2012-12-25 19:37:52
◎今や米国はウィキリークスと、
情報源とされる人々への迫害をやめ、
正義を行うべきときです
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ウィキリークスとその編集長ジュリアン・アサンジは、世界各国の権力構造の実態を暴く膨大な量の重要文書を公開してきた。米国大使館公電や、米軍の戦争犯罪の実態を暴き、米国の怒りをかったアサンジは、超法規的な処断による弾圧を受けてきた。身の危険に迫られたアサンジはエクアドルに亡命を希望し、現在ロンドンのエクアドル大使館で保護されている。すでに6カ月が経った。
去る9月26日、アサンジは国連総会に向けてエクアドル大使館から衛星回線経由でオバマ大統領に迫害を止めるように呼び掛ける演説を行った。
アサンジはその後12月20日にもうひとつの演説を行い、2013年には、さらに10万件にもおよぶ重大文書を公開すると発表した。両方とも素晴らしい演説だったのでTUP速報シリーズとしてお届けします。
今回分はこのyoutubeで見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=IjPAmTn0WYA&feature=endscreen&NR=1
(なお、これまでのウィキリークスの活動やアサンジに対する弾圧の諸事情については過去のTUP速報をご覧ください)
速報946号 ジュリアン・アサンジ支援集会でのダニエル・マシューズのスピーチ
http://www.tup-bulletin.org/modules/contents/index.php?content_id=979
速報937号 "勇気は伝染する"―マニング、ウィキリークス、ウォール街占拠
http://www.tup-bulletin.org/modules/contents/index.php?content_id=970
[前書き:宮前ゆかり、 翻訳:川井孝子・寺尾光身・藤谷英男]
国連総会に宛てたジュリアン・アサンジの
人権に関する演説(2012年9月26日水曜日)
パティーニョ外務大臣閣下* 、各国代表の皆様、ご列席の皆様
[訳註: *エクアドルの外務・貿易・統合大臣]
今日私は一人の自由な人間として皆さんにお話しいたします。起訴されないまま659日勾留されてはいるものの、最も基本的で最も重要な意味で私は自由だからです。自分の考えを述べる自由があります。この自由があるのは、エクアドル国民が私の政治亡命を受け入れて下さり、他の国々の方々が結束してその決定を支持して下さったことによります。また、ウィキリークスが「あらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える」* ことができるのは、国際連合の世界人権宣言第19条によります。そしてまた私が他の人々とともに政治的迫害からの保護を受けることができるのは、「迫害を免れるため他国に避難する権利」を明記した世界人権宣言第14条1項や1951年の難民条約その他国際連合が定めた諸協定によるからです。
[訳註:* 世界人権宣言第19条邦文より引用]
国連のおかげで、私は自分の不可譲* の権利を行使することができ、私に対して、そして私の組織のスタッフや支持者たちに対し諸政府が行っている恣意的で過剰な行為から保護を求めることができます。国際慣習法と国連の拷問禁止条約に、拷問に対する絶対的禁止が明記されているからこそ、だれが犯人であるかに拘わらず、一組織として、私たちは揺るぎない立場に立って拷問と戦争犯罪を断罪するのです。
[訳註:* 何人も奪うことのできない、何人にも譲ることのできない(基本的人権)]
エクアドル政府のご厚情により今日再び国連で話す機会を提供されたことに感謝したいと思います。ジュネーブの普遍的定期審査*で証言したときとは状況はまったく異なっているのですが。
[訳註:*国連人権理事会が定期的に加盟国の人権状況を審査するための制度]
ほぼ2年前の今日、私はそこで10万人以上のイラク民間人に対する拷問と殺人を暴露した私たちの仕事について話しました。けれども今日はアメリカの話をしたいと思います。イラクに配備されていた 、ある若い米軍兵士のことを語りたいのです。
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