はい、その線が濃厚です。
保守党の獲得議席数によってはUUPやDUPなど北アイルランドの保守政党(いずれも少数)との連立で用が足りたでしょうが、それどころじゃなく全然足りないので、今夜から自由民主党(リブデム)との連立交渉が始まります。自民党の連立の条件は「小選挙区制の改革」です。
労働党のブラウンも自民党のクレッグに連立の秋波を送りましたが、1番の人から、とすげなく袖にされました。
〜続報です〜
夕べ、両党のシニアメンバーによる初会合が開かれ、保守党から自民党に連立の条件等が提出されたようです。それを受けて、まもなく自民党内のシニアメンバーによる会合が開かれ、その後、午後から全議員による長時間会合が予定されています。
自民党筋の情報によれば、あまりにも政策に開きがあるのでコアリション(連合)の可能性は低いのではないか、議題によって協力体制を組むもっとゆるいものならあり得るが、とのことです。
保守、自民による連立が成立しなかった場合は、保守党はDUP(議員8名、UUPはその後進であるUCUNFが負けたので議席ゼロ)と無所属(1名)と組んで少数与党となる可能性もあります。その場合、保守党は過半数に11名足りず、野党は労働党258名、自民党57名のほか、SDLP3名、アライアンス1名が労働党に近く、議案によってはSNPやプライド・カムリ、グリーンなどがいるので結局議会は空転し、年内にもう一度選挙があるかもしれないとの見方も出ています。
そんなわけで、保守党筋からの話しとして、ブラウン(労働党党首、いちおうまだ首相)はデッドダックだが、キャメロン(保守党党首、次期首相ワナビー)もすでにレームダックという批判も出ているそうです。
〜続報です〜
乗りかかった船なんで(笑)続きを書いておきます。ただいま月曜朝8時過ぎです(時差8時間)。
週末を通して協議は続きましたがまだ決着していません。経済に与える影響も懸念され、今日中には決するのではないかと言われています。
昨日、日曜日の夜の時点では、保守自民連立の方向でポジティブに話は進んでいるようですが、自民党は一方で労働党とも話し合いを進めています。というのも、保守党と自民党の政策は水と油ほどにも違うので妥協点を探すのは容易ではなく、保守党のキャメロン党首が党内の強硬派(右派)を説得できないのではないかとの観測です。
その点からみると、労働党と自民党のほうが政策の立脚点が近く(弱者寄り。労働党の場合はブレアのニューレイバーで極端に右傾化しているので、もとの位置まで戻る必要があるけど)、また歴史的にみれば二大政党の片方として保守党と対立して来た政党ですからその点でも無理がないです。ほかのいくつかの進歩的政党(議員数名)と合わせて自民労働の進歩派コアリション(連合)を作るといった見立てもありますが、過半数には届かないのでその点がネックになっています。
あるいは、もっとラディカルに、いくつかのナショナリスト政党(この場合のナショナリストとはいわゆる外国に対して強硬なナショナリストのことなく、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの利益を優先する地方政党のことで、政治的には左派)もあわせてアンチ保守党で固まるという話も出ています。この場合は数こそ過半数を超えますが安定するとはとうてい思えず、非現実的です。
わたし個人としては、二大政党制(単純小選挙区制)に反対する立場から、またイラク戦争に対する立場(自民は参戦に反対)から7年来の自民党支持ですから、ほかの多くのコアな自民支持者と同様に保守党と連立してほしくないです。まず政権に食い込むことを優先して政策を転換するとしたら、他の二つと同じく二大政党制の枠内に入り込んでしまうことになり、なんだよ〜、同じじゃん、という気持ちでいっぱいです。
この件についての報告はこれにておしまいにします。あとはニュースでご覧下さい。
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