サリンジャーを読まれたことはありますか?
末っ子の妹の名前がフラニーで5つ上の兄がゾーイーという、グラース家の家族のサーガがあります。『フラニー』と『ゾーイー』という2つの話が1冊になって『フラニーとゾーイー』というタイトルで出ていて、他にも『ナイン・ストーリーズ』と『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア―序章―』に別の兄弟たちの話が出てきます。
マンハッタンだったかどうか覚えていないんですけど、なにしろ読んだのがずいぶん前なので、ニューヨークのどこかに兄妹の実家があります。ユダヤ人の家族です。作者のサリンジャーがマンハッタン生まれですから、たぶんお話の舞台もマンハッタンだろうと推測します。
『ライ麦畑でつかまえて』にもニューヨークが出てきます。学校を放り出された少年が実家に帰りあぐねてニューヨークの街をさまよいます。有名過ぎだし、青春文学っぽくて読まずにいるとしたらちょっと損なぐらい面白いですよ。
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『フラニーとゾーイー』
とてもとても感受性の鋭いフラニーという女の子がいまして、大学生なんですが、周囲からは申し分ないと言われるようなボーイフレンドとデートしていても、かれの俗物ぶりが鼻についていっしょにいられない。
ニューヨークの実家に戻ったフラニーは傷ついていて、でもそれがなんだかうまく説明できずに宗教に救いを求めようとする。5歳年上の兄のゾーイーはそれをみて心配し、懸命に説得を試みるがうまくいかない。ゾーイーはいまはもういない長兄のシーモアの部屋に入り、シーモアだったらフラニーにどういうアドバイスをしてやるだろうと考える。
発表されたのは『フラニーとソーイー』が最初ではないですが、それまでにサリンジャーが短編として発表していた作品のいくつかが、実はこのグラース家サーガに含まれるものだったことが明らかになるのが『フラニーとゾーイー』です。ですから、この1冊から始めて気に入ったら、『ナイン・ストーリーズ』と『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア―序章―』を読むといいと思います。
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