2010年01月24日

[TUP速報841号] 劣化ウランの恐怖:死に瀕するファッルージャ の子どもたち

Date: Sun, 24 Jan 2010 19:04:01 -0000
Subject: [TUP-Bulletin] 速報841号
劣化ウランの恐怖:死に瀕するファッルージャの子どもたち

劣化ウランの恐怖:
死に瀕するファッルージャの子どもたち


◎ファーティマ・アフメドは二つの頭を持ってファッルージャで生まれた
===================================
国連要請署名、原題「Help Deformed Children in Fallujah 」の訳を掲載しま
す。とても重い告発です。

原文はイラク連帯キャンペーン(1)という英国の団体が2008年7月25日に掲載した
フセイン・アル=アラクさんが書いた文章です。なお、このサイトは国連への署
名提出を予定していて、このサイトで署名することができます。
【末尾(2)参照。】

冒頭にある「頭がない、頭が二つある、目が一つしかない、うろこ状の皮膚を持
つ、あるいは手足がない」については、そのまま訳しています。原文から正確な
病名などはわかりません。

英国では、スカイテレビが放送で取りあげ、そのことが英国からのこういう活動
につながっています。この国連要請書には訳文の題名であるファーティマ・アフ
メドの話は出てきません。この話は http://www.uruknet に「ファッルージャの
形態異常の出産増大」の一例として紹介されています。

このサイトに掲載されているファーティマは、既に三歳で亡くなりました。頭が
二つあるように見えたのは、大きな腫瘍が出来ていたためと言われています。

彼女の写真が世界に訴えかけるのは何でしょうか。たくさんの先天性疾患とガン
や白血病の多発。ファッルージャで起きていることは、イラク各地で起きている
こと、明日のガザ、あるいは未来のどこかの地で繰り返されること、そうであっ
て良いはずがありません。

英国ではスカイテレビだけでなくガーディアン紙やインデペンデント紙などでも
取りあげられています。翻って日本の現状はどうでしょう。

ファッルージャと言えば高遠さん、今井さん、郡山さん、04年4月に起きた拘
束事件の3人を思い出す方も多いでしょう。3人が止めたかった戦争、その結果
がこれです。

3人を非難したメディアはファッルージャの現実にも沈黙を続けています。そん
なメディアには「国際貢献」などという記事を書く資格はもはやありません。

(1)
http://iraqsolidaritycampaign.blogspot.com

劣化ウラン研究会/TUP 山崎久隆
===================================
凡例:
【訳注】


ファーティマ・アフメドは
二つの頭を持ってファッルージャで生まれた


2009年10月18日
国連総会宛の要請文

イラクのファッルージャ(ファルージャ)で、若い女性たちは子どもを産むこと
を恐れています。それは異形の姿で生まれる新生児が増えているからで、頭がな
い、頭が二つある、目は、一つ額にあるだけ、うろこ状の皮膚を持つ、あるいは
手足がないというものです。さらに、ファッルージャでは幼い子どもたちは忌ま
わしいガンおよび白血病の増加に見舞われています。これらの形態異常は例え
ば、2008年6月と2009年9月1日に英国のスカイテレビのドキュメンタ
リーにより、今や詳しく記録されるようになりました。われわれの直接の情報源
であるファッルージャの医師たちは次のように報告しています。

2009年9月に、ファッルージャ総合病院で生まれた170人の新生児のう
ち、24パーセントが最初の7日間で死亡しました。驚くほど多数にあたる75
パーセントの新生児が形態異常を持っていました。2002年8月【すなわちイ
ラク攻撃、ファッルージャ攻撃前である】の記録では530人の出生中、最初の
7日間で死亡したのは6名、そのうち形態異常が見られたのはたった一人でした。

ファッルージャの医師たちは、形態異常の空前の事例数を目撃しているだけでな
く、2003年以降早産もまたかなり増加していることを特に指摘しています。
しかしもっと恐ろしいのは、ファッルージャの医師が「生き残ったかなり多くの
新生児がその後、深刻な障害を起こしている」と言っていることです。

多くの医師や科学者そしてイラクに対する深い懸念を持つ人々の一人として、英
国の勤務医クリス・バーンズ=コックス博士は、ブレア政権で国際開発大臣を務
めていたクレア・ショート議員に手紙を書き、この状況について質問していま
す。クレア・ショートは国際開発大臣(道義を貫くために2003年5月に辞任
するまで自身が就いていた役職)であるダグラス・アレクサンダーに対し、
ファッルージャの形態異常をきたした子供たちの状況を明らかにするよう、手紙
を送りました。

