2歳と4歳の子供に、教材という形でなく、自然に英語を与えてみたくなりました。
「アンパンマン」とか「おかあさんといっしょ」のような番組ありますか?
イギリスの幼児番組では『テレタビーズ』がよいと思います。就学前の子どもを対象に製作されていますから、2歳4歳のお子さんにはちょうどいいのではないでしょうか。日本でも放送されたと思いますが、たぶん吹き替えになっているでしょうから、DVDをお求めになってオリジナル音声で視聴されるといいでしょう。
おなかにテレビ画面のついた架空のいきもの、テレタビーの4人がテレタビーランドで繰り広げるいろいろな出来事が番組の中心で、現実の子どもたちの生活がテレタビーズのおなかのテレビに映し出される設定になっています。キャラクターも番組そのものも様々な教育的観点からよく練られているので、特に勉強らしい場面設定があるわけではないですが、数や言葉などについてゆっくり学べる仕組みになっています。
番組中に繰り返し出て来たシークエンスで、CGで作られたある1本の木のエピソードをよく覚えています。1本の木に新芽が出て、やがて葉っぱが茂り、鳥たちがやってきて、葉が黄色くなって散って枝だけが残るという一連のアニメで季節をあらわす簡単なものですが、それを見ながらまだ小さかった息子に日本語で「ああ、春だねえ、夏だねえ、秋だねえ、冬だねえ」といつも話しかけていました。
ある日、バスに乗って出かけた時、11月頃だったと思いますが、車窓から見える裸になった街路樹を見て突然息子が「ふゆー、ふゆー」大きな声で言い、それが幼児語以外の初めての言葉だったので感激しました。成長した息子に聞くと季節の概念を覚えたわけでもなんでもなく、単に葉を落とした木を冬と言うんだと思っていたそうですが。
テレタビーの4人の設定が現在のイギリスの社会をとてもよく表しているので、最後にそれについて。背の高い順に紫のティンキーウィンンキー、緑のディプシー、黄色のラーラ、赤のポーで、ティンキーウィンキーとポーが白人、ディプシーが黒人やアジア人(オリエンタルは含みません)、ラーラがオリエンタルの肌の色をしています(顔の部分)。
白人でない2人、ディプシーが男の子らしい男の子、ラーラが女の子らしい女の子というクセのない設定になってるところがある意味ポリティカリーコレクトネスかなと思います。ポーは女の子のような感じですが、それ以前のもっと幼い子どもの象徴です。もっともコントラバーシャルなのが背の高い白人のティンキーウィンキーで、男の子ですが、体色の紫をはじめ、明らかにゲイの特徴をいくつも持っています(制作者はそうはいってませんが)。
いま気がつきましたが、キャラクターの4人はすべてマイノリティ(社会的弱者)の設定ですね。本来なら白人で男のティンキーウィンキーが一番強いはずですがゲイなのでそうではない。つまり、4人の関係に上下がなく、フラットです。すごいなあ、あらためて見直した。

紫のティンキーウィンキーはハンドバッグがお気に入りで、
番組中で、バレエのチュチュを来てダンスしたこともあります。
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