2010年08月04日

死刑がない国はどんな感じですか?

[知恵袋]回答 2010-08-04

<死刑が無い国はどんな感じ?>

死刑のない国に居住しています。冤罪による死刑執行が発生し、国民的な議論の末に廃止になったと聞いています。

凶悪な殺人事件、特に子ども殺しが発生したときなどに、死刑を復活すべきではといった議論が起きることがあります。被害者の家族がメディアに登場して犯人を死刑にしたいと述べたり、それに同調する意見が一般の人から出ることもあります。

また、凶悪な殺人事件により終身刑の判決を受けて収監中の受刑者が監獄での待遇改善を求めたりした場合にも、そこまで要求する権利があるかといった議論が起きることもあります。

しかし、それらの感情論に対しては必ず冷静な反対意見が識者や一般の人から提出され、双方の意見を丁寧に拾い上げる議論がメディア(テレビ、新聞など)で活発に起き、その結果、死刑廃止はいまのところ揺るぎません。

殺人による終身刑受刑者という、もっとも人権を強制的に奪うことに対して反対の少ないであろう人に対しても一定の人権を認める社会は、わたしにとってはたいへん住み心地の良い社会です。



OECD加盟国で死刑制度があるのは日本とアメリカと韓国です。

アメリカは国としては死刑制度を持たず、州ごとに死刑を最高刑にするかどうかが決められています。現在、死刑を制度としてもっている州は30数州ですが、制度はあっても過去数年にわたって死刑を執行していない(モラトリアム)州が多く、そのうちニュージャージー州は最近死刑を廃止にしました。もっとも数多く死刑を執行しているのはテキサス州です。

韓国は死刑制度はありますが、過去10年以上死刑執行のないモラトリアム状態にあります。

なんでも外国のまねをすべきというものでもありませんが、教育制度などについてはOECD諸国との比較をしばしば行い、政策を見習う場合がありますよね。死刑制度についても外国の例を考慮しつつ議論を深めたらどうかと思います。

***

千葉景子法務大臣の死刑執行には驚いた。それも、死刑制度がありながら執行がない状態が1年続いたときに指定される死刑モラトリアム達成の当日の執行するとは、既成事実作り、数合わせの駆け込みとしか言いようがなく、その軽薄さには反吐が出る。

もし、ネットでよく言われているように、千葉法務大臣が死刑を執行しないことによって参院選に落選したのであるなら、むしろそれを誇りに最後の数カ月、死刑を執行しない法務大臣として勤め上げれば良かったのに。党上層部からのプレッシャーでもあったのか。

千葉法務大臣の死刑執行についてのアムネスティ日本の抗議声明はこちらに。


↑アムネスティのリンクが切れていました。同抗議声明は当ブログの以下のページで読めます。
2010年07月29日
アムネスティ日本支部声明:死刑執行に抗議する
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/158493090.html
アムネスティのウェブサイトにも同じ声明があります。(2012 NOV)
http://www.amnesty.or.jp/news/2010/0729_1192.html
ラベル:死刑
posted by nfsw19 at 00:00| ロンドン ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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