2010年05月09日

[知恵袋] イギリス人の彼の家に滞在するのは危険ですか?

イギリスの湖水地方に住むかれを訪問し、1カ月過ごす予定ですが
かれが労働者階級に属することから友人におつきあいを反対されています。
友人はまた、イギリスは犯罪件数も多くて治安が悪いとも言います。
労働者階級の人の家に滞在するのは、そんなに危険なのでしょうか?
貴重品の管理などに特別な注意が必要でしょうか?


まず、心配には及ばないことについて回答します。

ご友人が、イギリスの犯罪件数がどこに比べてどのぐらい多いと言っているのかわかりませんが、イギリスは妙なところに行きさえしなければ治安は悪くないし、犯罪件数も多くはないです。起きる犯罪も軽犯罪(万引き、置き引き、すり、こそ泥、自転車泥棒など)がほとんどで、殺人、強盗、強姦などの重犯罪は多くありません。

ただし、盗難は半端ではなく多いですから携行品には十分に注意を払う必要がありますし、もしものときのことを考えて現金も補償される旅行保険をかけておいたほうがいいです。また、イギリスの人は一般的にまとまった額の現金を持つことはまれですから保管も上手ではないと思います。持ち込む現金は最小限にして、必要に応じて現地のATMから下ろせるような口座を作ったほうがいいでしょう。

次に心配なことを書きます。

第一に、「労働者階級」についてあなたがが持っている(らしい)偏見が心配です。イメージの中に、労働者階級=酒飲みの暴れん坊、フーリガン、汚い、だらしないとかいったステレオタイプを思い描いていませんか?

ご存知かどうかわかりませんが、イギリス人のマジョリティが労働者階級です。ウイークデイは一生懸命働き、週末には近所の公園で友達とフットボールをし、そのあとはパブに集まってわいわいテレビ観戦。2寝室か3寝室の小さい家を買い、クリスマスには親の家に兄弟全部が家族連れで集まる。子どもを近所の公立校にやり、勉強が好きなら大学に行っていいぞ、でも嫌いなら無理することはない、といった育て方をする。

もちろん、みんながみんなこうではないけれど、ほとんどの労働者階級の人たちはこんな感じの生活を送っています。日本のサラリーマン家庭とほとんど変わりません。

イギリスでいう中流は日本の中流とは違いますよ。いわゆるプロフェッショナルな職業の人たち(医者、弁護士、教員、聖職者など)と、勤め人であった場合は上級管理職以上の人たちのことです。それ以外の働く人たちはほとんどみんな労働者です。そうでないと資本主義社会は成り立ちませんから。

「労働者階級」に対する先入観を克服しないと、遠からず、かれの友達ともかれ自身とも、つきあうのがむずかしくなると思います。

二番目の心配は、あなたが実はかれを信頼していないのではないかということです。

わたしはそのかたに会ったこともありませんし、信頼できるかどうかを判断する立場にはないですが、あなたが不安に思うのなら、おそらく何か理由があるんでしょう。その理由は自分にしかわからないと思います。

一つだけ言えるのは、レイプのほとんどはデートレイプだということです。たとえ、それ以前に性行為の経験が二人のあいだにあったとしても、望まないときに性行為を強いられたらそれはレイプです。(これは夫婦間でも同じです)

知らない土地に行き、かれ以外に頼る人がいない状況で、しかもかれの家に1カ月も寝泊まりして、いやなものはいやと言える自信がありますか? そういうとき、かれは必ずあなたの望みを優先してくれますか? 答えがイエスなら大丈夫だと思います。

***

知恵袋には人生相談とか恋愛相談とかのコーナーもあるがのぞいたことはなかった。この質問はたまたまイギリスに関する別の質問に回答していてみつけたもので、階級についての記述がなければ読んでもスルーしていただろう。

なが〜いなが〜い相談だが文章は丁寧だったし、質問した人に悪気がないのは明らかだったが、どうすればいいんだ、その偏見、それを差別と言うのだが〜というたぐいの内容だった。また、いくつかの回答も質問に劣らず偏見と差別意識に満ちたもので、両方とも善意から出発しているだけに矯正はむずかしそうだ。

例えば小学校や中学校で、「どういうことをすると差別になりますか?」とかいった質問を出し、子どもに自由に話し合わせてみてはどうだろうか。少なくとも、自分にも差別意識があるとわかるだけでも、知らないよりはずっといいと思うが。
posted by nfsw19 at 00:00| ロンドン ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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