<イギリスに暮らす子供たちは
何歳ぐらいから喋れるようになりますか?>
自分の子どもを例にとると、日本語を話し始めたのは遅くも早くもありません。1歳から片言で話し始め、2歳過ぎぐらいにはけっこうおしゃべりしていた気がします。家の中の会話は日本語だったので当然のことながら話したのは日本語です。
3歳過ぎたあたりから近所の子たちと交流するようになりました。イギリスでは小さい子どもを保護者なしの状態にしてはいけないので公園にひとりで遊びにやるようなことはできませんが、幸い当時住んでいた家には近所の家50軒ぐらいが共同で使用する、外部の人の入れない安全な中庭があったので、中庭づたいに近所の子どものいる家に出入りして遊んでいました。
年上の子たちがずいぶんかまってくれましたが遊び中もほとんど話さず、英語での意思の疎通が取れているのかどうか端から見ていてもよくわかりませんでした。家ではぺらぺらしゃべるのに(日本語を)、外ではまったく口をきかない状態だったので(英語も日本語も)夫はずいぶん心配していましたが、わたしは、頭の中に語彙を蓄積しているんだろうと思っていました。近所の子が、まだろくにしゃべれない息子に悪い言葉ばかり教え込むので困りましたが、その子はそれがおかあさんにばれてお仕置きされていました。
3歳半で幼稚園に入園させましたが、そのときはまだまったく英語は話していませんでした。成長してから聞くと、幼稚園に入ったころは先生や友達の言うことのいくらかは想像できたそうですが、それより家から離れた不安のほうがずっと大きく、英語で言葉を発するどころではなかったそうです。
そのころ、息子が幼稚園で耳にして、その意味を知りたいとわたしに訴えた言葉があります。先生がよく使っていた言葉で、息子は「ぶーたほーってなに?」と聞きました。Beautifulのことでした。
息子はシュタイナー幼稚園に通っていたのですが、いまになって思うとそれが良かったような気がします。とても規模の小さな幼稚園で、シュタイナー教育法に基づいていたので電気的な音や映像がいっさいなく、お話の時間には先生が身振り手振りを交えながら毎日同じ話を1週間、繰り返し繰り返し聞かせるのです。理解を助ける絵も映像も何もなかったのですが、ともかく毎日同じ話を繰り返すので、月曜日にわからなかった話が金曜日はわかるようになっていました。
で、ふと気がついた時には(5歳頃だったか)英語でも日本語でもべらべら何でもよくしゃべる、うるさい子どもになっていました。14歳になったいまは、どうやって日本語を維持するかのほうがたいへんです。話す聞くは家で使っていればなんとかなるのですが、読み書きは動機づけがないので衰えるばかりです。あんなにいっしょうけんめい教えたのに、いまでは小学2年生の漢字もあやしいし、時々ひらがなも書き間違えます。
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