2010年04月25日

[知恵袋] 日本はイギリス病(英国病)にかかっているのでしょうか?

日本は「イギリス病」にかかっているという記事がありましたが‥‥

「イギリス病」の定義が間違っていると思います。いくら症状がちょっと似ているからと言って、原因が違えば同じ病気ではありません。

イギリス病の原因

1)累進課税の導入などによる高税率。たしか、収入によっては80%とか90%とかの税率になっていたと思います。

→ いま、日本の中間所得層の税率はせいぜい20%ちょっとでしょう。いま現在のイギリスの税率より断然低いですよ。

2)高福祉による労働意欲の低下。国民健保無料化、失業手当、年金、高等教育の無料化などなど有名な高福祉国家「ゆりかごから墓場まで」の定着と国庫の圧迫。

→ 民主党が公約に掲げていた福祉関連の政策を全部実行しても、当時のイギリスの福祉には遠く及びません。

3)公共事業部門でストが頻発し、社会不満が高まる。炭坑のスト、教師のスト、給食のおばさんのスト、郵便局のスト、ゴミ収集のスト、交通機関のスト、その他もろもろ。

→ いまの日本でスト権を行使する(できる)ような組合、あります?

4)公共事業の国有化=無競争によるサービスの低下。のちにサッチャーがほとんどすべてを民間企業に投げ売り。

→ 郵政事業は民営化したのにまた国有化の動きですよね? 鉄道は大昔に、大学も最近法人化しちゃったし、あと何が残ってたでしょうか。

というわけで、日本はイギリス病ではありません。その記事を書いた記者は、できあいのネーミングを安直に使用しているだけだと思われます。
ラベル:英国政治 英国史
posted by nfsw19 at 00:00| ロンドン ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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