『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス著 新潮文庫
実在した連続殺人に材を得たミステリーで舞台は旧ソ連。
不条理な犯罪は資本主義社会に特有な病であり、共産主義社会には存在しないという前提により、殺人の犯人探しは実際の犯人を見つけて罰することよりも、国家の理にかなうスケープゴートをとっとと見つけて処罰することに重きがおかれた。そのため、無慈悲な連続殺人犯がいつまでも子ども殺しを享受できてることになった。
描かれているソ連の社会がどの程度、史実に基づくのかわかりませんが、人を不信と密告のシステムに陥れていく体制の怖さは、殺人場面の凄惨さを超えます。
主人公に魅力があり、ストーリーに社会性があり、犯人に意外性があるという、わたしにとってのミステリー三大要素をすべて満たしています。

ラベル:読書
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