになるんだ」と言って、ツイッターの使
い方を教えつつ、9/3日の書き込みをササッしてしまったのだと。

さすが、モバイル専門家の常岡浩介は、ツイッターをwebからの書き込みにした点
についても記者会見でその手法を説明。

9/3日の、虜囚の身からの書き込みが、「mobile webから」になってるでしょ。
こういうところが大事な記者会見でした。
日本メディア相手の会見と、外国メディア相手では、内容が違うよね。

1980年代は、自動車修理ができると日本人は尊重されて生き延びれたが、これか
らは、携帯電話や各種ネット機能を契約も含めていろいろできることで、虜囚の身か
らの生還の一助になるようだ。

***

わたしもTwitterを始めるべきだろうか。近い将来に(遠い将来にも)虜囚の身の上になるとは考えにくいが。それよりケイタイのスマートフォン化のほうが先かなあ。


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posted by nfsw19 at 00:00| ロンドン ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事&番組クリップ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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