2010年04月10日

[知恵袋] おいしいイギリス料理は何ですか?

イギリスの料理はあまりおいしくないと言われていますが
おいしいイギリス料理、何かありますか?

普段の料理なら「チキンブロス」。

鶏肉でだしをとり、さいの目状に切った野菜やポテトや豆を煮込んだ具だくさんのスープです。なにごとによらず、イギリスの料理はやり過ぎの傾向があり、くたくたのパスタとか柔らか過ぎて崩れそうな付け合わせのブロッコリとか、ゆで時間半分にしてちょうだいと思う場合が多いですがブロスだけは別。くたくたに煮くずれて材料の味が渾然一体となり、一日目においしく二日目にはまた別の味になり、材料を足しつつ何日でも食べられます。鶏肉のかわりにハギス(羊の内蔵)を使ったのが「スコッチブロス」。

週末の料理なら「ローストビーフ」

肉汁で作ったグレービー(ソース)をかけ、ホースラディッシュ(ピリ辛のペースト)を付けていただきます。手間いらずで(肉を縛ってオーブンに放り込むだけ)、豪華で、しかもおいしい。ディナーでいただくなら中心が赤い半生状態がおいしいですが、余ったらもう一度オーブンに戻して中まで火を通し、クレソンといっしょにサンドイッチにします。

***

息子のリクエストで、このごろ毎日のように「にせチキンブロス」を作っている。チキンではなくベーコンでだしをとり、固形スープストックを入れているので、そのあたりが明らかに「にせ」なんですけど、息子の友達が来たときにもランチに作って出したところ、すこぶる評判がよろしい。具だくさんで腹持ちがいいので育ち盛りの腹減らし向きだし、野菜がたくさん食べられる。どっさり作ってガス台にのせておくと、帰宅した息子がおやつ代わりに食べている。

にせチキンブロスの作り方

1〜2日で食べ切る中鍋いっぱいの材料(野菜は中ぐらいのサイズを基準にしてますが、その時手元にあるものを使い、全部でその程度の量があればいい)

ベーコン4〜5枚、タマネギ中2個、人参2本、じゃがいも中4〜5個、パールバーリー(麦粒)1つかみ、固形スープストック(チキン、野菜各1 )、オリーブオイル(炒め用)少々、乾燥ロリエ1枚、塩、砂糖、水(*パールバーリーがなければ押し麦で代用。スープにとろみと食べごたえを加える材料です)

1) 野菜はさいの目に切り、じゃがいもは水にさらす。
2) 鍋にオリーブオイルをひき、ベーコン、タマネギ+ロリエ、人参、じゃがいもの順に炒める。
3) 鍋の8分め程度まで水をいれ、パールバーリーをざっと洗ってから加えてかき回す。煮立つまで強火。煮立ったらアクを取り、弱火で20〜30分煮る。
4) 材料が柔らかくなったらスープストックを加える。
5) パールバーリーが食べられる固さになっていたら砂糖と塩で味付け。野菜の味が分かる程度の薄味が理想的。全体に味がなじんだらできあがり。

バーリーが充分に柔らかくなる2日目がおいしんですけど、残念ながら2日目にはほとんど残ってません。

このスープを作っていると作家の保坂和志さん(つれあいの古い友人)の小説『季節の記憶』を思い出します。『季節の記憶』の中で小さい息子と暮らすお父さんが(妻と離婚した父子家庭という設定だったと思います)、子どものために毎晩スープを作るシーンがあり、ちょうど同じような具だくさんのスープでした。ただし、息子はまだ小さく、うちのみたいに大食漢のティーンエイジャーじゃないので量がだいぶ違いますが。




posted by nfsw19 at 00:00| ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | 知恵袋回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。