もう、だいぶ以前になくなっちまいましたが、代官山の同潤会アパートです。探したらどなたかが撮られた写真が出てきました。なつかしいです。
大昔、渋谷の南平台の高台のボロアパートにボーイフレンドが住んでまして、そこからの帰り、猿楽町の高級住宅街を抜けて代官山の同潤会アパートまでよくひとりで散歩しました。巨木がいい感じの木陰を作ってまして、夏などツタに巻かれてあちこちの窓が窒息しそうになっていました。中低層のアパート群の中に銭湯があって、利用したことはなかったですが、当時はまだ営業していたと思います。
管理人などもちろんいないし、それどころか鍵も何もないので建物には誰でも入ることができ、あっちこっちの屋上でよく昼寝したりビール飲みながら読書したりしてましたが、そういうときは先客のネコの親子によくうるさがられました。住んでいる人の数より住みついているネコの数の方が多い感じでした。廊下も広くてひんやりしていた印象が残ってますが、ほんとうはどうだったのかなあ、いまとなってはわかりません。
まだ現役の建造物なら、一つではなく風景としてですが、(新宿西口公園から見た)新宿の高層ビル群です。
大昔(こればっか)、浪人中でしたが、当時のボーイフレンドと(こればっか)どういうわけか新宿西口公園にバドミントンをしにいって、にょきにょきと建っているいくつかの高層ビルと建築中のビルを見ながら、「いまにもっとたくさんビルが建って、ここから見える風景はビルの壁になるんだぜ」とかれが得意そうに説明したのを思い出します。
***
代官山の同潤会アパートに行っていたのは1980年頃だったと思う。原宿の同潤会アパートみたいに店が入っているわけではなかったのでいつも閑散としていて、空が広かった。
当時とそれからしばらくあとまで、しばしば無断であちこちのビルの屋上に上った。何度も行きたくなるような屋上はそう多くはなかったが、新宿歌舞伎町の裏にあったビルの屋上には何度も何度も上った。それも真っ暗な夜中ばかり。
そのビルはごみごみした歌舞伎町の建物群の中では比較的大きな居住用の建物で、高さも充分にあった。道に面した1階部分は店になっていて、店と店の間の幅の狭い廊下が居住部分への入り口になっていた。そんな奥まった場所になぜ入ろうと思ったのか忘れてしまったが、長い廊下の途中にエレベータがあって屋上の1階下の階まで行けた。
その屋上からは西口方面がすっかり見渡せた。真っ黒な大きな空の下4分の1あたりに積み木のような影が立ち並び、赤い小さな明かりが呼吸するように点滅していて、うっとりするほどきれいだった。いくら眺めていても飽きない風景だった。
新宿西口公園でバドミントンをしたのはそれより前で、たぶん77年か78年頃だ。そのころの写真がないかと検索したら1980年撮影の写真が出て来た。ありがたいなあ〜。
わたしが見た風景は、そう、こんな感じだった。今みたいにビルの壁にはまだなっていなくて、ビルとビルのあいだに縦長の空があった。ビルの屋上がいきなり空に接している風景ではなく、ビルの裾にはまだ地平があった。
ラベル:東京
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