彼女は国際開発大臣を補佐する担当閣外大臣で議員のガレス・トーマス氏から
2009年9月3日(スカイテレビによる9月1日の放送から2日後)付で回答
を受けました。彼の回答はファッルージャにおける年間2ないし3人を超える規
模の形態異常出産があることを否定し、従って問題がないと断言するものでし
た。これはファッルージャから届く数々の報告からまったくかけ離れた内容で
す。一つの墓地の、ある墓掘り職人は一日あたり4人から5人埋葬をしています
が、その大部分が形態異常を示していると言います。

クレア・ショートは私たちに手紙の写しを手渡しました。それは子供の健康およ
び劣化ウランの使用についてこれまでの4年間に受け取った3つの別々の書簡の
回答に、注目に値する類似性を持っています。これらすべての手紙は数々の嘘と
受け手を混乱させる目的に基づいて書かれています。自叙伝『高潔な欺瞞?』の
著者クレア・ショートは「ダウニング街10番地(首相官邸)」の第一の本能は嘘
をつくことである」と言います。トーマス氏の手紙や私たちが受け取ったその他
の手紙の虚偽癖のことを、極めて深刻であると考えます。これらの手紙は小さな
汚職、または税金の問題を扱っているのではなく、軍隊や致命的な兵器の使用を
扱っているのです。

ある特定の兵器の使用には、途方もない影響があります。イラクは将来、子ども
を作らないことが賢明な国になってしまうでしょう。すでにそうなってしまって
いるのでなければ。他の国々はイラクに何が起きたかを見守り、同盟軍による国
連憲章、ジュネーブ条約およびハーグ条約、そして国際刑事裁判所ローマ規定の
完全なる無視を模倣することになるでしょう。いくつかの国、例えばアフガニス
タンは、劣化ウランや白燐弾による、何十億年という期間で計られるような環境
への長期的な損害と破壊的影響を受けることになります。

国際開発省担当閣外大臣に対する手紙で私たちが指摘したように、もし英国政府
が自分たちが使っている武器の影響を明確に知らない、または政策として「犠牲
者数を数えない」というのであれば、英国政府はイラクとアフガニスタンの戦争
を、特に「均衡原則」という観点および自然環境への長期的被害の面で、国際法
に従って行っているかどうかをどうやって判断することができるのでしょうか。
国が国際市場で売っているストームシャドウ・ミサイル【訳注】のような兵器シ
ステムの違法性を知ることは、もしもイラクにおける子どもやおとなの死や医療
の必要性を評価するべきはずの政府の、まさしくその担当省が真実を語っていな
い場合、それはどうやって可能なのでしょうか。

【訳注:英国・フランス・イタリアが共同開発した空中発射型巡航ミサイル、2003年のイラク戦争で初めて実戦使用された】


私たちは国連総会に対して下記の通り求める:

1.イラク、特にファッルージャ、バスラ、バグダッドおよびナジャフに先天性
欠損症およびガンの症例が、これまでにない規模に増えていることに関して深刻
な問題の存在を認めること。

2.イラクに先天性欠損症およびガンの症例が増加した問題について完全な調査
を行う独立委員会を設置すること。

3.劣化ウランおよび黄リンを含めて占領軍によって使われた有毒物質の汚染除
去を実行すること。

4.これらの危険に対し、子どもたちや大人たちを守るためにも、被曝を最小限
にするために汚染領域への立ち入りを規制すること。

5.国連憲章、ジュネーブ条約およびハーグ議定書、国際刑事裁判所ローマ規定
を支持し、戦争犯罪、あるいは人類に対する罪が犯されたかどうか調査すること。

敬具

(2)原典のURL
http://www.petitiononline.com/hdcif/petition.html
上記サイトに記載されている出典に関する記述を訳します。

「ファルージャの形態異常の子供たちを救援する国連要請署名運動 (The Help
Deformed Children in Fallujah Petition to The United Nations)」は、「イ
ラク連帯キャンペーン(Iraq Solidarity UK )」が創設し、フセイン・アル=
アラク(hussy_al_2000@yahoo.co.uk)によって執筆された。この署名運動は、
公共サービスのひとつとして当サイト www.PetitionOnline.com がホストを行
う。この署名運動は、、明示的にも暗黙にもArtifice, Incまたは我々のスポン
サーによって推奨されるものではない。技術的サポートについては、簡易「署名
ヘルプ」フォームを使用すること。

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